第999話

 迷路の突破方法は1つだけではない。もう同じことを実践している人もいるだろう。その方法は、右手の法則?そんな簡単な法則は皆が使っている。脳筋の方法がある。壁の破壊だ。ダンジョンのことだ。壊したとしても時間が経てば修復するだろう。


 ファイヤーボールでその壁を燃やしてみる。そして、水魔法で水をかけてみると一瞬で修復する。修復することを確認することができた。水をかけた場合とかけなかった場合の時間の差を確認しておかないとな。それが終わると、燃やした植物に燃え尽きるまでの時間の変化と、再生速度の確認だ。


 焼畑農業もあることだ。その燃え尽きた灰が肥料になり成長が早くなる可能性がある。さらに虫みたいな感じで耐性ができるのかもしれない。そうなってくると数回ここを通ると、脳筋突破の手段が使えなくなってしまうはずだ。その時には大人しくマップを作らないとな・・・。


 全く関係のない隣の植物の柵を燃やす。火が消えるまで20秒かかり、10秒で復活する。そして復活した瞬間にもう1度燃やした。火が消えるまでは少し縮み17秒程度になった。だが、復活するまでの速度は7秒に短縮している。やはり、灰が栄養になっているようだ。復活時間が大きく短縮されている。


 火が消えるタイミングは燃え尽きた時だけだ。火を消す能力は持っていないようだ。燃え尽きるのが早くなっているのは、根の部分や体の中に残っている水分が減ったからだろう。火魔法の耐性の確認まではいかないな・・・。


 条件合わせがめんどくさいな。少し離れたところにある草の壁にウォーターボールをかける。そして風魔法で突風を発生させ水分を飛ばした。そこにファイヤーボールをぶつける。根の方にはまだ水分が残っているため、燃え尽きるまで2秒増えてしまった。


 これなら、あの耐性チェックをすることができる。そう思いながら最初の壁の方に向い燃やし尽くす。そして水魔法をかけながら再生させた。念の為、再生が終わるまでバックステップで距離をあける。なんということでしょう。最初は2mほどだった木が、天井に貼られているバリアを貫き成長したではありませんか。


 さらに横に広がり、俺がいた場所も荊棘で覆われている。急な成長による変異かな?バックステップの先にあった草を見たり触れたりしたが、棘も何もついていない。確実に変異をしたようだ。栄養と水があったことによる急激な成長、火魔法を打ち込んでみる。


 まずはファイヤーボールだ。これで燃えなかったら、バレットと少しずつ火力を上げていけばいい。当たり前のように引火せずに消えていく。耐性を持っていることは確実か。次はバレットだ。少し燃えたかな?程度だ。ジャベリンから引火が始まる感じになるか。耐性はあるが一旦燃えることは確認できた。


 次は氷だな。白狼を召喚し氷漬けにしてもらう。耐性ができたのは火魔法だけだったようだ。壊れてしまった。壊れていく植物が立てた砂埃が収まる時には、あの破壊されたバリアがなくなっている。あそこから入れば、ゴールまで本当に一直線だったのに・・・。


 当たり前だがバリアの方が修復速度が速い。道を破壊しながら、ゴールに辿り着く。

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