那古屋城も夢のまた夢
オレは歓迎会?ではないかもしれないが竹中さん兄弟、従者?の人達に紹介され仲良くなったと思う。その後は自分の家に戻り、例の剣二つを鑑定してみる。
《黒刀アンドロメダ》売却不可
効能・・・・その昔、神々の戯れ時のヤマトノクニの戦士が常用していた黒刀。ロストテクノロジーの塊である。
《ウィンド剣》売却不可
効能・・・・風の精霊が宿った剣。修練を積んだ者が振るうと剣圧風が吹き荒ぶ。
おいおい!?早速コンプリートかよ!?黒刀とかカッコいいな!?けど名前よ!名前!日本ぽいのに何で宇宙みたいな名前なんだ!?
次の日の朝にオレは・・・というか、慶次さん達3人が一緒に寝泊まりしているみたいな、小七郎さんの家に向かう。
「慶次さん!おはよう!小七郎さん居ます?」
「はっ。おはようございます」
「朝からすいません。これが例の刀です。良かったら使って下さい」
「これは・・・黒い刃・・・?こんな上物を新参の某に!?」
「それだけ期待しているってことですよ。これからよろしくお願いしますね!」
「ありがとうございます!精一杯働きます!」
次は信長さんか。那古屋城はいただきだな!!
「お菊さん居る?」
「はっ。おはようございます」
「いつ見ても分からないや。まあそれはいいけど、オレも城持ちになるから!」
「どういうことでしょうか?」
「信長様に頼まれてた物を調達できれば、那古屋城くれるって言われたんだよ!それが準備できたからね!」
「おめでとうございます!!では今夜は祝杯ですね!」
「うん!皆でいきなりだけど引っ越しだ!じゃあ岐阜城に向かうから、お菊さんはここに居て皆と引っ越しの準備をお願い!それと金剛君に言って定置網とか作るようにお願い!海は滝川様にお願いするから!」
「畏まりました」
さっ!那古屋城!那古屋城!早く信長さんにあの剣を渡そう!!
あぁ〜・・・。剣城様・・・。可哀想に・・・。
「皆の者!剣城様が帰って来ても城の事は聞いてはならんぞ!」
「ではあの噂は誠だったと?」
「滝川様から聞いた。那古屋城は・・・」
「信長様!!!ご用意致しました!!!」
「早いな。どれ?見せてみよ」
「どうぞ」
「これは・・・」
ブォンッ、ブォンッ。シュッ、シュッ。
「良い!良いではないか!!」
「苦労した甲斐がありました!」
本当は何も苦労してないけど!
「・・・・・・」
「あれ!?お気に召しませんでしたか!?」
「いや、これは剣と申したか?南蛮物だったな?この剣とやらは大変に良い。じゃがワシは貴様との約束を守れん。よって、これは貴様預かりに致す」
えっ!?どういうこと!?城くれるって約束だったろ!?『男に二言は無い』って言わなかったすか!?
「どういう事でしょうか?」
信長さんが言ったのは現在、林秀貞さんって人が那古屋城に詰めて居るけど、『廃城にする』と言ったからだ。
なんでも家康さんと同盟を成した今、あそこの城は不要だと。それに清洲と近いから意味も無いと。それと林秀貞さんは信用できないからと。
長年仕えている、丹羽さん柴田さん池田さんを飛び越え、いきなりオレが城持ちになるのはさすがに軋轢が生まれるし、林さんは信長さんのお父さんから仕えてくれてる方で、信用ならなくとも裏切ってない限り無下にもできないと。
「全てはワシが考えず申した事。恥ずべきは己の器のせいじゃ。許せ。いずれ貴様に見合う場所があれば城の築城を許す。堪えてはくれぬか?」
信長さん・・・。オレ皆に自慢したんだけど・・・。しかも珍しく下手で信長さんが謝ってきたら、首を縦に振るしかないじゃん!!
「分かりました。私も話がうますぎると思ったのですよ。この私が城持ちに早々となれる訳がなかったのです」
「すまん。だがワシは貴様の仕事ぶりは評価しておる。現に食は豊かになっておる。戦乱後と言うのにこの岐阜でも、農民達は不平不満すら出ておらん。貴様の功績じゃ」
「ありがとうございます。これからも頑張ります。けど、この剣は私では扱えないのでどうぞ。いつかお城、お願いします。それと輿入れの件ですがいいですか?」
「分かった。約束は果たす。これは貰っておく。輿入れの件か。どうした?決まったか?」
「はい。浅井様から使者が来た後、向かうのですよね?」
「そうじゃ」
オレは温めていた案を言った。それはこの時代は夜はかなり危険だが、敢えて夕方に出発して夜なのに昼間の様な、ライトアップしたかの様な道にしようかと思ったからだ。
オレは以前目に付けていた、イルミネーションを出す。
《ポータブル電源2000W》¥170000
効能・・・・地震、停電、キャンプに一家に一台あれば心強いポータブル電源。差し込み口が4つある。付属のソーラーパネルで充電可能。
《多連装イルミネーション1000球》¥2000
効能・・・・真冬の夜に恋人と過ごす場面や、イベントなどに活躍するイルミネーション。量産型故に点灯パターンは3種類。
「うん?その箱は何だ?」
「これはポータブル電源と言います。電気を発生させるというか蓄えている物というか・・・。説明が難しいです」
「そのぽーたなんとかはどう使うのじゃ?」
「見ていて下さい」
オレは箱を開け充電は30%あるのを確認してイルミネーションのコンセントを挿す。すると現代に居た頃クリスマスによく見たイルミネーションだ。
「なんだ!?それは!?光っておるぞ!?」
「そうです!これを浅井様の城までの道のりに使おうかと思います。正直かなり銭はかかります。ですが、今この日の本・・・いや、世界で明でも南蛮でも、真似できる国は絶対にありませんよ!!」
「それだけではあるまい?他には何を考えている?」
「大黒剣で輿を引いて行こうと思っております。悪路が多いため私の配下の剛力に言い、地面を平らにしております。輿入れが終われば、攻め込まれにくいように元に戻す予定です」
「送り出す儀はこのようにしようかと。そして尾張を抜ける頃に花火を打ち上げようか、と思っております」
「ワシはとやかく言うつもりはない。貴様に任す!」
「はっ。ありがとうございます。それと、良ければお市様に手紙を書いてくれませんか?そうすればお市様も頑張れるかと思います。私が浅井領で別れる前にお渡しします。誰にも言いません」
「ワシが手紙だと!?ぐぬぬぬぬ・・・」
いやそんなに嫌か!?兄弟だろ!?それに信長さんは色んな人に手紙書くの好きだろ!?何でこの時は嫌がるんだよ!?
「後は、ウエディングケーキやお色直しは4~5着程を想定しております。私の配下のお菊って女性が、小見様の教え主となる予定です。身分の差は大丈夫かと思われます」
「義母殿か。それはそれで良いが、ウエディングケーキ!?ウエディングケーキだと!?それは何のケーキだ!?言え!どの様なケーキなのだ!?」
いや、そこかよ!?いつもケーキ食べてるんじゃないの!?
「とにかくですね・・・。ウエディングケーキは浅井様の城でお出しして、二人が入刀して締めにしますので信長様は・・・」
ヤバッ!プルプルしだしたぞ!?
「ワシも行く!ワシも変装して貴様の配下として向かう!用意せよ!そしてワシにもウエディングケーキを食わせろ!!」
はい!出たよ!天上天下唯我独尊。普通に考えて無理だろう!?いや・・・ウィッグ買って付け髭買えばいけるか!?
「何とか、考えておきます」
「うむ!時に貴様にも配下が増えたそうじゃな?ワシにも堺から豪商やら何やら、色々面会が来ておる。貴様の齎した果物やら醤油、砂糖を求めてな?」
「それは良かったです。どんどん織田の力を見せつけてやりましょう!」
「貴様に会わせろとも煩いがな。近辺は大丈夫だとは思うが気を付けよ。そろそろ貴様も表に出す時じゃ。下がって良いぞ」
そんなにオレが有名になってるのかな?特に大した事はしてないと思うんだけどな。
「ただいま」
「お帰りなさいませ」
「皆!ごめん!城持ちの話、無くなっちゃった・・・」
「なんの!なんの!そんな話言うてましたかな!?」
「がははは!我が君も以前言うたではありませんか!人は石垣と!」
「剣城?男は一国一城を夢見るが現実を見よ!今現状でも楽しいではないか!そう気を落とすな!ははは!まあ飲め!」
皆、理由は聞かないんだな。皆、オレより情報持ってるから知ってるんだろうな。けど、なんだろう?恥ずかしい感じでもないが・・・。
「ゆきさん。いつもありがとね」
「いっ、いえいえ!」
「今オレの家はゆきさんだけかな?」
「そうでございます」
「ごめん・・・。午前中あれだけ啖呵切って言ったのに、城持ちじゃなくなってしまった・・・」
「良いのです!良いのです!私は剣城様がどこに住もうがどこに居ようが、一生ついて参ります」
ゆきさんが、殊の外(ことのほか)愛おしく感じてしまうな。
オレはそれから、ジオラマのオレの家でカップラーメンをゆきさんと食べ、信長さんに言ったプランを言い、お菊さんや金剛君に伝えてもらうようにお願いした。
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