えっ!?まさかの高性能!?

 伝兵衛さんが声を掛けた方に向いて見るとそこには、70キロはありそうな、猪がこちらに向かって突進していた。


 伝兵衛さんが立ち上がろうとしたその時、声の主が伝兵衛さんの目の前まで接近してきた。

 八兵衛村長、太助さん、権助さんは、伝兵衛さんが声を上げた時すぐに後ろに逃げたが(オレは躓いて背中向きに転けただけだが)、その伝兵衛さんの横でオレが立ち上がろうとしたその時・・・

 オレの体をジャンプして避ける様に猪が伝兵衛さんに飛びかかった。


 「ブボォォォォ─────ッ」


 と、猪の興奮した声が分かるくらいにオレの真上をジャンプしたのに(まさか、褌一丁だから人間と思われなかったのか!?)オレは踏まれなかった事に安堵する。


 すぐに立ち上がり伝兵衛さんの方に向いて猪にピンク色の"トマホークmk-2神様ver"を向ける。

 伝兵衛はさん間一髪、猪の突進から避けられたみたいだが左手に牙が掠ったようだ。


 血が少し出てきているのが、オレはやけにスローモーションの様に見えた。


 そして、現代普通の親父、お袋の子供として普通に大学を卒業して就職し(素人魔法使いだけど)現代の感覚なら絶対ピストルなんか見た事ないし、撃った事もないのに何故かそれは普通に躊躇せずに"撃てた"。



パスっパスっパスっパスっパスっパスっパスっパスっ


 てか、音小さっ!!!!サイレンサー付きですか!?!?えーっ!?ピストルにサイレンサー付きですか!?見た感じサイレンサーなんか付いてないのに!?ねーっ!?ゴッドファーザー!?!?


 音が小さいから不安になり念の為もう一度撃とうと体勢に入った時、猪があら不思議♪


 明らかにピストルの威力じゃないでしょう!?薬莢とか出てないから分からないが明らかにピストルの口径以上の威力が出てる件について。


 しかも狙った訳じゃないのに何故か弾が全部"ヘッドショット"してるんですが・・・。そのお陰か、これでもか!?と言うくらい血が出てるんですが。


 猪を仕留めた事ないし屠殺場も見たことないから分からんけどこれってば血抜きできてるんじゃね!?ってくらい血が出てる件について。


 そんな事より・・・


 「伝兵衛さんっ!!!大丈夫ですか!?」


 「でぇーじょぶだ。牙が少し掠っただけだ。こんなもん馬糞塗っときゃ治る!」


 すると後ろに避けた八兵衛村長、権助、太助が近寄って傷の具合を見る。


 「伝兵衛、大丈夫だ!それくらいの傷ならすぐ治る!」


 八兵衛村長や?擦り傷ってレベルじゃないと思うけど!?縫う程ではないにしても。


 「明日には、あっしが地頭にでも言って馬糞貰ってくらぁ〜!!」


 「何で馬糞なんか塗るんだよ!!!」


 オレは精一杯叫んだ。心の底から叫んだ。未だ褌一丁で。

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