ノアの特技
「剣城様!連れて参りました!」
「おう!俺の豊風も連れて来たぞ!」
"じゃあ剣城っち♪ 始まるよ!"
一体、何が始まるというのか・・・。斎藤家の馬舎に居た馬は全部で5頭だったが・・・。
ノアが馬に近付いて頭と頭を合わせると、辺りにノアが現れた時と同じ様な、白い霧みたいなのが馬を包み込み、霧が晴れると・・・。
「おっ、おぉぉぉぉ〜!!!!!」
「何じゃこりゃ!?」
"キャハッ♪ねぇ!?見た!?剣城っち♪ キャハッ♪ねぇ!?見た!?剣城っち♪"
また大事な事なのでってやつか!?だがこれは凄い・・・。最初に頭を合わせた馬は、ノアと同じ様な体毛の馬だったが汚れで毛が黒っぽく、たてがみの毛は汚れで固まりドレッドみたいになっていたのに、フサフサのノアと同じ金色(こんじき)になっているんだが!?
「おい!これはどういう事だ!?」
「慶次さん、少し待って下さい!オレも理由が分からなくて・・・」
"これはね♪このお馬ちゃんがあーしの眷族になったの♪その証で、たてがみがあーしと同じ色になったの♪ちなみに少しだけど知能も上がってるから、人間の言葉なら分かるよ♪凄いでしょ!?ねぇ!?凄いでしょ!?褒めてもいいよ♪"
いやこれは、凄い!素直に褒めてあげたい!
"ノア!流石だよ!流石、俺の愛馬ノアちゃんだ!唯一無二だよ!!"
"キャハッ♪あーし褒められたよ♪あーし剣城っち♪の愛馬で良かったよ♪"
ガジガジガジガジガジガジ。
「痛い!痛い!痛いって!」
「おぉぉぉ───!ノア嬢が剣城様に甘えているぞ!?」
「流石、剣城様の愛馬!ノア嬢だ!まこと、人馬一体とはこの事だ!」
オレはノアに甘噛み・・・(いや、オレからしたら強噛みだけど)をされて涎ベタベタになったが・・・本当に思う。ノアが人間の女の子だったらどれだけ良かったかと・・・。
"キャハッ♪"
キャハッ♪じゃねーよ!まあまあ痛いんだぞ!?
「おい!剣城!?それでどういうことなんだ!?」
オレはノアに言われた事を慶次さんに伝えると、慶次さんどころか他の人も驚き目が点になっていたが、小川さんの一言・・・『まあこのくらい我が君の愛馬、ノア嬢なら当たり前だろ!』の一言で終わった。
その後は豊風もと慶次さんがせがむから、豊風を連れて来てオレの方を見ると、やはり剥き歯された件。
同じように頭を合わせると霧に包まれ霧が晴れると、目が隠れるくらいたてがみが伸びていた。体高もサラブレッドの様に大きくなったように思う。
「おっ!!豊風!お前は豊風なのか!?」
ヒヒィィィィ────ンッ!!
馬と慶次さんは喋れないが、なんとなく豊風と慶次さんが色々話してるように見える。
「ハイヤッ!!今日からお前は豊風じゃなく松風だ!!お前は死ぬまでオレと離れるな!ハイヤッ!!」
カッコイイ・・・・。慶次さんは早速、豊風・・・じゃなく松風に跨り颯爽と駆けて行った。
"キャハッ♪あの子は少し歳で疲れていたから、あーしのマナを渡して若返ってもらったよ♪"
またとんでもない事をノアが言った。神馬のノアは体内にマナ?を保有しているらしく、そのマナ?が少なくなると老化していくらしい。主に、子を宿して産んだら半分のマナ?を子供に持っていかれるらしいが、農業神様が『きっとオレが色々な馬を増やして行くだろう』とノアに言い、通常の神馬の100000000倍のマナを与えてくれてるらしく、この眷族を増やす事もマナ?を使うらしいが、朝飯前だと言った。
いやぁ〜!農業神様、マジパネェっす!けど金額がまだ分からず怖いんすけど!?
その後は残りの4頭も同じように眷族化したけど・・・。さて、この事を信長様に言えば・・・やばいな。絶対に『なに貴様らだけで楽しい事をしておるのか!?』と言ってくるだろうな。
少し時間あるし竹中さんも丁度今居ないから、ノアにお礼を渡そうとタブレットを起動する。
ってかこのバナーの数は何だよ!?右も左もお椀や絵や訳の分からん銅像とかの広告ばっかなんだけど!?
クッ・・・・。追跡バナーとは農業神よ・・・中々やるな!?押したら負けだ。オレは慎重にお菓子のカテゴリーを選ぶ。
《イチゴケーキ特大サイズ》¥10000
効能・・・・誰もが夢見る一度は食べてみたい特大ケーキ。甘さ控えめカロリー控えめで女性にも喜ばれるケーキ。次はタワー型ケーキに挑戦しよう。
クッ・・・・!今度はクリックバナーか・・・!こんなしつこかった!?
《乗馬用 天然シャンプー》¥5000
効能・・・・この一つで愛馬の毛並み、艶、全てが整う。神界でも話題の商品。馬のポテンシャルが上がる。
グッ・・・・!今度はゴーストバナーか・・・!絶対見させたいみたいだな!?いいだろう!見てやるよ!!!
そう思いながら、回避できなかったゴーストバナーをクリックして出た商品を見ると、最早芸術を超えた物が色々出てきた。一体何に使うか分からないモニュメントみたいなのとか、かろうじてまだ使えそうな物は、子供の羽が生えた天使?ぽい2体の銅像だった。ただ・・・・値段だけは本当に安かった。どれもこれも500円とか1000円レベルなので、買おうと思えば買えるけど・・・・。一つだけ何か買ってみるか!?誰かの贈り物に使えそうな物・・・。望月さんにでも・・・。とりあえず、まずは本来欲しかった物を。
《神様印(かみさまじるし)の真空パックした乾草飼料50kg》¥30000
効能・・・・黄金の林檎の管理人、アースガルズ一の美人イズンが作った乾草。黄金の林檎エキスが混ざり通常の乾草より割高だが、栄養価が通常の10倍。馬の腹持ちが良い。
《芸術神見習いが作った花瓶》¥500
効能・・・・天候によって絵が変わる飽きない花瓶。落としても割れない。
《芸術神見習いが作った魔除けの置き物》¥500
効能・・・・家の入り口に置いておくと魔除けの効果がある。魔王も魔族も近寄れない。
《芸術神見習いが作った食器セット×4》¥2000
効能・・・・実用的な皿、お椀、お箸、湯呑みがセットになった商品。日本人に馴染みのある絵付けがされてある。
時折でてくる神様印(かみさまじるし)が付いてる商品は飛び抜けて良いな。黄金の林檎の管理人とは何ぞ!?アースガルズ一の美人イズン・・・。是非とも一度拝見してみたく候。芸術神の見習いが作った物を何点か買ったけど、最後の食器セットはかなりいいんじゃないか!?一応魔除けなんかも買ってみたけど、日本に魔族やら魔王とか居ないよ!?あと、花瓶よ!花瓶!天候により変わる絵とか凄くない!?贈り物にしたら喜ばれるだろうな!
オレは買ったケーキをノアに渡す。
"いっぱい頑張ってくれたから今出したよ。良かったら食べてくれる?"
"これがあのケーキ!?♪ 美味しい!甘ーい!あーしこれ一番好きかも!!♪剣城っち♪ありがとう♪一口食べる?"
いやノア嬢さん?一口食べる?と聞かれるのは本当に本当に嬉しいっす。けどそんなぐちゃぐちゃになったケーキオレは食べたくないっす。なんならノア嬢の涎エキスが沢山のケーキは流石のオレでも無理っす。
"ありがとう。全部食べな?それはノアのだからな?それとこの乾草見つけて買ったんだけど、他の眷族はこれでもいいかな?"
"あっ!?イズンっち♪の乾草じゃん♪それ黄金林檎の味がして美味しいんだよ!剣城っち♪も食べたら分かるよ♪"
無邪気なノア嬢さん?オレはこんな草食べたくねーっす。米が食べたいっす。
「がははは!さすがノア嬢!けーきの食べっぷりがよろしいですな?我が君?この草はあの馬に?」
「ノアが言うには特別な草らしく美味しいそうですよ?まあ馬にあげてみて下さい。後、こちらのボトルは馬が汚れたら水と一緒に泡立てて洗いましょう!また馬の係決めましょうか。ノアはオレが世話するので構いませんよ!」
「分かりましたぞ!それはそうと斎藤の馬はどうするので?」
「う〜ん。数が少ないからどうしようかなと思ってるんですよ。皆に渡してあげたいけど・・・。今考えてるのは恨みっこ無しのクジで決めようかな、とも思ってます。まあ、とりあえず清洲に帰ってから決めましょうか!青木さん?悪いけど馬が快適に過ごせる小屋作ってくれます?」
「馬が快適ですか・・・・」
「うん?なんか問題ありますか?」
「いえ、某は馬の気持ちが分からないので何が快適かは・・・・」
いや青木さんは真面目すぎるぞ!?俺だって馬の気持ちなんか分からないよ!?いやごめん。オレはノアがいるから分かるわ。
「とりあえず簡易的な雨風凌げるくらいに作ってあげてくれますか?多分一度清洲に戻る事になるし」
「了解致しました」
それから小川さんは、小泉さんだけには馬の乗馬を負けたくないらしく、てか甲賀の人は皆馬に乗る事も無かったみたいで、一種の憧れだそうな。いつか皆の夢叶えてやるよ!!!その二人の掛け合いを聞きながら微笑んでいると、剛力君達が早くも戻ってきた。ボコボコな顔になった中学生くらいの子供を担いで。
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