歴戦の猛者の威圧
「面(おもて)を上げよ。貴様この乱世に随分と綺麗な服、肥えた腹をしているな。名は何と申す?」
オレは名字から言おうとしたが面倒臭くなりそうなので名前だけを伝えた。
「ほーう。なかなか良い貴様には勿体ない名だな。名前負けも甚だしいな」
戦国時代にて恐らく織田信長であろう人物からも名前を褒められて、貶される。
「親が付けてくれた名前です。名前負けしてると自覚しております。聞きたい事があるのですが構いませんか?」
とオレが対面してる人に言うと周りに鎮座してる内の一人の髭もじゃのゴリマッチョがいきなりオレにグーパンチをしてきた。
「貴様はお館様が質問した事だけを正直に吐けぃ!!」
なんでこの時代の人は何でもかんでもすぐ手を出してくるんだよ!!しかもさっきの人ぜってぇー柴田勝家だろ!!と思ったが改造された身体のお陰か、今回はションベンを漏らさず殴られたのに痛みはあったが落ち着いていられた。
「一益、かまわん。こいつはあの村長に聞いたところ学があるらしい。素性は分からんがまずは教養があるのかワシが判断する」
いやいやいや!ぜってぇー柴田勝家だと思ったら滝川一益かいっ!!!ってどっちにしろ大物中の大物じゃん!!と、こんな状況なのに内心少し興奮する。
「貴様が本当に学があるのか今から質問をする。正直に答えよ。まず貴様は何故あの村に現れた?目的は?」
オレは先程の小柄の男性に言った事と同じ様に答えた。信長であろう人物の眉間に皺が寄る。
誰が聞いても嘘っぽい出来事なのに、意外にも信長らしき人はコレといった事を聞いてこなかった。
「正直、貴様が間者だとは思うておらん。貴様が間者ならションベン漏らして気を失う事なぞないよの。もしそれが演技だとしてもワシはお前如きに遅れをとる事はない。この際単刀直入に聞く。簡潔に答えよ。貴様は何が出来る?」
「ええああ、えっとわたわた私はですね、えっと」といきなり何が出来ると聞かれまた吃ってしまう。
「ほら見ろ!サル、一益、勝家!御主らが間者かと警戒する事は良いがこんな奴が間者に見えるか?」
オレはドキドキ焦りながらさっき名前を呼ばれた人達ってめっちゃ重要人物じゃん!!多分あの小柄な人が秀吉さん、今はまだ藤吉郎さんかな?と内心考える。
そして滝川さんと姿が似ている人がもう一人居るのに気付く。まんま熊さんでした。?どーもありがとうございました。
「はっ。今川を倒したとはいえ、まだ安定しておらぬ為に念には念をと思いました」
「所詮、学があると言いましても農民の言った事です。農民からしたら多少頭が回る程度かと思います」
木下さんも柴田さんもオレを警戒し過ぎだろ!
権力者に簡単に何かを献上して信長に助言でもしたら厚遇されるという浅はかな考えがまるで通用しそうにない事を痛感するな。
この歴戦の猛者みたいなオーラのある人達の前では喋る事すら出来ん。
ところ変わってここは天界。
「ワシの"部下"がミスをして時間軸がずれた我が子はどんな風になっておるかの?んっ?あー、早速織田の我が子らに見つかったか。
て事はこの世界線になるのかの?ある程度の事では死なんから大丈夫じゃとは思うが、ワシが少し手を加えた事で世界線もどんどん増えておる。それに先もボヤけてしもーておるの。先が読み辛いの。
この前の食事作戦は中々良かったからの。なーにまた今度ヘルプでもして次なる一手でも聞いてみるかの」
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