綿花の栽培

 「若ッ!!!ご無事でしたか!?」


 城に戻ると城の老中の人達全員か!?ってくらいが出迎えてくれた。


 「問題ありませんでした。某にはかなりの経験を積ませて頂いた木下殿、剣城殿に感謝しております」


 物凄く丁寧なお礼を奇妙丸君に言われ村に戻った。慶次さん達は反省会をすると言って、酒をこれでもか!?ってくらい持ち出して、ジオラマの中にある大きめな一つの家の中に、演習した人達を連れて消えた。


 

 「剣城様?私達の動きは率直に如何でしたか?」


 「うん?かなり良かったと思うよ?鈴ちゃんなんか、演習とは思えない様な動きだったと思うよ?」


 「いえ。私達は、未来のボディーガードという役職の人達の動きと見比べた、感想が欲しいのです」


 いやいやボディーガードとか見た事ねーし!!!しかも役職じゃなくそれは仕事の一部じゃねぇ!?


 「ごめん、ボディーガードは見た事ないから分からない。でも今日の動きで良かったと思うよ!」


 「ならいいのですが・・・」


 慶次さん達は反省会と言う名の飲み会をしてると思ったら、飲みながらもちゃんと本当の反省会もしたみたいで、次の日からまた色々な陣形演習をしたり、石投げ、組手、高所の登り方など練習していた。

 オレは国友さんの元で色々な開発をしてもらう為、言われた物を出すという事を繰り返し、灰吹法なる物を作ってもらおうと思ったのだが、既に作ってある・・・というか使ってた。


 「剣城も中々凝った物を知ってたのだな?これがそうだ。剣城は粗銅の中に金が含まれておるとか言うから、試しにこのフイゴを使い粗銅を和紙で包んで試したら・・・これだ」


 いやマジで金が出てきてるんだけど!?


 「これを堺の商人に見せ、粗銅をあるだけ購入しようとしたが、この技術が他にバレる恐れもあるからな」


 「確かに難しいところですが、今はまだ織田だけで作業しましょう。後々この技術を広めていきましょう!それと新式銃の件なのですが・・・」


 「おう!任せておけ!既に試作は作っておる!これは剣城が出した本にも書いていた、マルチストローク式エアライフルだ!」


 試作のエアライフル。マルチストローク式?を見たんだが、男心を擽(くすぐ)る一丁が出来上がっていた。国友さんはドヤ顔で、色々専門用語みたいな事を言いながら、オレに説明してくれたが1割もオレは分からなかった。


 「親父、そんな説明じゃ剣城様は分からないだろ!?俺が説明する!剣城様。ここの持ち手をポンピングすることで、チャンバー内に空気を圧縮していき引き金を引くと、チャンバーの弁と繋がっているつっかえ棒が外れ、溜めていた空気圧が一気に開放される仕組みです」


 うん。芳兵衛君も勉強して、横文字も出してくれて分かりやすく言ってくれたが、全部は分からん!


 「とりあえずその持ち手部分をシャコシャコして、空気を送り込み弾を撃つって事ですよね?」


 「簡単に言えばそうだ。だが問題点がある。ここの本に書かれているぷらすちっく?と言う材料が検討もつかん。教えてくれないか?」


 プラスチックか・・・。元の材料は何なんだ!?ガソリンだった気がするけど・・・これは作る事は無理だな。


 「国友さん、それはすいません。プラスチックはどんなに頑張っても無理だと思います。ガソリンと言う、燃える黒いドロっとした液体が原料だったと思いますが、これは日本では一部でしか出ないし、そこから加工しないといけないのですが、私は加工方法が分かりません」


 「そうか・・・残念だ。なら他の方法を考えよう。この試作はとりあえず先の粗銅から分離した鉄を使っておる。それにもっと大きい城門をも一発で吹き飛ばす面白い物も考えておる!出来上がれば見せてやる!ただ、早く次世代の火薬が欲しい。ここにも書いておるが、綿花を栽培し繊維を濃硝酸と濃硫酸の混酸により、ニトロ化すれば良いと書いておるぞ?」


 いや国友さんは科学者にでもなったのか!?専門用語ばりばりでオレはついていけねーよ!?


 「とりあえず早急に綿花の栽培をします!もう少しお待ち下さい!」


 オレはGarden of Edenで綿花の木か苗を探した。正直、強権を発動して花火を買い占めて分解させる方法もあるけど、それじゃ信長さんが言う、自分達で作るということをしなくなるからな。


 《綿花苗 5株》¥5000


効能・・・・アオイ科ワタ属の多年草の総称で、木綿は種子の周りに付いている。



 いや綿花はただの説明だけかよ!?アオイ科とか初めて聞いたわ!!

 とりあえずこれを八兵衛村長達に託して、どうせだからコンポストトイレで出来た肥料を使ってもらおうか!それにこれを加工できる人も見つけないといけないし・・・。木下さんにも一枚噛んでもらおうか!

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