小牧山城に到着

 小牧山城に着いたがパッと見、全然城に見えない様な城だった。清洲城よりだいぶ小さく見える。


 「奇妙丸様?もしかすると父上に私が怒られるかもしれませんが、もし良ければお口添えお願いしますね!?」


 4歳児にフォローをお願いする中年のオレ・・・。行く時は良かったがいざ着くと怖くなってきた・・・。


 「おう!剣城か?それに木下殿も?どうしたのだ?」


 「森さん、お久しぶりです。輸送隊の訓練を兼ねて、村で作った物資を色々持ってきました!」


 「森殿、これが目録です」


 「うん?銃に梯子にカップラーメンにメロンに、塩………………」


 「こんなに色々持ってきたのか!?お館様はそろそろ犬山城を攻略する為、色々思案しておる。・・・はっ、奇妙丸様。お久しぶりでございまする」


 「森殿、若輩者の某に頭は下げなくて良いです。本日は某が無理言って行軍の演習に着いて来たまで。父上にお目通り願えますか?」


 「何ともまあ。奇妙丸様は暫く見ない間に、立派になった様に感じまするが・・・」


 うん。森さん?その直感間違いじゃないすよ?オレなんか比にならないくらい奇妙丸君は傑物ですよ?


 「剣城殿から頂いた書物で沢彦殿と共に勉学を学んでおりまする」


 「然様でしたか。それは良き事で。ではこちらにお越し下さい。木下殿も剣城も準備だけしておきなさい」



 「剣城もワシが言った事が分かるじゃろ?奇妙丸様は傑物の類を越えておる。なんならもう少しすればお館様をも超える方になるぞ!?」


 「確かに凄いですね。とりあえず甲賀の人達を休ませてあげましょう。木下様の隊も休ませましょう」


 オレは慶次さんに、持って来た菓子パンと水で休憩するようにお願いした。しかしここに来て大膳君がまたやってくれた。


 「剣城様。一人一つずつ、もしくは足りないかもしれませんが、800個程チョコバーをお持ちしました。大殿様にお渡し下さい」


 「大膳君?私は君を侮っていたよ。君は輸送や兵站線を確保するスペシャリストだ!このまま頑張ってくれ!」


 「はっ。ありがとうございます。精進致します」


 皆にと思って渡してたチョコバー・・・。ただのお菓子だが持って来たんだな。しかも小牧山城の兵の人達にも。これは中々出来る事ではないな。大膳君!俺の中で君は輸送隊の隊長だ!後、その変な踊りだけ辞めてくれ!

 

 木下さん配下の人にもし足りなかったらいけないから、追加でチョコバーを10000個用意して、小牧山城の兵に渡してあげるようにお願いした。一つ10円だから安いもんだ。

そのすぐ後に信長さんに呼ばれたので謁見の間に向かう。




 「おう!剣城にサル!久しぶりだ!事は奇妙に聞いた!大義である!」


 怒られるかと思ったら上機嫌なんだが!?


 「どうも行軍演習をしたらしいな?それもサルが考えたとか?しかも奇妙にも経験を積ます為に行った事は褒めよう。よく保守的な清洲の爺共を説得できたな?」


 「はっ。清洲の老中を奇妙丸様が説得致しまして相成りました」


 「ふん。よく学ばせておる。暫く見ぬ内に元服間近の様な物言いをしよる。改めて申す。剣城、藤吉郎!大義であった。だが清洲を空にしておくのは軽率である」


 それからオレは村の最近の出来事、作っている物、もう少ししたら次世代の火薬を作り、新しい銃も作る事を偉そうにうんちくを垂れながら、信長さんに伝えた。


 「貴様も暫く見ぬ内に言うようになったな?そこまで抜かすならワシが稲葉山を落とすまでに、その新式銃を用意しろ!貴様が今日持って来た300丁の銃と火薬があれば、あの馬鹿弟の城と鵜沼城、猿啄城を落とす事など容易い」


 「分かりました!何とか早急に開発してみせます」


 「折角参ったのじゃ。何か出してから帰れ。誰ぞある!和田と豊後守の刀を」


 聞くと丹羽長秀さんが、和田新介って人と中島豊後守って人を寝返らせたらしく、恭順の意を示した時に刀を持ってきたらしく、それをくれると言ってくれた。

 とりあえず今はあの草や石のお陰で多少余裕あるから、この刀は飾りで腰に差しておくか。今もこれからも使う事は絶対に無いと思うけど、無銘の刀を慶次さんに装備させてもらってるしな。


 《スポーツ飲料》


効能・・・・汗を掻いた後の塩分チャージ。疲れがすぐに取れる。


 《フリーズドライスープ各種》


効能・・・・世の働く女性の友。手抜きスープと侮られない、男が飲むと懐かしく感じるスープ。心が落ち着く。


 《キャラメル》


効能・・・・古き記憶を蘇らせるキャラメル。リラックス効果がある。


 《ゼリービーンズ》


効能・・・・子供から大人まで楽しめるカラフルな菓子。


 《洋菓子バリューセット》


効能・・・・異国を感じる幸せ詰まったバリューセット。マドレーヌ、マカロン、ワッフル。


 

 今まで出した事ない思い付いた物を、とりあえず100個ずつ購入して渡してあげた。ただ・・・・心なしか、信長さんの体型がぽっちゃりしてる様に見えるが・・・・。


 「そうだ!この見た事ない菓子よ!やはり貴様は誰にも渡さん!下がって良いぞ」


 「あの・・・大変言いづらいのですが・・」


 「分かっておる!ワシの腹だろう?一益からも可成からも他からも聞いた!暫くすればワシも動き出す!今は黙っていろ!」


 これダメなやつだ・・・。取り返し付かないところまで太る前に、また今度言ってあげよう・・・。



 《打ち上げ花火×3》¥10000


効能・・・・夜空に大輪の花を咲かせる、見る者を感動させる花火。


 《ロケット花火×100》¥250


効能・・・・誰が高く打ち上げられるか、よく勝負をしたものだ。


 オレは最後に念の為に花火を渡して、もし攻略が失敗しても逃げる隙を見つけられる簡単な物、花火を信長さんに渡そうとしたが最後のロケット花火は何だよ!?ゴッドファーザーの感想か!?何が『よく勝負をしたものだ。』だよ!


 「なんじゃ!?しつこいぞ?ワシは今か──」


 「簡単に説明します。これは花火と言って──」


 オレは簡単に説明したけど、例のイライラしてる時によくする、扇子でリズムを取りながら叩く行為・・・。甘味を前に話をしたらダメだな。


 「とりあえず使い方は言ったので、もしもの時に使って下さいね?では私は清洲に帰ります!失礼します!」



 雷が落ちる前に撤退をして小牧山城を後にしようとした時、堀さんに呼び止められ例の先祖の甲冑を渡して貰い、雑談をしようかと思ったが、いつ信長さんの機嫌が変わるか分からないから挨拶は程々にして、来た時と同じ様に奇妙丸君を大黒剣の後ろに乗せて帰った。

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