織田家ブートキャンプ
城に到着したら収穫した物を食わせろと絶対言われると思い、最初から伊右衛門さん達に皮の剥き方を教え、人参以外を呼ばれたらすぐ出してくれる様に頼んだ。
小姓の人が言うには今、信長さんは河尻秀隆さんって方と佐々成政さんの城に行ってるらしい。『夕餉までには必ず戻る』と言い残して颯爽と向かったらしい。
いや、この時代ご飯は2食だったんじゃないの!?みんな3食なんだが。まぁオレはその方が嬉しいけど。お陰で少し痩せたと思ったらまた元通りだよ。腹を見て溜息をつく。
「剣城殿。何か急ぎの用事でもあったので?」
「あっ、いやいや自分の腹を見て出過ぎだなと思い、溜息をしただけです」
さすが遠藤さん、気遣いがハンパない。
「某は剣城殿の事はお館様から未来から来た重要な人物。見た目で判断すると打ち首と言われております。正直最初は信用してませんでしたが今は信じておりまする」
「いや、打ち首って・・・。それにそんなに畏まらなくて構いませんよ?」
「それでも某は剣城殿のような物はお館様に献上できませぬ。もし腹が気になるのであらば刻がある時、拙者と稽古でもしますか?」
「そう言えば柴田さんに稽古つけてもらうようになってたけど結局一日で終わったんだったな。ではたまに時間ある時にお願いします。とりあえず今はやる事が多くて・・・」
「我らと違い剣城殿はお館様の考えが分かる方。御身大切になさって下さい」
おい!!遠藤さんオレは男色は全く興味は無いがめっちゃ優しいじゃん!!惚れてまうやろ!!!
それから一旦部屋に戻り手紙と対価となる刀を鑑定してみた。そういえば木下さんからも手紙来てたんだった・・・。
けど、何も今日聞かれなかったな。とりあえず先に木下さんの要望から・・・やばい。手紙が読めん・・・。何だよ!このミミズみたいな字は!!!
それからまたまた遠藤さんを呼んで皆の手紙を読んでもらって、購入する物を決めていった。
とりあえず皆ケーキが欲しいらしい。それとやはり酒だった。池田さんだけできるだけ甘いチョコレートが欲しいらしい。
さすが信長さんと乳兄弟だけあって甘い物が好きなんだな。
《生クリームたっぷりイチゴケーキ×4》¥20000
《清酒1.8ℓ×10》¥30000
《お得用チョコレート詰め合わせ》¥3000
《スナック菓子詰め合わせ×4》¥3000
とりあえずこんだけあれば大丈夫かな?酒はどうせこの時代の人は酒が強い人ばっかだから上等なやつじゃなく安いお得用の酒でいいだろ。
清酒ってだけでかなり貴重だし。後、森さんだけ酒が少なかったから次に会った時に渡そう。
池田さんにはチョコレートだったから他の人はスナック菓子で良いだろう。
「剣城殿の技、間近で見ましたがなんとも凄まじいですね。それにどれも見た事ない物ばかりですね。剣城殿が居た未来とやらが某には考え付きませぬ」
「まぁ、どうって事はないのですよ。ただの袋ですよ。遠藤さんにも一つくらい食べさせてあげたいのですが左脇さんみたいになったら駄目なので・・・」
「いえいえ、某はお館様から頂戴致しますのでお気持ちだけ受け取っておきます。池田殿は城にて政務しておりますがお渡ししてきましょうか?」
「いえ、さすがにそこまでは悪いので自分で渡しますので手伝ってもらっても構いませんか?」
そう言ったもののボックスがある事を忘れて手に持って池田さんが政務してる部屋まで案内してもらった。
「剣城殿が差し入れを持って参りました」
「入れ」
「ハーっハーっ。遅れてすいません。書状拝見して、ハーっハーっ。持ってきました」
「そんな息切らしてどうしたんじゃ?角力でもしておったのか?それにその雅な入れ物は何じゃ!?!?」
「これはガラス容器と言いまして酒が入ってるのですが、この酒が思いの外重たく・・・」
「たくっ!情けなや!そんな事じゃ戦で1番に殺られるぞ?日頃から鍛錬しておらんからじゃ。よし!たまにはワシが稽古をつけてやろう!朝一、寅の刻なら"剣城"も空いておるじゃろう。明日からじゃ」
えっ!?待て待て待て!オレ何人から稽古させられるの!?それに寅の時間って何時よ!?くっそ!これならボックスに荷物入れておけばよかった・・・。
「剣城殿!良かったではないですか!某が稽古するよりお館様から信任が厚い池田殿なら安心です」
「まぁ、柴田殿がどの様な稽古をこの1日、2日したかは分からぬが、柴田殿はあんな風な風貌だが優しい方。ワシは柴田殿の様に優しくはないぞ?」
いや誰も頼んでないんですが!!!しかも優しくしてもらいたいのですが!!!くそ〜!こうなりゃリポビ○ン飲んで頑張るか!?
それに"お主"と呼ばれてたのから名前呼びに変わった事が嬉しいぞ!!少しは信用してくれたかな?
「お手数お掛けしますがよろしくお願いします。このケーキは日持ちしないので出来れば今日中に食べて下さい。後、酒とチョコレートです。食べ過ぎたら虫歯や私みたいな腹になりますので気を付けて下さい」
虫歯で思い出し、
《歯磨きセット》¥350
これもプレゼントして、歯磨きの仕方、歯磨き粉は付け過ぎても意味は無い事を伝えて部屋を後にした。
「遠藤さん、ありがとうございます。木下さんの所は分かりますので自分で行きますね」
そう言い遠藤さんと別れた。
案外皆、歯磨きや虫歯の事はちゃんと聞いてくれるんだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます