灰吹法分かる 竜骨船分かる 高炉分かる エンジン ガソリンがねぇンだわ

 次の日は誰にも起こされなかったが、自然と早朝に目が覚めた。国友さんも帰ってこないし作業が中々進まないよな。


 早く斎藤を倒してもらって・・・灰吹法だったかな?昔テレビで歴史の何かしてる時に見た気がするんだが・・・。肝心な所が思い出せん。


 たしかこの時代の日本の粗銅には金か何かが含まれていて、中国とかヨーロッパで馬鹿にされながら買われてるんだったよな!?何とかしないと勿体ないぞ・・・。


 こうなりゃ勿体ないが一つあの実は俺が食べるか!?いや、技術者に食べて貰った方が効率的なのか!?いや、急いで織田家を発展させて戦を無くさないと駄目だ!あの農業神様ならまだあの実もくれそうだし・・・。もういい!食べてやろう!


 ボックスから一粒取り出し、俺はとうとう禁断の果実を食べた。


 「苦っ!辛っ!酸っぱ!臭っ!何だこの味は!?」


 「剣城様、大丈夫ですか!?」


 「お菊さんおはよう!てか本当に貴方どこに居るんですか!?それにちゃんと寝てるんですか!?」


 「私の事はどうでもいいです!それより顔色が悪いですが・・・」


 「いや、国友さんや八兵衛村長に食べてもらったあの実を私も食べてみたのです。食べたのですが味が・・・ヤッベ吐きそう・・・」


 このクソ不味い実を食べた事を後悔し始めた時、頭が割れる様な痛さに俺は悶絶した。


 「痛い痛い痛い!頭が割れる様に・・・・」


 「剣城様!!しっかり!!」


 「剣城殿!?どうされましたか!?襖開けまするぞ!御免!」


 「遠藤・・さん・・・。ずみばせん・・。頭が痛い・・」


 「菊殿、これはどういう事ですか!?」


 「何か果実の様な物を食べたらこんな風に・・・」


 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!」


 「「剣城殿!様!!」」





 「あれ!?痛みが治まった!?」


 「大丈夫ですか!?」


 「大事ないですか!?」


 「あぁ〜、遠藤さん。いつもすいません。大丈夫です。頭が痛かったけど治りました」


 「剣城殿はお館様、織田家の懐刀。一度お休みになられた方が良いかと」


 「またまた!俺が懐刀な訳ないでしょう!?ちょっと珍しい物を出せるだけですよ!俺が懐刀・・・懐刀・・・懐刀とは、ふふふ。織田家の裏番長の如く…」


 「菊殿?剣城殿は大丈夫なのでしょうか?頭を強く打っておかしくなったのでは・・・?」


 「いえ、たまに前からあんな風になる事がございました。なんでも内なる自分がとか言ってましたので、恐らく大事ない事と思います。私が着いておりますのでどうぞ任務にお戻り下さい」


 「そ、そうですか・・。では某は戻ります。御免」


 「はぁ〜・・・・剣城様!剣城様!!!!!!」


 「え!?あぁ!お菊さんすいません!また例の発作が出るところでした!もう大丈夫です!これ以上黒歴史は作らないように頑張ります!」


 「頭は恐らく大丈夫だとは思いますが、お加減いかがですか?」


 「この通りばっちり・・・・。うん!?分かる!分かるぞ!!!灰吹法、高炉、竜骨船、弾頭、雷管、薬莢、分かるぞ!」


 「何を言ってるか分かりませんが大丈夫ですか!?」


 「大丈夫も何も閃きが凄いです!革命が起きますよ!精密機械とか作れるかは分かりませんがかなり凄い物が作れる気がするんです!!時間が勿体ない!

 まずは銃を1番に作りましょう!村に行きます!その後、何をするにも金が必要です!灰吹法で国友さんか誰かのツテで粗銅を買い取りしましょう!理由はまた追々言います!」


 「はぁ〜・・・。意味は分かりませんが、とりあえず村ですね」


 これは凄い!凄過ぎるぞ!!信長さんが斎藤と戦ってる間に一気に革命起こすぞ!!!

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