夢と現実の狭間でthe神様

 その日の夜、夢を見た。そこには1キロ先から見てもthe神様な人がオレに話し掛けてきた。夢の中でも褌一丁である。

 

 『夢でも褌とかどんだけだよ!?』


 と1人ツッコミを思っていたら神様?がこちらにやって来た。


 「良く来たな」


 はっ?


 いやいや、貴方から来たんじゃないんですか!?と一人ツッコミを入れてみたけど、神様は「ヴフゥンッ」と咳払いをし、もう一度「良く来たな」と言った。仕方なくオレは「あっハイ」と言った。


 「ここは通常の人が来れる場所とは少し違う場所である。夢と現実の狭間とでも言おうか」


 おぃおぃ語り出したぞと思いつつ今度は口に出さない。

「このタイムスリップ?異世界転移?は貴方のせいでしょうか?」極めて丁寧な口調で聞いたつもりだったが突然神様が・・・・



 「めんごめんご!!許してちょんまげ!!!」


 イヤ古っ!!!てか、まさか、別の人転生させるつもりが失敗系か!?と少し頭をよぎる。すると、


 「その通りじゃ」


 はっ?


 頭の中読めるんかいっ!!


 「凄いじゃろ!?なっ!?凄いじゃろ?ワシは神様だからな!」

 

 すっごいドヤ顔である。


 「でも失敗して僕、何も無い状態。正に本当に服も何も無い状態で森か林か分からんとこに放り出されましたよね?神様?」


 すると神様は急にモヤがかかり「ボワンッ」と効果音が鳴り、先程までthe神様な感じから急にどこか大企業の会長様ですか?みたいな感じなスーツ姿になりリアルな?まぁ夢と現実の狭間だけどもジャンピング土下座をしだした。しかも、その口調が少し上から目線と言う。


 「此度の転移、基(もとい)タイムスリップはワシの部下がミスした事が原因なんじゃ。だからワシは悪くないがこうしてジャンピング土下座を仕方なくしておる。この通りじゃ。ワシが人間に頭(こうべ)を下げたのは3億年程無いことなのじゃ。だからこれに免じて許せ」


 「えっ・・・・」


 「なんじゃ!?不満か!?不満なのか!?ワシが作った地球の子供達人間が所謂、星の父であり母である、そして神様であるワシが頭(こうべ)を垂れてジャンピング土下座までしたのに許してくれないと?」


 「イヤイヤイヤ。ちょっと謝罪の言葉なのに侮辱されてる様な感じがして圧倒されてただけです。そもそも許すも何も神様である貴方様にそんな許すとか、許せないとか言えませんよ。仮に今から元の時代に戻してくれと言ったら戻してくれますか?戻してくれたら許しますと言ったら戻してくれますか?」


 「それは時間軸のズレ、我が星地球の子供達に分かりやすく言えばパラレルワールド、分岐した世界が何万、何千、何億とある。それをワシら人間達から見る神という存在が管理しておる。その中から、我が子、芝田剣城という、我が子が居た令和の年に絞れたとしてもそこから更に分岐が億とある。こちらが悪いとは言えそんな作業はワシには出来ん」


 いやいやいや!してくれよ!管理してるって今しがた、ドヤ顔で言うてたやん!と思いつつ口には出さない。てか考え読まれるし。


 「ドヤ顔なんかしてないし」


 「そこっ!?」


 「そこでこうしよう!!」


 切り替え早っ!


 「我が星。地球の子供達に分かりやすく言えば他にも地球と似た地があり、神と呼ばれる存在が居る。その他の神(彼女)にお願い(誘惑)されてその星は科学が発展せず魔法が発展した星なのじゃが、マナと呼ばれる我が星地球には存在こそするが利用価値の無いエネルギーが不足しておるらしく、このままなら星が保たんとしておる様で、ワシがどうにかしてやろうと一肌脱いだのじゃ。(ドヤッ)」


 もうツッコミすら入れる言葉が無い。


 「幸い我が星、地球の子供達には必要ないエネルギーな為、地球のマナと転生する我が子をリンクするだけで良いから簡単なのじゃ!!(ドヤッ)」


 イヤイヤ、貴方ミスってますよね!?


 「ワシのミスではないっ!!!部下のミスだ!!!」


 「あっハイ」


 このおっさん神様と話してたら疲れる件について・・・。

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