うらやま・・・・けしからん!

 「あっ、コレ異世界転移じゃなくタイムスリップだわ」

 

 オレはそう呟く。そして、あまりの真っ暗さ&言葉は悪いが酷い家?とゆうか小屋?現代の犬小屋の方がまだマシなレベルの家に絶句してしまう。


 「まぁ、織田の殿様に連れて来られて頑張ってここまで村のみんなでやってきたんだ。何も無いがこっちだ、来てくれ。ん?どうした?」


 オレが絶句してたところに声を掛けられ慌ててしまった。


 「えっあっ、イヤ、ありがとうございます!何でもないです!」


 そう八兵衛に言われつつも、月明かりにぼんやり照らされてる少し遠くに、現代とは程遠い田んぼを見て俯く。


 「さぁ。ここがワシの家だ」


 八兵衛はさすが村長というだけあって、他の村の家より少し大きかった。


 「ありがとうございます。お邪魔します」


 ここでまたオレは再び絶句する。そりゃ確かに他の家より少し大きかったよ。大きかったけど広さも約15畳程ありそうだったけど、中に下は2歳くらい、上は10歳くらいまでの子供が5人も居たからだ。

 しかも、村長の奥さん?らしき人は八兵衛村長と比べてまあまあ若い。その奥さん?らしき人は寝ていて、オレが来た事により起きてきそうだったが、八兵衛村長が寝てて良いと言った。

 

 ただ、家の中に囲炉裏があって風情がある様に感じたが「これ狭くない!?」あと「八兵衛村長うらやま...けしからん!」が率直な感想である。


 「狭いとこだが、ゆっくりしてくれ。ただ明日も畑があるから早いとこ休んでくれ。空いてるとこに適当に藁しか無いがこれを使って、水は瓶に入ってるから適当に飲んでくれ。無くなりそうなら川から汲んできてくれたら助かる」


 「分かりました。何から何までありがとうございます」


 八兵衛村長は最低限の事を教えてくれて奥さんの横に綺麗な藁を持って寝る体勢に入った。


 ここで、村長と奥さんがギャフンギャフン始めたら……。おーっと、ここはオレが部外者だから外に出ないとダメなのか?と思いつつ、端っこの方に貰った少し萎れた藁を持って横になる。


 これは本格的に考えないと餓死、もしくは病死、はたまた戦に巻き込まれてバッドエンド間違いなしだな。どうしたもんか。カツカレー食べたい。ステーキ食べたい。ハンバーガー食べたい。嫁、彼女は勿論居ないが、親父、お袋とも会えない。そう心の中で思い、思わず涙が出てくる。相変わらず褌一丁だが、違う涙も出てくる。


 てかトイレどこだ?

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