おいが呼ばれている気がする・・・・
「ほう。中々面白い部下を持っておるではないか。清洲程ではないが可成の家程はありそうじゃな」
「プレハブ工法を教え建てるそうです」
「大殿様、直答お許し下さい。これは簡易的な陣ですが、もう少し部品を用意すれば短時間で強固な陣の構築も可能です」
「貴様は剛力と申したか?誰かと違い名に恥じぬ働きじゃ」
「はっ。お褒めに預かりありがとうございまする」
オレは名前負けと言いたいのか!?
「遠藤!今からこれを本陣とする!床机や陣容書物を移動せよ」
「剛力君?木下さん、丹羽さんの陣も似たようなの作ってきてくれる?」
「はっ。畏まりました」
「いきなり行っても怪しまれるだろう。暫し待て」
「サル!聞こえるか?」
『はっ!お館様!今日は絶好な夜襲──』
「んな事はワシが指示をする。これから剣城配下の者が陣を構築しに行く。怪しまぬ事だ。名を剛力と申す」
『剣城は到着したんですか!?わ、分かりました!ありがとうございまする』
便利だな。そのままリアルタイムで指示できるんだしな。
後は丹羽さんにも同じ指示を出し、森さんや池田さんは関城と加治田城に詰めて、距離が離れているので『とりあえずこの二人でいい』と言われた。
「明日には勝家も到着するだろう」
「はっ。柴田様の陣も構築しておきます」
「良きに計らえ」
その後、遠藤さん堀さん達小姓が荷物の移動をし、オレは何処で寝ようかと考えていたら『今日は本陣の横に居る事を許す』と言われたんだが・・・。全然休まらねーよ!!いつ無理難題を言われるか分からねーじゃん!?そんな事を思いつつも、剛力君はさっさとオレ達の陣を作ってくれ、慶次さんは知らぬ顔で『藤吉郎のおっちゃんの所に行ってくるわ!』と颯爽と出て行った。ずるいぞ!!!
「失礼致しまする。剣城殿、お久しぶりです」
「あっ、遠藤さん。お久しぶりです!」
「お館様がお呼びです。こちらへ」
「おう来たか。遠藤!誰もこちらへ呼ぶな」
「はっ」
何言われるんだろうか。
「まずは伊勢攻略大儀である。中伊勢まで調略するとは思わんかったぞ」
「まあ、あれはなるようになったと言うか・・・・」
「従属同盟とは中々出来たことではない。一益にほぼほぼ任せておったが見事だ。この戦が終われば褒美を出そう。考えておけ」
「ありがとうございます」
機嫌は良いみたいだな。とりあえず口が寂しいから何か出そう。
《羊羹》¥300
効能・・・・消費期限50年は大丈夫な羊羹。いつ開封しても味の変化が起こらない。
《抹茶ミルク》¥150
効能・・・・神界、天国園の最高級抹茶を使用した抹茶ミルク量産品。
いや最高級抹茶を使った量産品とは何ぞ!?どういう事だよ!?
「どうぞ。羊羹と抹茶ミルクです」
「うむ。頂こう・・・・。美味い!この抹茶は甘い!美味いな。酒なんかよりいけるな」
「ありがとうございます」
「さて・・・。この戦が終われば将軍に謁見しに行こうと思う。貴様も来るか?」
「え!?上洛ですか!?謁見ってもう義昭さんが居るんですか!?」
「貴様は何を言っておる?将軍とは足利義輝様…。剣豪将軍だ」
うん!?まだ暗殺されていないのか!?いや確か信長さんが義昭を奉じて上洛する前に義輝に謁見して刀を貰ったとか記事が見た事あったけど・・・。てかこの稲葉山の戦も、史実よりだいぶ早くなってるんじゃないのか!?
「何を考えておる?」
「いえ、何でもありません」
「此度は構わん。貴様の考えを言え。それが未来の事でも良い」
それからオレは知ってる限りの直近の歴史の事を言った。本来この稲葉山城の戦はまだ先に起こっていたこと。それは間違いなく織田軍の勝利。その後、足利幕府最後の将軍を信長さんが連れて上洛する事を言い、その剣豪将軍の義輝さんは三好と松永に暗殺される事を言った。暗殺される裏の事情なんかは全く分からないが、この事を言うと信長さんは怪しむ事もなく口を開く。
「まあ、幕府復権に奔走し三好と仲違いしかけとは聞いておるが、貴様の未来では暗殺か。なくはないな。ワシの考えを言おう」
信長さんの考えは途中悔しがりながらだが、史実の通り今ではないにしても、義輝さんは三好に暗殺されるという風に思っていたらしい。これは未来の事を聞かなくても分かるくらいに、三好と仲が悪いらしい。それを仲裁する事もしないと。その後、覚慶・・・義昭を還俗させ織田が盟主となり朝倉、北畠、六角を伴い上洛する計画だと。
「やはりワシは決められた生き方なのであろうか」
少し信長さんが目を瞑り考える。
確かにざっくりだと思うが、史実と変わり映えしない事だと思う。六角と争い、朝倉は従わず三好を京から追い出し上洛する。その行きか帰りに、杉谷さんか誰かに狙撃されたのじゃなかったかな!?いやここは確信が持てないな。ゴッドファーザーの歴史の修正なのだろうか。ワンチャン農業神様なら教えてくれそうな気もしないが・・・・。
〜神界 Garden of Eden モニタールーム〜
「おいが呼ばれてる気がするんだなぁ」
「副社長!!落ち着いて下さい!今出て行けばまた世界線が複雑になり──」
「おいの眷族になっても良いと言ってくれ、神格も上げてくれた我が兄弟が困っているんだなぁ」
「ですが、副社長のお気に入りの人間に有利になる事ばかりしていると、私達の修正が間に合いません!今でもやっと本来の歴史になるように出来事を早く進めているのに──」
「お前達はおいの眷族なんだなぁ。けどお前達は都合がいい時にしか従わなかったんだなぁ。いつも芸術神や時空神のツベ(おしり)しか見てなかったんだなぁ」
「いっ、いやそんな事は・・・・」
「おいの眷族達!Garden of Edenの神訓を言うんだなぁ」
「神訓・・・ですか・・・。」
「早く言うんだなぁ?(ブォンッ!!!!)」
「のっ、農業神様ッ!!おやめ下さい!言います!言いますからその権能を控えて下さいッ!!!」
「「「「その1、父の言う事は絶対!その2、母の言う事は絶対!その3、神員会議で決められた副社長、技術開発局長の言う事は絶対!その4、始業の15分前出勤。終わらない、帰れないは禁句!その5、お客様の前では笑顔!その6、お客様のニーズに合わせた商品開発!以上であります!」」」」
「よろしいんだなぁ。おいは誰かな?」
「「「副社長であります!!」」」
「では行ってくるんだなぁ」
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