薩摩豚の可能性
カレーを作りながらオレは考えた。そもそもこの戦が起こるのは史実ではまだ先の事だよな!?オレが来た事で色々早くなっているのか!?うろ覚えだが確かこの戦の前に、美濃三人衆を秀吉が調略か何かしたんだよな!?現状はどうなってるんだ!?今桶狭間から2年が経っているから・・・1562年・・・。何か出来事あったのか!?ゴッドファーザー達の歴史の修正で、結局は同じ事になるのだろうか・・・・。
「剣城?るーは出来上がったぞ?剣城?」
「あっ、あぁ。伊右衛門さん、すいません」
「どうした?珍しく悩み事か?お主も悩む事があるのか?」
いや失礼過ぎだろ!?オレだって悩む事くらい一杯あるぞ!?
《サラダ油一斗缶 3.51ポンド》¥1800
効能・・・・血液サラサラ、胸のムカつきを抑えた食用油。
《薩摩豚 トンカツ用肉10枚入り×10》¥30000
効能・・・・ワシがこよなく愛す鹿児島黒豚のトンカツ。ジューシーな肉汁。柔らかい肉。☆5つ中30。
いや久々にゴッドファーザーの痕跡を見たわ。油はまあ分かるよ?トンカツの肉は何だよ!?ワシがこよなく愛すって・・・感想か!?感想なのか!?しかも☆5中30って、画面外に星マークが消えてるじゃないか!?全然5段階じゃねーじゃん!?
「おっ!剣城の技は久しぶりに見たな」
「そうでしたね!これはトンカツと言って、まあ既に出来上がってるので、少量のこの油で揚げると出来上がるので、後はこのトンカツを切り、米に乗せてルーをかけるだけで宜しいかと」
「まあ試してみよう」
「・・・・・・・遅い」
「おっ、お館様!?もう暫しお待ちを!剣城様ならばすぐ持って来る筈でございます!」
「遠藤?お主はこの匂いが分からぬか?外でもかれーの匂いがしておる!この匂いを漂わせてワシに待てと抜かすか!?」
「お待たせしました。・・・ってどうしたんですか!?」
「遅いッ!!!こんな匂いを漂わせて貴様は──いや、なんでもない。かれーだが何か乗っておるな?」
「これはトンカツと言って・・・出した事ありませんでしたかね?未来ではこれをカツカレーと申します。字にしますと・・・勝つカレーとも言えますね」
「ふん。小癪な物言いだな。だが勝つカレーとな?良い食べ物ではないか。頂こう」
「後90人分くらいはトンカツ残ってますが、皆に振る舞いますか?」
「うむ。普通のかれーは1日目か?」
「え!?あ、はい。さっき作ったので1日目ですね」
「ならば・・・コクが出ておらぬ。明日軍議を開く。その時に振る舞ってやれ。それとカレー衆によく煮詰めておけと伝えておけ」
「分かりました」
いや忘れてたけど、確か伊右衛門さん達がカレー衆だったんだよな!?信長さんからコクとか煮詰めてとか、言われると思わなかったぞ!?
「うっ!!!・・・・・」
「お館様!?」「殿様ッ!!」「殿ッ!!」
「えぇぇ〜いッ!!騒ぐな!!剣城ッ!!!このとんかつは何だ!?かれーと合うではないか!?」
「それは未来でも少しブランド・・・有名な豚のお肉で──」
「すぐにこれも量産しろ!!!鳥よりもこれだ!!これを尾張名産にする!!」
「ちょっ!!ちょっと待って下さい!これは流石に難しいです!薩摩豚と言って──」
「やかましいッ!!今、薩摩豚と申したではないか!?なら分かっておるのではないか!?」
「いや・・・この豚は未来では九州の豚で・・・。薩摩・・・島津って家の人が治めている地の豚なんです。しかもこれが原種ではなく仕入れるのに──」
「貴様は長い!くどい!単純明快に申せ!」
「すいません。船を造るか、もしくは私の技で出し操船する人を育て、豚も育て解体できる人が居れば何とかなります!」
勢いでオレは言ってしまった・・・。野良のというか野生の豚すらまだ見てないのに、こんなブランド豚作れるのか!?猪と交配か何かするのか!?そもそも島津さんと何も関わり合いが無いのに、いきなり船で訪問して豚下さいとか言えるのか!?いや無理だろ!?戦国一のバトルジャンキーの家じゃん!?あぁ〜あぁ〜・・・信長さん、また扇子をパタパタし始めたよ・・・。
「ふん。理屈は分かった」
いやあれだけで分かるの!?何の理屈が分かったの!?
「一益に言うておく。九鬼を紹介してもらえ。九鬼が志摩で船を操っておる。正式にワシの配下ではないが、歯向かう訳でもなく従順な奴だ」
「わ、分かりました。またその時に何とか考えてみます」
「それと・・・ワシの陣に夜半に来い」
え!?夜半に来いって・・・。まさか・・・オレの貞操がぁぁぁ・・・。
「阿呆が!ワシの考えを言うだけじゃ!気色悪い!」
「いやすいません。慌ててしまいました。分かりました。また伺います。剛力君?信長様に相応しい陣を作り直してくれる?」
「はっ。畏まりました。大殿様?暫くの間、うるさくなりまする。お許し下さい」
「何をするのだ?」
「私の配下の集大成です。過ごしやすい陣に強化致します」
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