幻の花
「ったく何で俺が稲葉山城に参加する事になるんだよ!!」
「剣城様?くれぐれも今のお言葉はお館様の前で言わぬよう・・・」
「いや、さすがにそれは言わんけどもよ・・・。折角、貿易とまでは言わんけどオレもそこまで詳しくはないけど、経済の仕組みのお勉強をしようと思ってたのに・・・」
「まあそう言わず手柄を立てて領地を貰い、そこで発展させれば良いではないですか!」
考えないようにしてるが、それでも竹中には一撃浴びせたいとは思う。嫌々ながらも色々作戦考えてしまってる自分も居るな。大膳君に言い、村から野戦砲の弾薬と焙烙玉の補充、隼人君達の弾の補填も行った。今の俺にはエアライフルがあるからいいとして・・・。あのエアライフルもいいけど、音が静かだから敵の突撃は止められないんだよな。本当に狙撃ならかなり良いと思うけど・・・。
「ははは!我が殿は竹中何某と因縁がある方。ここは一つ激しく後世に残る戦をしましょうぞ!」
小川さん程好戦的ではないが、今回に関しては遠慮せずに行こう。いよいよオレもこの永禄に染まってきたな。関さんの兵の死を見ても動揺すらしなくなったし。皆の体力とか筋肉とかも可笑しいくらい、身体が出来上がってるし。
「剣城?何か作戦は考えているのか?新しい物好きの織田の大殿は、剣城を先頭に考えてると思うぞ?」
「慶次さん、任せて下さい。今回は大丈夫です」
「なら良いがな。くれぐれも突出するなよ?戦の後の酒は美味いんだ」
結局酒かよ!?また慶次さんは頑張ってくれてるからいいけどよ。
「慶次様ぁ・・・・・・」
前言撤回。慶次には禁酒令だ。
滝川さんに野田さんの息子、喜助さんを亀山に残して、オレの指示を伝えて出発したけど・・・。道険し過ぎだろ!?ゴッドイージスを持ってしても走れないんだが!?
「ハァーハァーハァー・・・。確かこれが東海道だと思うけど・・・。お菊さん達は疲れないの!?」
「このくらいでは疲れません」
他の甲賀の人達も体力お化けか!?!?オレと一回り違う小川さんですら、余裕で着いて来てるんだが!?
「剣城様、後ろがつっかえています。もう少し急ぎましょう」
クソ・・・。こんな事なら大黒剣持ってくりゃ良かったわ。
朝一に亀山城を出発したけど、昼過ぎにはオレはバテて休憩が多くなってしまった。
「チッ、剣城は本当に体力がねーな?この辺で大休止としよう。ちょうど飯の時間だ」
「慶次さん、申し訳ない」
「今の内に休んでおけ。今日中には稲葉山に着くだろう。藤吉郎のおっちゃんが稲葉山を囲んでる筈だ」
いや何でそんな事知ってんの!?オレ初耳なんだが!?
大膳君は、村に米やら弾薬やらを補填する為に走らせてるから、大野さん一族の人達にご飯の用意をお願いした。正直疲れて食欲は無いが、ここで食べなかったら本当にバテてしまう為、無理矢理口に入れ込む。行軍飯との事もあり味噌汁かけご飯だ。
「大野殿?些か味噌が薄いのではないか?」
「然様。もう少し塩を入れても良いのでは?」
いや走って汗は掻いただろうと思うけど十分濃いと思うよ!?まあ味に文句言えるくらい余裕が出たという事だろう。いつもこんな簡単飯という訳にはいかないからな。落ち着いたらもっと色々考えよう。
飯を食べ少し休憩してから出発開始をする。行くついで、どうせならと道に生えてる草やら石やらをオレは鑑定しながら行軍する。すると面白い事に、たまに買い取りが高い草というか花なんかもあった。
《ニッコウキスゲ1株》買い取り金額¥3000
※未来では絶滅危惧種。
《レンゲショウマ1株》買い取り金額¥60000
※未来では絶滅危惧種。
《フウラン1株》買い取り金額¥10000
※未来では絶滅危惧種。
おいおいおい!また単なる花かと思ったけど、こんなに買い取り金額高いの!?しかも未来では絶滅危惧種て・・・・。そんなの説明で書かれたら採りにくいじゃないか!?オレはタイムスリップ前では、こんな花は見た事なかったけど実は色んな所に、現代では絶滅した動植物も多いんではないだろうか?これもまた時間見つけて調べてみよう。
金剛君や隼人君達と遅れながら採取しつつ、着いて行ってると先頭が陣に着いたらしいので、オレも採取を辞めて急いで行く。気付けば残金がまた500万近くに戻っていたので、ホクホク顔で一際目立つ信長さんの陣に向かう。
「ほう。ご機嫌な顔だな?そんなに楽しみだったか?」
久しぶりの信長さん・・・。って事もないけどこの感じは久しぶりだ。
「いえ。道中良い物を発見したので、例の私の技の銭を増やしていました」
「ふん。まあ良い。見ての通り稲葉山を囲っておる。支城も抑えた。後は全軍で進むのみ。まずは久しぶりに貴様の飯を食らおうと思う。何か作って参れ!」
出会った瞬間飯かよ!?そうだな・・・。久しぶりにカレー・・・カツカレーでも作るか!?
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