これはただの風邪薬じゃない!ゴッド風邪薬だ!

 明け方、静かな寝息になっていた信長が気になり体温を測ると36.8度になっていた。


 「いや、昨日40度近くあった熱が一晩でこんなに下がるのか!?ゴッドファーザーの薬最強説か!?たしかレベルが上がると例のゴッド絆創膏みたいに効能も上がるとかそんな感じだったとは思うが・・・」


 そこでタブレットを開き購入履歴から説明欄があったので見てみると、


 《総合風邪薬》 


 効能・・・・一般的な風邪薬だがレベルが上がるにつれ効き目が良くなる(最大50倍)。


 えっ!?!?最大50倍って!?めっちゃチートな風邪薬じゃん!!これも間違いなくゴッド風邪薬だな!!他の物の説明も見てみようか。


 《スポーツ飲料》


 効能・・・・普通のスポーツ飲料。



 はっ!?!?なんだよ!!これは普通の飲み物なんかいっ!!まぁ、たしかに飲み物までチートになったら迂闊に飲めんけどもよ!!


 《布団セット》


 効能・・・・睡眠の質が良くなります。パートナーと夜の営みも安心して使えます(硬さ最大2倍)。



 《高級栄養ドリンク》


 効能・・・ここ1番勝負の時、体が疲れてる時に特に効果を発揮する(自然治癒能力最大3倍)。


 えっ!?ユン○ルさん!?貴方どうしたんですか!?自然治癒能力増し増しとかめっちゃ凄いじゃん!!


 それより布団よ!布団!パートナーと夜の営みも安心してと・・・?オレは相手が居ないからそんなん使えねーじゃねーか!!それに硬さ2倍って凄過ぎだろっ!!!いつか絶対この布団でハーレム作ってやるんだからなっ!!!素人魔法使い舐めるなよ!!


 タブレットを見て効能を見ていると信長が目を覚ました。


 「昨日までしんどかったが今日はかなり体が軽い。息もしやすくなった。貴様が飲ませた薬のせいか?」


 いやいや、なんで喜ぶとこを詰問するみたいに聞いてくるんですかね!?病み上がりですよね!?


 「たしかに昨日私が薬と服とか飲み物用意しましたが、まさか一晩でここまで良くなるとは思いませんでした。念のため今日1日は休んで下さい」


 「であるか。貴様が飲ませた薬は苦くもなく飲みやすかった。それにこの見た目は奇怪な服も着心地が素晴らしいな。それにこの下に引いてる布、枕、大変に素晴らしい!後日褒美を渡す」


 「未来では咳病は薬でほとんど治ります。けど中には治らない病気もありますので気をつけて下さい。その服は未来では作業などする時に着る物です!私も休みの日は、大体そんな感じの服を着てました!寝る時とかその服が楽なのでおすすめですよ!」


 「さすがに、この服で戦はできぬが寝る時に良いと申すか。この下に敷いてる上にて寝るのは極楽じゃ。こんなに深い眠りに落ちたのは初めてじゃ。昨日乱破でもワシの前に現れておったらワシは気付かずに討たれてただろうな。そのくらい寝心地が良い」


 「それは布団と言い、これも未来ではほぼ全員がその上で寝てると思います。良ければ色んな形、ふかふか度合いがありますので今度お渡ししますね。それと咳病が治ってからで構いませんので少し相談があるのですが良いでしょうか?」


 「うむ。楽しみにしておこう。後、さすがにまだ頭が冴えてないんでな。相談とやらは後日聞こう」


 そう会話してると滝川さんが小姓の静止を聞かずに入ってきた。


 「殿!!ご無事でございますか!?って、何ですか?その格好は!」


 「一益、心配をかけた。ワシもまさか一晩でここまで良くなるとは思うておらなんだ。此奴の薬は凄まじく効いた。そして見た目はおかしいがこの服は素晴らしいぞ!それに、この布団も中々に良い物ぞ!」


 「某、この得体の知れん奴に殿をお任せするのがどれほど悔しかったか・・・。戦なら死をも恐れず敵を薙ぎ倒してみせられますが咳病となるとさすがに・・・」


 「殿っ!!!!大事ないですかっ!?!?」


 滝川さんが現れてからすぐに昨日のメンバーが集まってみんなが『大丈夫ですか?』『お加減は!?』やらの大合唱になった。


 「えぇぇいっ!静まれっ!!ワシはこの通り大丈夫じゃ。だが念のため今日1日は休むとする。皆には心配かけた。後日沙汰を申す。下がれ」


 そう言い布団に横になったのでオレも下がろうとすると『貴様はワシの面倒を見よ』と、さすが病み上がりでも天上天下唯我独尊の信長の言葉だった。

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