戦国時代にタイムスリップした件 何故かファンタジーみたいなスキルが使えるんだが

あっ！？という間に落城

　「織田が攻めて来たぞ！出合え出合え！」

　「織田が何する者ぞ！」

　パスっ！パスっ！パスっ！

　「がははは！さすが我が君！遠慮がないですな！？我、小川三左衛門！この首欲しくば掛かって来い！」

　「あの爺いは放っておいてよい！その横の奴を討ち取れ！！」

　パスっ！パスっ！パスっ！パスっ！

　「己ら！？ワシを狙え！ワシは飛び道具は持っておらん！ワシはここぞ！！！」

　シュッシュッシュッシュシュッシュッ。

　「大野さんの弟、太郎左衛門さんでしたよね！？ナイスです！吹き矢は使えない武器だと思ってたと思うけど案外使えるでしょう！？」

　「はっ。名前覚えて頂きありがとうございまする。確かに殺傷能力が低いと思いましたが、案外使えますし小回りが効き、良いです！」

　うん。ここの兄弟はすぐ覚えられたんだよ。兄の方が次郎左衛門で弟の方が太郎左衛門って名前だから。

　「戻れば当主の次郎左衛門様に言っておきますね！かなり頑張ってくれましたと！」

　「ありがとうございまする！」

　「ぐぬぬぬぬ！おい！斎藤の小童共！ワシだ！ワシを狙え！動かずに居てやるからワシを狙え！」

　「ヒィィィィ───！鬼だ！こんなの勝てる訳ねー！！」

　「おっ、おい！お前達、逃げるな！！糞！こうなればワシ自らが・・・」

　「麻生野殿か？久しいな」

　「その声は！？竹中殿か！？まさか裏切ったのか！？」

　麻生野・・・麻生野・・・誰だ！？分からん！

　「麻生野殿に声が掛かるとは余程、龍興様は手駒が居ないと見える。昔の誼だ。ここを通してくれ」

　「殿は！殿は、手柄が無い我を城番に銘じてくれた方だ！殿の為、忠誠を貫く！竹中と同じにする」

　スパッ。

　「とこういう風にすれば怪我なく行けますよ？あれ？芝田殿、どうされましたか？」

　卑怯だ・・・。あの竹中半兵衛は本当は卑怯な奴だ・・・。せめて最後まで喋らせてあげろよ！？

　「芝田殿は私を卑怯だと思いですね？勿論、当初はこちら側に来て頂こうと思いましたが、案外忠誠心がありましたので、昔の誼で苦しまずに楽にさせてあげました。ちなみに、この方も女体を堪能した一人でございますよ」

　「クソックソっクソッ！！麻生野！初めて会って喋ってもないがお前は明確に敵だ！！もう死んでるが敵だ！！地獄へ堕ちろ！！」

　「殿ぉぉぉぉぉ・・・・。ワシに敵が向かって来ないんじゃぁぁぁぁぁ・・・・」

　いや。そりゃゴテゴテの、西洋の方で使われてるような鎧を纏ってたら、誰も来ないだろ！？ハルモニアのスーツだっけ！？脱げばいいんじゃないの！？

　「あっ、剣城か！？剣城も入ってきたのか？」

　「慶次さんお疲れ様です。実はバトルジャンキーのせいでこんな風に・・・」

　「ふん。まぁ良い。そちらはどうだ？城主は居たか？」

　竹中さんの方を向くが首を横に振る。

　「まっ、後はこの上だけだ！オレが先頭を行こう。それと面白い奴を捕まえたぞ！剣城と気が合うと思うぞ！がははは！」

　面白い人って誰だ？別に有名な人って他に誰か居たかな？そのまま、階段を上がり大広間に向かうと色んな年代の男女、明らかにボロを纏った人が並んで正座していた。身分の高そうな人は白装束を着ていた。

　「やられたか。剣城すまん！遅かったようだ」

　うん！？慶次さんはこの状況でどうなったか分かるの！？

　「拙者、不破光治と申・・・・竹中か！？」

　「お久しぶりですね、不破殿」

　「やはりお主は見限っておったか・・・・」

　「織田殿はどなたか？」

　「織田様はここにはまだ来ておりません。この方がこの部隊、この戦の総大将と言っても良い働きをした方、そして私が仕える事にした芝田剣城様です」

　「手前、不破光治と申します。斎藤家に仕え最後の奉公、斎藤龍興様を長良川より逃しました。周りの者は城下の民です。某の命でこの場を治めて頂きたく。他の者は無理矢理連れてこられただけで・・・」

　「不破殿！某も、と約束したではないか！？」

　「総大将！是非某の命も一緒に・・・」

　「ワシも」　「我も」　「某も！」

　「この不破さんは人望があるな。最早、斎藤よりこの不破さんに忠誠誓ってるレベルじゃないの！？」

　「悪いけど、総大将って言っても正式に言われた訳じゃないので、私の一存では決められないのです。今から私の殿に聞いてみますので暫しお待ち下さい。大野さん一族の方！大膳に言って、民の人は鈴ちゃん達の場所に連れてってくれる？後、早急に城の廊下とかにある亡骸を集めて綺麗にしておくように」

　「はっ」

　「金剛君？トランシーバーの用意。斎藤龍興は逃してしまった事、長良川だから滝川様を蟹江から向かわせれば挟み撃ち出来るかもと、城の人達が会いたいと言っていると伝えてくれる？」

　「はっ」

　「竹中・・。貴様、斎藤家から禄を食（はぐ）んでおいて裏切るとは！」

　「はて？私は再三に渡り斎藤家に尽くしておりましたが、龍興様は私を『要らない』と直接言われましたので、お暇させてもらったまで。要らないと言われてまで仕えるに値しない方の為に、私の知恵は授けませんよ？」

　「貴様・・・」

　「そこまで言うなら、貴方もこの方に仕えてはいかがですか？野々村殿？」

　「俺はそんな訳も分からん奴に仕えるなんて真っ平御免だ！」

　「はて？訳も分からんと？芝田殿は織田軍、信長殿直属の料理ご意見番だそうですよ？さっ、これで訳も分からん事は無くなりましたな？」

　オレの自己紹介してくれたけど・・・料理ご意見番・・・。物凄くダサいんだけど！？