おまつ様にも踏んづけられたい・・・

 木下さんとカレーを堪能した後、ねねさんとまつさんが戻ってきた。ねねさんはそれなりに綺麗だが、


 おまつさん・・・・美しい・・・。いやでも、オレはお市さんしか!!お市さんが・・・。


 「剣城は何を考えとんのじゃ?あぁ間違ってもおまつ殿に欲情するなよ?首が飛ぶぞ?」


 いやあっさり首が飛ぶって・・・。それによく見ると2人とも髪の毛がめっちゃ綺麗になってるんだが!濡れた髪を一つに纏めて前に垂らしてる姿が凄く・・・色っぽいです!!!!!!


 「藤吉郎様、どうですか!?私の髪の毛サラサラになってるんです!!それに体がいつもより気持ちが良いんです!どうぞ触って下さい!!」


 「妾もねね姉様程ではないけど凄くサラサラになりました!殿方に触って頂きたいのですが利家様が怒りますので・・・」


 あぁ〜・・・。裸足で踏んづけられたい・・・。


 「喜んでもらえて良かったです。トリートメントはちゃんと洗い流さないと臭いの原因になりますのでこれからもそれだけは気を付けて下さいね」


 「ねねよ?後でな?おまつ殿も元から綺麗じゃったが更に磨きがかかったのう?それとおまつ殿、慶次を連れて来てやってくれないか?此奴が慶次に会いたいそうじゃ」


 「ぶっ、剣城様は慶次なんかに会いたいのかい!?あの人は放浪ばかりしてる穀潰しだよ!?」


 酷い言われようだな。でも確かにこの時代で未来のマンガと同じ生活スタイルだとしたら・・・確かに穀潰しだよな。


 「でも会ってみたいです!すみませんがよろしくお願いします」





 「おう!藤吉郎のおっちゃん!俺に客人とか・・」


 そこには若いヤンキーが現れた。

(1541年生誕説とする)


 「慶次よ、利家殿に世話になっておるからあまり言うまいがワシゃおっちゃんじゃないと何回も言うとるだろうが」


 「すまんすまん!んで俺に用事とはあんたの事かい?」


 オレは思わず嬉しくて握手を求めた。


 「貴方が有名な前田慶次さんなんですね!!槍が相当に上手だとか!?」


 興奮気味に話したらみんなドン引きした顔で見られた。


 「えーと?俺がなんで有名なのかは分からんがまぁ俺がその前田慶次だよ。んであんたは?」


 「すいません!遅れました!私、芝田剣城と申します!未来からやって来ました!証拠も見せられます!」


 そう言うとこの後食べようとしたケーキを人数分購入した。


 《ショートケーキ×6》¥3000


 「おい!剣城!?誰にでも言い過ぎじゃ!て、おい!それはまさかけーきじゃないのか!?!?」


 「ほう!あんた面白い事言うね〜!?未来から来たと言うんだな!俺は未来から来たと言う奴とは初めて会ったね」


 「えっ!?これだけで信じてくれるんですか!?信じられないなら他にも望む物を出そうかと・・・」


 「ふんっ。人は日に畳一畳米三合あれば十分。それよりそのけーきとやらは食べ物なのか!?未来とやらにも酒はあるのか!?面白い話を聞かせてくれ!」


 それからやはり利家さんは放逐中とあり居なかったので、利家さんのケーキ一つだけ余って誰が食べるか戦には出た事ないが戦みたいな空気になったので


 《チューハイ5本》


 《ポテチ》


 《柿の種》


 《清酒》


 《焼酎》


 《プリン×5》


 これらを買って皆に渡した。合計¥25000程だった。


 これからこんな公私混同でお金使ってたら他の贈り物くれた人も良い顔をしないから気を付けよう。


 とりあえず未来の甘味とか欲しい人に対価としてそんな高額じゃない物を貰ってオレはオレで早く商人もどきみたいな事して自力でお金稼ぎして、松平さんとの同盟を成功させよう。


 それにこんな風に皆笑顔で笑って暮らせる世界になるように信長さんに頑張ってもらわないと!


 「おーい!剣城は何を考えとんのじゃ?はよ剣城も飲むぞ!!!このぷりんとやらは美味いのう」


 「はっはっはっ!俺も剣城と呼んでも良いか?剣城は凄い方だね〜!この澄み酒もかなり美味いがこっちの甘い酒も中々良いな!ちぃ〜とばかし酒精が弱いがな!がっはっはっはっ」


 「剣城様は慶次と馬が合うのですね。慶次は元は滝川様の一族でね。前田家には養子で来ているのさ。利久様はお身体があまりよろしくないので『ワシの元に居るより弟の元でお館様の刀となり盾になれ』と言われたそうで妾が面倒見ているのです」


 「そうだったのですね。もし良ければ利久様のお身体見てみましょうか?」


 「妾はそんなつもりで言った訳じゃなく・・・でも折角なので見て頂いてもよろしいですか?して、代金は幾ら程・・・」


 「いやいや、銭の事は気にしないで下さい!私の好意で見るだけなので。それにさすがに重病なら私にも出来ないことがありますので、緊急じゃなければこれから少しの間忙しくなりますので、手が空いた時にでも如何ですか?」


 「妾が会った時は普通に政務はしていましたので緊急ではないと思います。では剣城様が手が空いた時に妾にも言って下さい。それにこんなに美味しい甘味やカレーを食べさせて頂いて、髪の毛も綺麗になる薬を頂いてありがとうございます」



 あぁ〜・・・・・美しい・・・。罵倒されたい・・・。


 「いくら剣城様でも妾に変な事考えてたら利家様に言いつけますよ?」


 いや何で考えてる事が皆分かるんですか!?


 その後軽くどんちゃん騒ぎになり慶次さんが道中、何かあったら駄目だからと一緒に城まで送ってくれた。


 「こんなに楽しく酒飲んだのは久しぶりだ!剣城は面白い奴だな!また飲もう!」


 「こちらこそありがとうございました!それに城まで送って頂いて助かりました。慶次さんは未来の俺はとか聞かないんですね」


 「未来の自分なんか聞いても何も面白くないだろう?未来は自分で作るのさ。どんな激しい撤退戦でも生き残る奴は残る。どんなに勝ち戦でも死ぬる奴は死ぬ。"己の運命は天のみぞ知る"ってやつかな!がっはっはっはっ」


 オレはこの慶次の言葉を聞いて"本物は違う"と思った。


 「剣城は馬も乗れんし手も分厚くない。腹も出ておる。それだけでおおよその見当はつく。未来は平和なのだと。だがここは乱世だ。

 剣城の力は・・・がーでんおぶえでんと言ったか?それはいずれ他国にも知れ渡ろう。

 その時誰が剣城の身を守るか?織田の殿様を無視して剣城と行動を共にする事は出来んがちょっと叔父御(滝川一益)に頼んでおこう」


 叔父御が誰か分からなかったが、さすがに滝川一益さんじゃなく他の滝川さん一族だろうと思い、軽く頷いてお礼を言って別れた。

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