オレの完璧なる聖戦
側女さんに声を掛け入れてもらう。
「失礼します。剣城です。私に何か用があると聞いたのですが・・・・。いや、お市様もいらっしゃいましたか」
マジでブチギレしてる様な雰囲気なんだが!?オレ何かしたか!?
「貴様。なんぞ妾も使った事がない髪の毛を洗うしゃんゆーとりーとめんとなる物を、ねねとまつに渡したそうじゃな?」
「濃姫様、しゃんぷー、とりーとめんとでございます」
「揚げ足は取らんでよろしい!!!!!老婆(ばあや)は下がってよい」
「いえ濃姫様、是非とも妾も殿方の技で髪の毛を・・・」
「黙らっしゃい!!!下がれ!」
側女さん半泣きになりながら下がってるがお婆ちゃんの涙なんか見たくないんだけど・・。オレも涙腺が弱くなってしまうじゃん。
「して、見苦しいところを見せた。先も言うたねねとまつに何やら髪の毛に良い物を出したそうじゃな?今日女だけで卵でも食おうと呼んだら、何やら二人の髪から匂った事のない良い匂いがしてのう。 聞けば剣城が用意した物で洗ってるそうじゃな?妾はそんな物出されておらぬぞえ?」
「そうじゃそうじゃ!妾もしゃんぷーとりーとめんとを所望する!!」
はっ!お市様にはすぐに用意します!!いや、させて下さい!!そして・・・・・。
裸足で某を踏んで頂き給う!!!
内心そう思いながら、さすがに織田家の姫ナンバー1ナンバー2に出さなかったのはまずかったと思い、木下さん前田さんの奥さんよりワンランク上のシャンプートリートメントを用意した。
《極上サラサラヘアシャンプー&トリートメント×5》
効能・・・・これで貴方の髪も汚れを落とし健やかな髪の毛間違いなし。匂いはほのかに持続し異性を惑わす。男性女性の薄毛予防にもなる。
おい!このシャンプーの方がいいじゃん!あんな訳の分からん香水なんかより良さそうだぞ!これでオレも異性を惑わすぞ!!!それに男の敵、ハゲにも良さそうだし!!!値段はちょっと高めの1セット¥3500だった。
「これがしゃんぷーとりーとめんとなる物か!?それにしても数が多いようじゃが?」
「これは先にこちらのシャンプーで洗いよく流して、こちらのトリートメントを塗り少し間を置いてよく洗い流します。シャンプートリートメントで1セット、私も購入しお市様の分と濃姫様の分、後は二人の側女様にお渡し下さい」
「ほんに剣城は優しいんじゃのう。側女如きにまで。妾は渡したくないがそんな器量の小さい妾ではない!渡しておこう」
「カエル!!大儀であった!!」
いや、今の今まで濃姫さんの器量は小さくなかったですか!?だから側女さんにも怒ったんじゃないですかぃ!?それにお市さんの呼び方は信長さん怒らんのですか!?お市さんにだけ甘々ですか!?
それからオレは部屋を後にしてルンルン気分で城の井戸で水を汲み城勤めの人が居ないのを見計らって髪の毛を洗い気分もスッキリして部屋に戻ろうとしたら信長さんとすれ違い呼び止められ、『何故髪の毛からいい匂いがしておる!』『ワシはそんな物知らん!』『貴様がワシに内緒にするならワシにも考えがある!』ととてつもないプレッシャーをかけてきたので同じ物を購入し半泣きで渡した。
たしか史実でも信長さんって潔癖に近かったんだよな?確かに城は物凄く綺麗で埃なんか見た事もないけど・・・。それに信長さんいつも良い匂いがしてたから、この時代の何かで洗ってるのかと思ったんだけどな。
その日の夜。お菊さんにも労いをしようと思い、ショートケーキを購入した。
《ショートケーキ》¥300
「お菊さん居る?」
「はっ!ここに!」
この人もめっちゃ良い匂いがするんだが!?俺は今日シャンプートリートメントもし、香水も付けた。万全の筈だ!
「いつも護衛ありがとう。これは日頃の感謝を込めてお菊さんの…」
「結構です」
えっ!?Garden of Edenの効能は偽物ですか!?早速嫌われてるんですが!?
「折角お菊さんの為に購入したので一口だ…」
「結構です。私に気遣い無用と言った筈です。剣城様を護衛してるのは任務なので今後気遣いは不要です」
クッ!!これは何と言うか・・・無理だ。素人魔法使いのオレにはこれ以上無理だ。
「ではここで食べなくても構いませんので、休憩中にでもこれは食べて下さい。今後こういう事はしない様に致しますので。勝手な事してすいませんでした。もし食べたくないのであれば捨てて下さい。1日お疲れ様でした」
「・・・・・・・。ありがとうございます。では御免」
なんなんだよ!クソが!現代でも仕事場の女に旅行に行った時、社交辞令でお土産渡した時は受け取ってもらえたのに!しかもGarden of Edenのシャンプートリートメントと香水まで付けてるんだぞ!?
少しくらい崩してくれても良いんじゃないのか!?まさかあれか!?遺伝子レベルでオレの事が嫌いなのか!?
今度はフェロモン入りの香水だ!!!
タブレットで香水の効能を一晩中探しながら夜が明けていった。
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