滝川一益、チョコレートにて陥落する・・・

 上機嫌で信長が戻ってきたのでみんなが驚いていた。


 「殿!!無事ですかっ!!!!?」


 「無事も何も此奴と話しをしていただけじゃ。して、此奴を召し抱える事にした。まずは皆にも伝える事がある、座れ」


 そう信長が言うとみんな座り、オレはとりあえず1番遠くに座る。


 「馬鹿もんっ!!貴様は当事者だろうが!ワシの横に座れ」


 そう言われ信長の横に戻る。


 「まず、此奴を召し抱えると言ったな。此奴の未来から来たという事をワシは信じる事にした。まずは、おぬしらも疑問はあるだろうが此奴が出した未来の物というのを見ようではないか」


 そう言われたオレはさっき買った物を目の前に持ってきてみんなに見せ、水を飲む器を持ってきてもらい、そこに日本酒を入れる。


 「まずこれは未来のお酒です。毒味で自分が最初に飲みます」


 そう言うとオレは一口飲んだ。するとみんなが一斉に飲みだした。


 「なんだっこれはっ!!!酒が透明だ!それに臭みが全く無い!むしろ甘い酒かっ!!!もう一杯くれ!!!」


 「これは・・・・すまぬ。ワシももう一杯頼む」


 柴田さんと丹羽さんは酒に陥落だな。その後、木下藤吉郎、池田恒興、織田信長も口を揃えて美味い、飲みやすいとおかわりを頼んできたが一人、滝川さんだけ一口も飲まずにプルプル震えていた。


 「殿っ!!!それに各々方!!みな此奴に騙されております!!!目を覚まされよっ!!!もしかしたらその酒も遅効性の毒やもしれません!!!!」


 滝川一益は一人怒っていた。オレは何でこの人にばかりこんなに怒られるのか。と疑問に思いながら甘いもの作戦。

 例のチョコレートを一つオレが食べて滝川さんの口に入れた。最初抵抗するようにオレを払い除けたが急に真顔になり、


 「ワシはこんな奴の妖術では落ち・・・・・甘い!?この茶色の糞みたいなのが甘い!?!?」


 そこでオレはやはり"勝ったな"と内心思った。


 「皆さんにもこの茶色のやつを食べてもらいたいのですが、これは家族の方にお土産でお渡ししますので、皆さんは家に帰ったら食べて下さい!これから日に一つくらい、銭がある時は何かお渡ししますのでいつでも言って下さい」


 とオレが言うと信長さんが待ったをかけた。


 「貴様の未来の物というのは食べ物飲み物だけではあるまい。他にもあるのだろう?これは皆の褒美の時に購入できるように致そう。無論ワシもおぬしらに内緒で此奴を使って未来の物を買ったりはせん。これは人を堕落させてしまう凶悪な物じゃ」


 そう信長さんが言うとみんな嫌な顔にはなっていたが納得せざるを得なくなってしまった。


 「ワシが此奴を召し抱えると言ったが此奴は戦は経験が無いらしい。まずは弛んだ此奴の腹を鍛えてやらねばなるまい」


 そう言うとまた扇子をパンッパンッパンッと鳴らし・・・・・・柴田勝家の方に向けた。


 「此奴の名は芝田剣城と言うらしい。柴田の預かりとする。美濃攻めにて後ろを気にしたくない。松平と同盟を致す。皆、準備にかかれ!」


 そう言われオレも一緒に柴田さんと城を後にした。


 いやオレの服・・・・・と思うが言い出せる雰囲気じゃなくまたもや褌一丁で柴田家の家に向かう事になったのだった。

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