神馬ノア
この日の夜オレは夢を見た。夢の中でオレはthe天国って感じの色んな花が咲き誇る場所で馬と話をしていた。いつもみたいな鮮明な夢ではなく純粋な睡眠で見る夢の感じでオレは夢の中でその馬と会話をした。
「はぁ〜ッ!!!!ハァーハァー・・・・。とうとう馬とまで会話するとか・・・。オレは疲れてるのだろうか」
一人で朝というか・・・。まだ暗いけど、何故かタブレットを見ないといけない気がしたのでタブレットを見てみるとGarden of Edenのボックスの所にnew!と点滅していたのでタップしてみる。すると一覧のところにヒッペーの一族と書かれていた。ヒッペーって何?農業神様からのプレゼントか?オレは迷わずヒッペーって文字をタップすると警告文字が出てきた。
【ヒッペーは一度出すと戻せません。はい・いいえ】
この文字が出てきてオレは少し焦るが気になるのでビビりながら恐る恐るはいをタップする。
【屋外じゃないと出せません】
なんだよ!!久々に清水の舞台から飛び降りる勢いでタップしたのに外じゃないと出せないのかよ!
そうプンスカ思いつつ一人で外に出てはいをタップする。
プシャァァァァァァァァ───────。
白い煙みたいなのが現れそこにはかなりデカい馬が現れた。しかもさっき夢で見た馬と同じ体毛は栗毛でたてがみは金色なんだが!?これはまさか農業神様からの例の馬か!?支払いしてないんだが!?また後で高額請求されるやつか!?あの白いモヤはただの演出だったのか!?けど、かなり嬉しいぞ!?
"あんたがあーしの主か?"
オレは疲れているのだろうか・・・。馬がオレの頭に直接話をしている気がするけど・・・。
"聞こえてんだろう?あんたがあーしの主?"
うん。聞き間違いじゃなく間違いなく頭に話し掛けてくるんだが!?
"えっと、はい。そうなのかな!?てか何で馬が喋ってるの!?"
"てか何で人間が喋ってるの!?"
クッ・・・・!この馬が!真似しやがって!馬鹿にしてるのか!?馬の分際で!
"はいはい!冗談はここまで!あーしはヒッポクレーネで生まれ、父はケンタウロス族のケイローン。母はニュンペーのヒッペーだよん♪"
"そうですか・・・。オレは地球の普通の場所で生まれた人間の芝田剣城です。ちなみに未来で生まれて過去にタイムスリップした感じです"
"あはっ♪"
いや、あはっ♪ってそれだけかよ!?他に言う事いっぱいあるんじゃないの!?てかめちゃくちゃ声は可愛いな!?おい!とうとう動物に恋してしまうのか!?そうなのか!?
"それで何で収納ボックスに居たの?"
"そうそう!聞いて聞いて!あーしは人間と同じ物食べるからよろしくね♪"
全然話が噛み合わない件。
「剣城様、おは・・・・・・・」
「あっ、金剛君おはよう!っておい!金剛君?もしもーし?」
「あっ、すいません剣城様・・・。この巨体の馬はどうされたのですか!?」
「金剛君・・・。ドントシンク!フィール!!」
「ドントシンク…ドントシン…ドントシ…」
"それでね?あーしの新しい主は貴方でしょ?農業神様に言われたの!神界にある希少な、とある実を食べてこんな風に念話が出来るの!ちなみにこれは貴方だけとしか話せないからね!?そこんとこ夜露死苦!"
いやこの馬なんなの!?どんな馬くれたんですか!?答えてもらいたい!神よ!!!!
"とりあえずあーしに乗っていいよ!走るの気持ちいいから♪"
"馬具とか無いの!?オレ乗れないし操作できないよ!?"
"あーしに任せておけばだいじょーぶ"
「金剛君!オレは少し走ってくる!」
「少しお待ちを。お供致し──」
「大丈夫大丈夫!そこら辺走るだけだから!」
オレは恐る恐るこのヒッペーの背中にしがみつくように乗るとギャルギャルしい話し方とキャピキャピな話し方が混ざったこの馬は言葉とは裏腹に優しくオレを乗せてくれた。とりあえず色々聞きたいから人が居ない方に向かってほしいと言うとゆっくり進んでくれた。
"乗せてくれてありがとう。てか、何でオレ普通に乗れてるの!?"
"そりゃあーしの背中だからさ!"
いや答えになってないっす。
"まずは私に名前ちょーだい?希望は可愛い名前がいいな"
いやオレはカッコイイ名前がいいんだけど!?黒王号とかにしたいんだけど!?黒じゃなく栗毛だけど。
"たしかにヒッペーとは呼びにくいな。ノアとかどうかな!?"
"オッケー♪今日からあーしはノアだよ♪"
いや軽いな!?もっと難癖付けてくると思ってたんだけど!?
"それでノア?色々教えて欲しいんだけど?"
それからノアから色々聞いた。まずオレが乗れてる理由はさっきノアが言った、本当にノアの背中だからだ。ノアは神馬に属しマナ?を扱えるらしくそのマナ?の力でオレを乗せているらしい。ノアは元は神人だったが色々ありこの姿にされたけど別に不便ではないらしい。むしろ早く走れるし力も強くなり気に入ってると。それに異国を感じられるし食べる事が好きらしく神界の農業神様からオファーを貰った時にオレのホログラムを見て美味しい物作れるからオッケーとなったと言った。なんとも軽いノリだな。
"それと、あーしだけじゃないけど神界に居る全ての神馬は背中に誰かを乗せてる時に落としてしまうのは物凄く恥ずかしい事だからね?"
なんか馬は馬のルールがあるのか!?
"一度主と決めた者をあーしから変える事は絶対しないからあんたが生きてる間はあーしに乗る事を許すよ!"
"ありがとうね?それと無理とは思うけど今オレがいる世界ではノアはかなり大きいし目立つからもしかしたらオレが仕えている人から欲しいと言われるかもしれないんだけど・・・"
"あーしはあんた以外乗せないよ!それにあーしこんな事もできるよん♪"
ボワンっ
"えっ!?小さくなった!?"
"そうだよん♪神馬ならこんなの標準装備だよん"
え!?車みたいに標準装備なの!?めっちゃすげーじゃん!!
"それと農業神様から聞いたんだけど、あんたあーしの旦那さん探してくれるんだろ?大きくて強い種を希望するよん♪"
いや何て事言うんだ!?そりゃブリーダーは男の夢だがそんな事いいのか!?これまた軽いノリだけどよ!?
"後、あーしからはもう一つ!念の為に馬具を付けた方がいいと農業神様が言うから付けといて"
"けど絶対落ちないって言わなかった?"
"落ちないってだけで早く走れば体勢が崩れると言ってたよ?この馬具も凄い権能があるから付けた方があんたもいいと思うよ?"
"分かった。なら付けさせてもらうね。それとよければあんたじゃなく名前で呼んでくれるかな?"
"オッケー♪"
"ウン♪そこそこ♪もっとキツく♪いや〜ん♪"
馬具を付けてただけだがオレは一体何を聞かされたのだろうか・・・。
"よーし!あーしの力見せちゃうよ♪ちゃんと手綱持っててね♪そぉ───れッ!!"
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