村人にバカにされる褌一丁男
トイレ、じゃなく厠で悪戦苦闘し何とかロープの端のギリギリのところでケツに悲鳴を感じながら拭き?擦り?後は砂で誤魔化したオレだったがここで決意する。
くそが!快適な現代ライフとまではいかんけども!せめてトイレ・・・じゃなく厠はボットン便所、通販で買ったトイレットペーパー!飯も現代飯に近いのを作って食ってやる!そして、八兵衛村長に恩返しだ!後にも先にもお金が必要だな。何か村長にいらない皿くらい貰えれば・・・。
そう思いつつ家に戻る途中、違う村人のヒソヒソ声が聞こえた。
「褌一丁ったぁー情けなや」
「追い剥ぎにでも遭ったがか?」
「夏至でもねぇ〜のに褌一丁ったぁ馬鹿か?」
みんな思い思いの事小声で言うてるつもりだろうが、いかんせんここは永禄。町の喧騒も無い所だからかヒソヒソ声が普通に聞こえる。しかも現代と違い遠慮なくバカにした様な事も平気で言われる。
「お前らぜってぇ───ネットスーパー使わしてやんねーぞ!!!覚えてろよ!!このカッペ野郎共が」
と心の中でオレは言う。褌のままで。
家に戻ったオレは八兵衛村長に声を掛けられる。
「おーっ!場所は分かったか!?って、なんだその渋い顔は!?」
「渋いも何も他の家の人達の小声が聞こえてしまって心が折れそうになってました」
「まぁ何言われたかは分からんがみんな根はいい奴らだからそう怒らないでくれ」
その話の流れで褌のお礼も言いつつ、服の事を聞く。
「まぁそうは言ってもだな、ワシも一着しか無いからな。それに、剣城は背が高いからワシの着物を着ても丈が合わんぞ?」
現代では普通身長174センチだったオレだったが、この時代の村の人達は小さかった気がする。
「だいたい着物一着いくらくらいお金…銭はかかりますか?」
「かなり高いぞ?」
う〜ん。少し考えたオレは、ここでネットスーパーの事を思い出す!てか、忘れてた!兎にも角にもお金を用立しないと始まらない。
もうこの際ネットスーパーで無双するか!?チートしてしまうか!?んっ!?と自問自答し、それでは目立ってしまうため躊躇う。とりあえず服の確保、飯の確保を今日中にしてしまおう!と思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます