みんなの役職
次の日。帰る前に布団やお菓子やお米をお土産に渡し、傷は完璧治ったみたいで物凄く感謝され、慶次さんが『送る』と言ったので、お菓子の食べ方を教えてあげるように言って別れた。
「この恩は必ず!是非某も芝田殿の末席に・・・」
「そんな意気込まなくていいですよ!まずは身体を馴らして体力を戻してから、また来て下さい!この家に誰かは居ると思いますので!」
城に帰る前に、昨日どこぞの馬鹿がコーラ一気飲みとかしたせいで、腹が痛いじゃどうじゃ言うから任務の振り分けが出来なかった為、例の家の円卓の元で会議をする事になった。
「殿!ここで軍議をするのは心が躍りますね!」
「誰のせいで今日軍議する様になったのか、分かっているのか?」
「あぁ、剛力の野郎が昨日最後まで食べて、時間が遅くなったからでしょう?」
「なっ、何言ってるんすか!?あれは残すと勿体ないっすから・・・」
「・・・・大膳!やはり君は大膳だよ。もう良いよ」
決定!君はネタ枠だ!他の人は名前変えたいといえばオーケーしてあげるけど、君だけはこれから死ぬまで大膳だ!
「剣城様、ここの窪みに合う刀が無く・・・」
「鞠ちゃん、良い眼をしてるな?まずは君達に俺から刀を渡そうと思う。お菊さん?あれを!」
一度言ってみたかった言葉。「あれを」を言えて満足気にドヤ顔をかました訳だが・・・・確かに武器庫は見たよ?見た。けどそんなにちゃんと見た訳ではなかったけどさ?何で刀の柄の部分がピンク色なんだよ!?これじゃ男の子が可哀想だろ!?
「殿!!これを我々に頂けるので!?(ボカッ)痛ッ!!」
「大膳!まだ下賜されてません!弁えなさい!」
俺もお菊さんに罵られたい・・・・・。
「普段使い慣れた武器もあると思うし、武器庫に色々あるから自分に合う武器を使うと良いよ。これは一応芝田家の証みたいな物だから、飾りでもいいから貰ってくれるかな?」
「剣城様?この持つ部分は何故この様な色に!?」
「金剛君・・・・全てを言わぬと分からないか?」
「はっ。失礼しました!感じます!」
「違う!これは仕様だ!皆も忘れないように!この柄の色は仕様だ!」
「「「おーーっ!!」」」
それから俺は予め決めておいた、琴ちゃん、奏ちゃん、鈴ちゃん、鞠ちゃん、凛ちゃんは衛生兵。剛力君は体が大きく筋肉もありそうだから、陣地構築を頑張ってもらおう。工兵だな。隼人君は足も早く身体も小さいから狙撃を任そうか。金剛君はやっぱリーダーシップがあるから、全体的に動ける様に学んでもらおう。大膳・・・大膳!お前は補給係だ!輸送と補給二つを任せてやろうか!せいぜい頑張るが良いさ!!
「と言う振り分けをオレは考えたのだがどうだろうか?特に女性達には悪いが、やはり男性には無い生まれ持った手先の器用な部分や、怪我で苦しんだり風邪で苦しんだりした時、女性に治してもらいたいってのが心情なんだが・・・」
「正直、私は敵をグシャッと倒したりしたかったのですが、私達も戦わない訳ではないのですよね?」
奏ちゃんはそんな幼い顔してバトルジャンキーか!?武器を持った時の顔が嬉々としてるぞ!?
「全員という訳ではないけど、戦に呼ばれれば君達は着いて来て欲しい。それにこれから教えて訓練する事は、他の家の人達には裏方仕事や卑怯な仕事もあると思うけど、間違いなく戦の雌雄を決める一手を担う事になると思う。特に隼人君なんかは他家の人から憎まれるかもしれない」
「何をするか分かりませんが、俺は殿の為ならどんな厳しい訓練でもこなし、どんな死地にでも着いて行きます!」
「そう言ってくれると助かるよ。けど死なせたりは絶対しないから。それに君達はオレの直属でオレが教えた事が理解でき、行動できだしたらまた下に人を雇って組織を大きくしたいんだ。この意味、分かる?」
「大膳ッ!!!お前はッ!!!!」
「(ボガッ!)痛ッ!はっ!菊様すいません!!少しウトウトしておりました!!」
大膳・・・。お前は人一倍キツイメニューにしてやる!覚えておけよ!
「その、組織が世界一の忍者軍団と言うやつでしょうか?」
「分かってきたな?金剛君。その通りだ!とにかく、オレが手を加えている村にも甲賀の人達、来ているんだろう?まずは挨拶と人員の振り分けをしようと思う。この後オレは城に戻り信長様の息子さんや沢彦さんに、しばらく城に戻れないかもしれないと伝えてくる」
「「「はっ」」」
大膳は一人だけ勝ち誇ったかの様な顔で、『俺は重鎮だから二つも役職貰えた♪』とムカつく踊りを踊っていたので、こいつだけは初日から重い荷物を運ばせ訓練してやる!とオレは決意した。
城に戻って奇妙君や沢彦さんに挨拶をして、村でしばらく寝泊まりするかもしれないと伝えると、奇妙君から『某の為に剣城殿をここに留めておくのは織田家の損失。十二分に励んで下さい』と激励を貰った。いやこの子は何なんだ!?まだ赤ちゃんに近い子供なのに、言葉の強さが違うんだけど!?その後イージスで家に戻り、女の子達は医療の実?と言う物を食べて貰わないといけないのと、いつあの放浪人慶次さんが帰ってくるか分からないので、待機してくれとお願いした。
「苦いか甘いかは分からないからどうとも言えないけど決して吐き出さずに飲み込んでくれる?本当に無理言ってごめんね」
「いえ、剣城様の為なら何でも食べますっ!」
「時間が勿体ないから村にオレ達は行ってくるから、女の子達は今日は休んでて!好きな物食べていいから!」
そう言い男5人女1人で村に向かった。
「剣城様がくれたこの実、何なんだろうね?」
「さあ?けど殿が出したぴざとやらはかなり美味しかったから、これも美味しいかもよ!?」
「でも私は人を殺(あや)める事はあるのに、生かす方の任務に就くなんてね」
「私も同じだよ・・・」
「キャハッ!食べちゃった!・・・苦っ!不味っ!辛ッ!!」
「あぁー、奏は何で先に味言うの!?私達まだなのに・・・。もう!私も食べるわ!!」
清忠殿を送るだけが、すっかり帰るの遅くなっちまったな。朝飯終わった──
「「「苦っ!辛っ!!臭っ!!」」」
何の飯作ったんだ!?いや・・・今日はどこぞの飯屋で食うか。剣城、すまん!明日から必ず働く!!
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