妄想力は他人より人一倍強いです。当社比

 対価となる物が何か気になり俺はすぐさま風呂敷を開ける。すると皆、口を揃えたかの様に服、服、服。よっしゃ!!!めちゃ嬉しいんだけど!!


 最近は城の下女さんに4日間程着た服を洗ってもらう時、臭そうな顔されたから2日に1度洗ってもらう様にしてるけど、地味にこれは嬉しいぞ!!


 丹羽さんがくれた服は可もなく不可もない様な色合いで、柴田さんがくれた服は作業で使っても丈夫そうな服で、木下さんがくれた服が・・・袴だった。そして、皆の風呂敷に手紙が入っていた。


 「遠藤ぉぉぉぉさぁぁぁぁん!!!!!」


 「何事でしょうか!?」


 「度々申し訳ないです。最後これも読んでいただけませんか?」


 「え?あ、はい。え〜と・・・ははは!いやこれは失礼」


 「勝手に笑うってどういう事書かれてるんすか!?」


 「いや、誠に失礼しました。要点を言いますと、木下殿以外は織田家でそろそろ重要な任務に就いてる者が、いつも同じ服は恥ずかしいだろ?よって、この服を贈ると。柴田殿は追記で、この時期に褌になれば咳病に掛かるから気を付けられよ、と心配もなさっておりまする」


 いやいやいや!たまたまあんた達に会った時が同じ服だっただけだよ!!確かに服は少ないけどよ!それに誰が好んで褌になるんだよ!!


 「木下殿は謹賀の折に着るべし。と書かれております」


 「正月の時って袴着るんですか?」


 「袴とは言いませんが正装で来られる方が多いので、この袴ならまず恥ずかしくなく立派に見えると思いまする。ぷっ」


 なんか遠藤さんが笑いを堪えてるのが気になるが、そんなにさっきのが面白かったのか?


 「分かりました!ありがとうございます!度々呼んですいませんでした。これを休憩の時にでも飲んで下さい。コーラです。それとこの方達の献上品は直接持って行った方がいいですか?」


 「そうですね。某もそこまで暇が無いので・・・」


 「剣城様!!」


 「おっ!またビックリした!お菊さんか。出てきたって事はお菊さんが持って行ってくれる?」


 「はっ。度々遠藤殿を呼ばれて尚且つ荷物まで持って行ってもらうのは些か迷惑かと・・。私が手紙も読めればいいのですが・・・」


 「そうですね。遠藤さん、信長様の小姓ですもんね。何回も呼んですいません、ありがとうございました」


 「いえ、また何かあればお呼び下さい。こーらありがとうございまする。では御免」


 「じゃあお菊さん、この酒とウナギのタレは柴田様と丹羽様にお願いします。こっちのコーラとウナギのタレは木下様にお願いします」


 「かしこまりました。御免」


 いつ見てもどうやって消えてるか分からんぞ!?やっぱお菊さんは、くのいちだな。いずれ未来装備バリバリに改造してやろうか!!甲賀忍者団の完成だな!!


 てか、鉄砲できてもすんなり撃てるのか?俺は例のピストルがあるから良いが・・・。誰か教えてくれる人とか先生的な教官とか必要なんじゃないか!?


 この時代に鉄砲の名手が居る筈だが・・・。あれ誰だったかな・・・。なんか、信長さん狙撃した人とか居たような・・。あの人を勧誘できれば狙撃も阻止できるし・・・。思い出せん。

 

 それに銃作る前に灰吹法の導入もしないとな。いや待てよ?あの足で風送るやつは国友さんが開発したから、国友さんは既に分かってるのか!?あー!もう!早く戻ってこいよ!!!青銅の大砲で城門ブッパとか男の浪漫だろ!!


 いやおい!もし、どこかの戦で俺が敵を殲滅したとしてだな・・・。俺が城持ちにでもなれば・・・。ふふふ・・はははは!俺の時代が来る!はっはっはっはっはっ!!!!!


 この日、俺は一晩中妄想に耽ってまた寝不足で次の日を迎えた。

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