火縄銃神様ver完成したが・・・なんでピンク!?

 次の日の早朝にオレは村に向かった。あの試作1号火縄銃を確認するためだ。


 いつものようにお菊さんに挨拶して、二人まあまあのスピードで走ったのに、楽しい事が待っていたせいか全然息切れもせずに、村に到着した。


 「八兵衛村長!おはようございます!」


 「今日はまた早いな。銃の確認か?」


 「そうです!確認しましょう!」


 そう言って、国友さんの作業場に置いてる鋳型を確認しに向かった。


 「さすがにもう冷めてますよね!?」


 「大丈夫だと思うがこれどうやって開けるのだ?」


 「この横のから開けれると・・・あっ、開いた」


 「こっ、これは・・・」


 八兵衛村長とオレは出来上がった銃本体を・・・まだ銃床は装着してないが本体を見て絶句した。


 「何でピンク色なんだよ!!!!おかしいだろ!?普通火縄銃は黒色じゃねーのかよ!?」


 「剣城!?これは何故こんな色になったのだ!?」


 「いや自分もさすがに分からないです。まあ色の事は置いといて銃床に装着してみましょう!」


 その後銃床を装着するのだが、ここでもオレのセンスが無かったせいか、嵌め込むだけの優しい構造の筈なのに、30分くらい時間が掛かった。


 「そのなんだ、剣城?剣城はこういう作業には向いてないんだと思う。ワシが言うてやらねば誰も言う奴が居ないから言ったが、悪気は無いから許せ」


 いやマジで辛いんすけど!?


 「そうですね。自分にはセンスが無いんだと思います。これからは国友さん達に任せます」


 「せんすがどういう意味か分からんが、多分向いてないって事だろう?まあそう落ち込むな!それでこの銃を試し撃ちでもするのか?」


 「いや、撃ちたいのですが撃ち方までは分からないので、一度持って帰っても良いですか?」


 「良いも何も元々剣城の物だろう?」


 「まあそうですが・・・。八兵衛村長、ありがとうございました。とりあえず、出来上がった火薬とその他の物を信長様に見せてみます」


 「あぁ、分かった」


 そう言って、もしかしたら年内には村に来られないかもしれないから、村の人達にお餅を先に渡した。


 《おもち100個入り》¥10000


 効能・・・・職人が杵と臼でついた餅。喉越しが良く詰まらない。


 毎度の事ながら職人は凄いな。しかも杵と臼でついた餅とか・・・。


 「年内来れないかもしれないので先にお渡ししておきます。また来年もよろしくお願い致します」


 「こんなに良いのか!?剣城の方も良い年迎えろよ!」


 そう言い昼前には城に帰ったが一つ疑問に思った。まさか八兵衛村長1人で全部食う訳じゃないよな!?さすがに他の人にも分けるよな!?まあもし分けなかったら・・・もう酒渡さなくてもいいな。



 「遠藤さん!?」


 「はっ!どうされましたか?」


 「ちょっと確認したい事がありますので信長様、手あいてませんか?」


 「お館様は新しくウナギを養殖すると裏手で作業を監督されてると思います」


 あぁ、確かに綺麗な水の池でも簡単に作って、その中でウナギを3日程寝かせばだいぶ臭みは消えると教えたけど・・・。何であの人はこうも行動が早いんだ!?


 「分かりました。そちらに向かってみます。ありがとうございます」



 城の裏側に着くと俺が前に出したツルハシで、一生懸命に皆が穴掘っていた。


 「おう。貴様か。どうだ!!?この養殖場は!!!五条川から直接城に水を引き込む事にしたぞ!!これでいつでもウナギが食えるな!」


 「はっ。大変素晴らしいかと思います。森様が醤油と砂糖の作り方が分かったそうなので、私の技を使わなくても今後ウナギが食べられると思います」


 「可成め!やりおったか!!これで貴様の未来に近付いたんじゃないか!?ん!?」


 いやなんで、そんな挑戦的な目で見てくるんだよ!!


 「それと実は試作ですが火縄銃を作ってみました。まだ撃ってませんが確認をお願い致します」


 「貴様っ!!!これをどこで作った!?言え!!どこでどうやって作った!!?誰ぞある!!至急、可成と一益を連れてこい!!」


 オレは襟元を掴まれグラングラン揺さぶられ気持ち悪くなった。いや普通に村で作っただけなんだけど、そんなに青筋立てなくてもよくないか!?













 「出来たっ!やっと出来たぞ!八兵衛〜!八兵衛〜!」


 「太助か。どうしたんだ?」


 「やっと出来やしたぜ!どうでござんしょう!?」


 「おっ!中々良いんじゃないか!?だがもう剣城は年内には来ないって言ってたからな。とりあえず祠だけ作って祀っておくか?」


 「そうしやしょう!」


 「よし!これでいいな!皆の者!ちょっと集まってくれ!この木像は太助が作ったんだが、このお方は剣城の師匠に当たる方らしい。我らは会った事ないがあの剣城が珍しく祀るように言ったのだ。さぞ高名な方なんだと思う。これから朝には拝む事にする。一同礼っ!!!!!」














(ピコン!)神格が上がりました。


 「何だ!?おいの神格がまた上がったのかなぁ!?お〜い!鍛治神!商業神!今おいの神格が上がった!我が父の声が聞こえたんだなぁ!?」


 「ああ。良かったな?農業神よ。またワシらに一歩近付いたな。今度はどんな権能が使えるようになったのだ?」


 「上がったんだなぁ♪上がったんだなぁ♪」


 「こりゃ駄目だ。全然聞いてない。のう商業神よ?こんな短期間にどうなっておるのだ?」


 「ワシに聞かれても困る。だが最近やたら農業神の眷属達がGarden of Edenで新作を作ると籠もっておるらしい」


 「ほ〜う。退屈な神界だが楽しい事が増えそうだな?のう鍛治神よ?」


 「我が父は暫く帰らぬと言っておったな?」


 「とりあえず今日のところは祝ってやるか。確か農業神は芸術神がタイプとか言ってたよのう?」


 「左様。では芸術神に声を掛けて彼奴にも農業神を祝うように言うてやるか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る