宴の始まり
それからオレは鮭の刺し身とホイル焼きを簡単に作り、さっき追加で買った酒、サキイカ、ポテチ、ビールを4本出し皆で囲む。
調理で足りなかった物も新たに購入した。
《醤油》¥400
《バター》¥300
《アルミホイル》¥100
《玉ねぎ》¥300
調理の途中、茂左衛門さんと勝兵衛さんら2人は驚愕していたがこの事を柴田様から口止めされてる事ですと伝えると納得していた。
柴田は恐る恐る、刺し身を醤油に付けて一口食べる。
「なんだっ!!この魚は!ワシもそこそこ魚は食うてきたがこんな魚は食べた事がないっ!それにこの黒い汁が絶妙で美味いっ!!これを食べたらおぬしが出したびーる?とやらが更に美味さを引き出させる!」
「殿!!まことに美味でございます!この茂左衛門、柴田家の台所を預かってまいりましたが、剣城殿の調理の仕方は斬新で某はまだまだだと思いました!特にこの、銀の紙に包まれておる料理が最高でございます」
「殿も茂左衛門もこの酒や魚に驚いておるがこのぽてちという方が美味くはござらんかっ!?それにこのびーるとやらが口の中で暴れておる!しかし手が止まらん!!これは織田の殿様も味わっておらんのではないですか!?」
3人とも幸せな顔してるな!オレが求めてたのはこれだよ!これ!この笑顔をみんなに広めたら戦なんか無くなるんだよな!まずは身近な人からだな!
でもこのネットスーパーも今はお金があるからいいが、いつかは無くなるし・・・。明日から鍛錬して昼からは金策でもしようか。
柴田さんに甲冑や刀くださいとも言いにくいし。それに八兵衛村長達にもちゃんと挨拶しないと駄目だしな。まっ、今日はこのまま飲んで食べて満喫しよう!
夕方から野郎4人で飲み食いし、気付けば1ケースのビールは無くなり、日本酒も無くなり、言わずもがな食べ物も全部無くなり、柴田さんはいきなり泣き出し、如何に信長様が凄い人物かをかれこれ1時間くらい語ってたら急に寝だす始末。
勝兵衛さんもビール缶片手に『お主はびーるという名前らしいな』とか『お主は綺麗な色をしておるの。それにしても美味いの〜』と現代なら間違いなく変人扱いで見られる様に酔っていた。
それに比べ茂左衛門さんはさすが台所を預かっていただけあって、料理の事を色々聞かれてオレは辟易としていた。『この黒い汁はどう作るのか?』『あのびーるとやらは、どう作るのか?』『この魚の産地はどこなのか?』と事細かく聞かれた。
「この際2人が酔って寝ているので自分の事簡単に自己紹介しますね。ざっくり未来から来ました。こうやって自分にしか見えない空間から物を取り出したりもできます。
そして未来の物なども購入できたりします。なので今日お出しした物はほぼほぼ未来の物なので簡単には作れないかもしれません。
これらの技を信長様から無闇に使うなと言われてますが日々の食事を楽しみたい性格なので欲しい物などあれば声を掛けてくれれば茂左衛門さんに渡しますのでよろしくお願いします」
「なんとっ!?未来から来たと申すのか!?そんな事が・・・いややはり・・・ワシもこのびーるとやらや、ぽてちやらは見た事もない。それにこれらが入ってる器ですら見た事もない。たしかにこれは未来の物なんだろう」
「はい。これらの入れ物は未来で作られた物です。使い方によっては再利用できますが今はゴミにしかならないので私が預かっておきますね。とりあえず当面の間これらを使って料理作りお願いします!色々試行錯誤して下さい」
そこでオレは、
《砂糖5キロ》¥2000
《味醂》¥700
《塩5キロ》¥600
《米30キロ》¥8000
《カップラーメン10個》¥1000
これらを再び購入して茂左衛門さんに渡した。
「とりあえず料理の味付けに使えそうな物を簡単に購入しました。最後に渡したのは蓋を開けてお湯を入れて少し時間を置いたらすぐに食べられる緊急のご飯ということで、たちまちの時にでも出して下さい!」
「何がなにやら分からぬがこんなにも構わんのか?貰える物、使える物は遠慮なく頂くが織田の殿様にばれたら切腹を申し付けられないのか?」
「正直そこは分かりませんが近々信長様に会って私から説明しておきます。私はみんなを笑顔にしたいだけです」
「そうか。あい分かった。くれぐれも殿に咎が無いよう頼むぞ」
「なんとかします。鍛錬の他にもやりたい事が私もありますので色んなこと聞くかもしれませんがこれからもよろしくお願いしますね」
オレがそう言うと茂左衛門さんは笑顔になり『任されたし』と言った。
オレはまたその笑顔を見て寒気がした気がした。男性の笑顔に弱い・・・。
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