未来への投資 剣城散財してしまう

 「おっ!?剣城か!?久しぶりだな!お帰り!」


 「剣城!?」「剣城!?馬に乗るようになったのか!?」 「一端の将みたいじゃないか!?」


 いやいやオレは一応もう将だと思うけど!?


 「ただいまです!報告します!美濃を取りました!これから忙しくなります!とりあえず八兵衛村長!主要な人達を集めて下さい!」


 オレは八兵衛村長や伝兵衛さん達10人を集め、美濃に出向いてもらい、その地の人達に農業を教えてもらう事を言った。太助さんは蟹江で例の鳥を育ててもらってるから・・・。


 「てかお菊さん?オレまだ蟹江の鳥食べてないよね!?」


 「はい。この村の太助様が出向いたままでございます」


 「大膳に言って一羽持ってきてもらうように言ってくれる?」


 「畏まりました」


 クソ大膳めが!馬に乗れるようになったから、ただのパシリなのに嬉々としてやがる!


 「最初は例の肥料を使ってもらって構いません!それ以降は自力でお願いします!」


 《農業神監修 神様印の農業の全て×10》¥100000


効能・・・・Garden of Eden副社長が監修した地球全ての食物の栽培方法が書かれた書物。習熟度大幅up。



 「この本を今日から読んで下さい!読めない字はここに居る金剛君に聞いて下さい!」


 この本は前から見つけていたやつだ。正条植え、水耕栽培、ハウス栽培も書かれているし絵まで書かれているから大丈夫だろう。農業神様が監修してるし間違いない!ハウスはビニールが要るな。他の種や苗も一気に渡しておこう。


 《農業用組み立て式ビニールハウス×10》¥1000000


効能・・・・(株)アースガルズ物産が販売する組み立て式農業用ビニールハウス。雨にも風にも太陽にも負けないビニールハウス。有識者によると−1000度の低温〜4000度の高温にも耐える設計とも言われている。


 《農業神監修 農機具セット×50》¥500000


効能・・・・平鍬、唐鍬、備中鍬、スコップ、ツルハシのセット。疲れない。もしもの時は武器にもなる。



 《いんげん》《えのき》《アスパラ》《柿》《かぼちゃ》《キュウイ》《ジャガイモ》《サツマイモ》《ニンニク》《玉ねぎ》《人参》《セロリ》《ゴボウ》《小松菜》《里芋》《ナス》《小麦》《シャインマスカット》《マンゴー》《バナナ》《パイナップル》《粟》《稗》《ナンバンキビ》《コウライキビ》


 オレは思いつく、ありとあらゆる種や苗を購入した。一度買った物もあるだろうがどんどん持ち出し、育てる人を増やさないといけないからな。まあ、一つ言える事は、そんな高性能のビニールハウスは要らないけどな!?けど種や苗だけで58万とはまあまあ使ったな。けどいつかこれもオレに返ってくる筈だ。皆笑って暮らせる世界には必要経費だな。


 「おいおいおい!?こんな大量の苗や種どうするんだ!?」


 「八兵衛村長はある程度分かると思いますが、その本を読んで下さい!これらを持ち出して美濃に向かってもらいます。それからまた半分に分かれて蟹江の方へも向かってもらいます」


 「購入した中に粟、稗、黍(きび)類がありますが、それは今後始める畜産の餌にする予定なので、すぐに必要な物ではありませんが育てて下さい!」


 「「「「・・・・・・・・」」」」


 「あれ!?八兵衛村長!?勘助さん!?もしもーし!?」


 






 〜神界モニタールーム〜


 「農業神様!!大量注文が入りました!!」


 「「「「「ありがとーございまーすっ!!!」」」」


 「いい掛け声なんだなぁ」


 「チッ。ここでありがとうございますと言っても客には聞こえないだろ」


 「何か言ったんだなぁ?」


 「いっいえ!何でもございません!」


 「誰がこんなに買ってくれたんだなぁ?」


 「農業神様がご執心の人間です」


 「おいが監修した物を購入してくれてるんだなぁ。道具や種だけでは意味が無いんだなぁ。ちょっと外出してくるんだなぁ」


 はぁ〜・・・・。どうせまた降臨してくるんだろう・・・。


 「いってらっしゃいませッ!!」






〜時間止まる〜


 「やぁ、我が兄弟!」


 「やっぱ農業神様でしたか。なんとなくそう思いました」


 「悪かったんだなぁ。今、我が兄弟はこの世界線に、色々な物を育てようとしてるんだなぁ。この世界線にある物だけでも育てられるけど、これを使うと楽なんだなぁ」


 「何ですか?その錠剤は?」


 「モニターで見てたら、我が兄弟はあまり素性を知られたくないみたいなんだなぁ。だから分かりにくいようにと、以前買った肥料じゃなくこれを進めるんだなぁ」


 農業神様が説明する、一見では風邪薬みたいな錠剤。聞けば30メートル間隔くらいに一錠撒いて24時間後に種植えなどを行うと植えた作物に適切な土に変わる薬だそうだ。少し成長速度が上がり作物の病気が無くなり天候、季節にも左右されにくい薬だそうだ。


 「注意なのは'必ずしも'作物が病気にならない、天候に左右されない訳ではないんだなぁ。普通よりは断然早いが、あの肥料みたいな成長速度ではないから注意なんだなぁ」


 「ありがとうございます!購入します!本当にその都度その都度、必要な物を紹介してもらい助かります!」


 「これが、お客様が欲しい物を届ける神販会社 Garden of Edenなんだなぁ。値段は一袋20粒入り1000円なんだなぁ」


 「やっす!!これまた安いですね!?」


 「これは神界や他の世界では古い薬なんだなぁ。これを元にアップデートしたのが、あの肥料なんだなぁ」


 要は型遅れってやつですか!?けどこれも凄くいいな!


 「とりあえず100袋くらい買います!お金は引いておいて下さい!」


 「了解なんだなぁ。それと我が兄弟が知りたがっている、我が兄弟が鼻の下を伸ばした女性の明細も、ボックスに入れているんだなぁ。さよならなんだなぁ」


 いや鼻の下伸ばして・・・ない事はないな。うん。


 「あっ、わざわざすいません!ありがとうございます!」


 お市さんの明細か!?後で見てみよう。てか、例の芸術神の結果聞くの忘れたんだけど・・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る