神眼に近い双眼鏡!?
その日は村みんなで拡張作業をし、昼ご飯は収穫した例の米で味噌汁ご飯を作り作業が終わった。オレは木すらまともに切れなかったので草むしりばかりさせられた。
「剣城は知識は凄いが体を使う作業は全然出来ないんだな」
村長さん?そこまではっきり言わんでも良いんじゃなくて!?!?
「すいません。皆の力になりたいし私が指示してるのに面目ない」
「まぁ良いさ。収穫した米を食い出してから何か力が強くなった気がしてるんだ」
えっ!?もう効能が現れてるんですか!?
「あの米のお陰かと思います。あの米は多分ここでしか生産しないと思いますので、部外者には渡さないようにして下さいね?」
「未来の米は凄いんだな。石墨何某と言ったか?もし会えるなら礼を言いたいんだがどこに居るんだ?」
えっ!?どこに居るって・・・そりゃまだ生まれてないですが!?
「石墨氏は近くには居なくてあの米で満足せず更に高みを目指して精進すると言ってました。なので会う事は叶わないと思います」
もう説明がめんどいからこれでいいや。
「そうか。もし会えるなら礼と酒でもと思ったんだがな。もし剣城が会ったら礼を伝えてくれ」
「分かりました。それとそろそろ大事な任務があるので2~3日程、村に来られないかもしれませんが作業を任せても良いですか?まだ蔵に収まりきらないくらい収穫した物もありますので大丈夫かと思いますが、ある程度なら村の人で食べて下さい。腐らせて捨てるのは勿体ないので」
「分かった。なんとも褌から成長したな。村の事は元々ワシが管理しておった。任されたし」
そう言い村を後にし城に戻った。
「久々にワシも農民に混ざって作業したが中々に疲れるのう」
「体を動かすのは良い事です!頑張りましょう!」
「その腹のお主に言われとうないわ!」
まぁ確かにオレには言われたくないなと自分で納得した。城に着くと少し不機嫌な信長さんが待っていた。
パタンっパタンっパタンっ。
いきなり扇子でリズム取ってるぞ!?めっちゃ機嫌悪いのか!?ここはコーラの出番か!?
「進捗を申せ」
「はい。農作物の収穫はこれ以上しても城の蔵に収まりきらないくらいなので、村の人に食べてもらうようにして村の拡張を皆でしてました」
「村の事は貴様らに任せておる。良きに計らえ」
パタンっパタンっパタンっ。
えっ!?他の事でイライラしてるんですか!?木下さんに関しては気配すら消して静かにしてるんですが!?
「貴様はワシの言った事忘れてるんじゃないのか?今朝ワシは何と申したか?」
「・・・・カレー衆でしょうか?」
「ほう。分かっておるではないか。して、ワシは人選を任せると申したが貴様は何もせずに村に向かったな?ワシが言うた事の方を済ますのが先じゃないのか?」
おい!信長さんや!?カレーをそんなに研究してほしいんか!?そんな事でまた紫色のオーラ出してるんか!?ここで木下さんが助け舟を出してくれた。
「お館様、申し訳ありません!実は今朝ワシも久々に村の奴らと作業ができると思い、いつもより早く剣城を迎えに来てしまってワシのせいです。どうか、お許しを」
「ふんっ。そこまで言うならもう良い。ワシも今日は政務が少なかったからの。かれー衆とワシで未来のかれーより美味いのを考案しようとしただけじゃ。剣城っ!!!!ワシはかれーを所望する!作って参れ!それとサルっ!お主も食ってから帰れ!」
「はっ!過分な配慮、ありがとうございまする」
はぁ〜・・・・・・。カレーなんか食わせるんじゃなかった・・・・。毎日毎日、何でカレーばっかなんだよ!!!オレは肉が食いたいんだよ!!!こうなったら意趣返しだ!辛いカレー食わせてやろう!!!!
そこからすぐ台所に行き、
《カレー用牛肉カット済10パック》¥8000
《七味唐辛子》¥300
効能・・・・日々のストレスを少し軽減する。
もはや七味にすら効能が付与されてるんだが?こんなファンタジーみたいな要素があるならオレもイケメンで転生する筈じゃないのか!?!?
そこから伊右衛門さんにお願いして伊右衛門さんとお弟子さん2人がカレー衆になった。
「信長様は非常にカレーを好んでます。野菜が入ったカレーもありますが、この赤い果物リンゴを摺り下ろしたりこっちの赤色のトマトを入れたりしたら、味が変わって美味しくなったりします。正解は無く好みなので後は頑張って下さい」
「どうせなら剣城もカレー衆筆頭になってほしいのだがな。ワシもかれーなる物は、毎日食ってるが飽きが来ないぞ。凄まじい料理だ。分かった。我々で切磋琢磨してみよう」
それからオレは辛過ぎで怒られたら駄目なので、リンゴの摺り下ろしと追加ではちみつを購入した。
《はちみつ30kg》¥20000
効能・・・・人間種は少量摂取で消化吸収を補助する。
「伊右衛門さん。これはハチミツと言いまして、まぁ、甘い液です。これも体に良いので煮込み料理やカレーに混ぜたりしたらコクが出て美味しくなります。ただ食べ過ぎは良くないので、一応大容量で購入しましたが考えて使って下さい」
「おう。ハチミツか!高級品だな!久しぶりに見たぞ。本当にお主は変わった技を使うの。最初はあの体が上しか無かった爺さんにたまげたが今じゃ慣れたな。それにいきなり物が現れるんだからな」
えっ!?この時代もうハチミツあったのか!?
「まぁ無制限って訳じゃないですけど私の技です。他にも思いついたら調味料お渡ししますので日々の食事お願いしますね」
そう言い肉を少し焼いて酒を入れて臭みを消し、40分程煮込んで唐辛子を1瓶入れて信長さんの所に戻る。
木下さんは助け舟出してくれたけど信長さんだけ辛いカレーなら怒るかもしれないので今日は3人共辛いカレーにした。
「お待たせしました。今日はちょっと変わったカレーにしました。少し辛いかもしれませんが辛くて食べれなかったら横に置いてあるハチミツかリンゴの摺り下ろしを入れて下さい。リンゴは村で取れたやつです」
「うむ。よく清洲にこんなにハチミツがあったのう。それに、見た目は変わっておらぬが・・・・(ハスッハスッハスッハスッハスッハスッ)」
おうおう!信長さん、初めて食べた時みたいにがっついてるよ!
「やはりカレーは美味いのう!ワシには少し辛いがこの辛さが何とも心地よい」
木下さんも辛くないの!?まあまあ七味入れたんだけど・・・今度はジョロキアパウダー入れてやろうか!?
「信長様は昨日までのカレーと今日のカレーはどちらが好みですか?」
「断然今日のカレーが1番の美味じゃ!もう一杯よそってこい!次は牛の肉をもっと入れて参れ!」
肉かよ!!全然禁忌じゃねーじゃん!それにこの時代の人は辛いのもありなのか!?
「それとサル!剣城!次はもう3つ程よそってこい!お濃と市が待っておる!それとぶどうとやらも持って参れ」
はいはい。甘々信長様ですね。
3杯よそって戻ってきたら木下さんは食べ終わって違う部屋に行ったみたいだった。
「カエルよ!大儀である!」
いつものお市さんの言葉を聞き、またいつもの様に思う。
素足で踏んづけられたい・・・。
「今日のかれーはちと辛うございますね?」
「濃姫様、すいません。今このカレーを新たなる美味に昇華しようと頑張って色々試しております。未来でも色々な味があり正解が無いのがこのカレーでございます。
辛かったら横のハチミツと、ここ尾張で取れたリンゴを入れて下さい。甘味が出ます」
「ほんに、カエ・・・剣城殿は食べ物には詳しいですね。では入れてみようか」
「これは・・・・殿!!このハチミツを舐めて下さい!!甘いです!!」
「ん?どれ・・・貴様っ!!!何故もっと早うこのハチミツ出さなかったんだ!?ワシが親父に昔貰ったハチミツより甘いぞ!即刻このハチミツも量産して参れ!!!これ程甘いハチミツなんぞ無いぞ!!」
えっ!?ハチミツの味そんなに違うの!?それにそのまま舐める人あまり居ないだろ!?養蜂だけは無理!!分からん!!!
そこからオレはハチミツはさすがに分からず無理という事を伝え、幸いオレの技でもあまり高額ではないためハチミツはその都度渡す事にした。
「貴様は分からんと言ったが養蜂と申したか?後は未来の力なんぞ頼らずにワシらで何とかしよう。台所衆にこのハチミツを残しておくように申しておけ」
「分かりました。それと、偉そうに言う訳ではございませんが進言がございます。これから先もあの村を拠点に試したい事があります。それを私に一任してもらえないでしょうか?」
また信長さんの目つきが変わった。
「お濃、市、下がっておれ」
「その試したい事とはどういう事だ?」
それからオレはこの先食べ物は例の肥料で簡単に収穫できるのでもっと種類を増やし、腐らさないようにジャム、ドライフルーツなどを作れる施設を建築し、それらが完成したら戦の時のご飯も改善され、予め選ばれた人だけが作物を銭で売り買いしてそれを徐々に領土の村の人達に波及させていけば
商売が誕生し、税を納めさせ新たなる戦も仕掛けやすくなる事を伝えた。
「時折貴様は鋭い事を言うな。その構想の着目は未来からか?」
「はい。未来では物の価値はほぼ銭で決まっております。それから誰が何の商売をしようと自由です。ある程度の決まり事もありますが」
「であるか。その村でやりたい事をする銭をワシに寄越せということか?いや待て。銭だけでは足りぬ。貴様の事が斎藤の間者にばれたようじゃ。
一益と勝家が今日引っ捕えた奴が斎藤の間者だったそうだ。以前の義父の斎藤ならいざ知らず、今の斎藤に遅れなぞ取らぬが早目に決着をつけた方が良さそうじゃな」
「戦の事は何も知りませんし、それに戦力になるかは分かりませんが、少し役に立ちそうな物をお出ししましょうか?多少の銭はあるので大丈夫ですし部隊全員となれば全然足りないですが・・・」
《ソロキャンプ用リュック》
効能・・・・ソロキャンプ御用達大人気リュック。疲れにくい。
《ライター》
効能・・・・火とは燃やす為だけにあらず。少し湿気がある物でも着火しやすい。
《つるはし》
効能・・・・土掘り、穴掘りにこれ1本。筋肉痛になりにくい。
《双眼鏡》
効能・・・・神眼に近き双眼鏡。障害物さえ無ければ10キロ先の女まで見える。視力が少し上がる(使用中に限り)。
《電池式トランシーバー》
効能・・・・障害物が無ければ範囲30Kmまで使える。聴力が少し上がる(使用中に限り)。
《電池式ヘッドライト》
効能・・・・夜にも雨の日にも負けないヘッドライト。五感が研ぎ澄まされる(使用中に限り)。
いや買った買った!とりあえず未来の物、勢揃いだが買ったよ!お金も¥80000程使ってしまったよ!!特に双眼鏡よ!!!あの説明書いたの絶対ゴッドファーザーだろ!?何で10キロ先にあるのが女って決定してるんだよ!?!?
「こんなもんでどうでしょうか!?」
「これは何だ!?どう使うもんなのか見当がつかぬ!一つずつ説明せよ!」
軽く1時間程掛かったんじゃないか!?めっちゃ説明するのが疲れたんだが!?
特にトランシーバーに驚いてたな。信長さん喜びまくって城の外と中を何回も往復させられたよ。あまりに声が大きくて普通に聞こえてたんだけどな。
双眼鏡にも驚いてたな。『あんな遠くの山が目の前にあるみたいだぞ!!』って。未来の道具を初めて見たらあんな反応になるのかな?
ただヘッドライトは『使えそうではあるが夜襲をかける時に相手に場所を教えてしまうから普通には使えん』と言われた。確かに夜襲は気付かれたら終わりだからしょうがないっちゃしょうがないけど。
「よくぞここまで出してくれたもんよ!大儀である!斎藤との戦は年明けを考えておったがワシは今から戦略を練る!年内には稲葉山を取るぞ!貴様も初陣じゃ!
それと、松平の同盟は明日渡りをつける!早ければ明日の夜に同盟を成功させる。貴様は城でいつでも技を使えるように準備しておけ!後はこれじゃ!貰っておけ」
そう言われ掛け軸の後ろに置いていた刀をくれた。
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