数々の男を渡り歩いた伝説の春画
次の日も池田さんと堀さんに同じ様に起こされ褌一丁で鍛錬させられた。
「よしっ!今日の鍛錬はここまでじゃ!それと剣城よ!そろそろあのちょこれーとが無くなりそうだ!次も頼めるか?」
「お疲れ様です。はい、良いですよ。チョコレートだけでいいですか?」
「うむ。ではあの澄み酒も貰おうか。今回の対価は何が良いか?大小ばかり贈られても剣城も困るだろう?」
「別に困りはしませんがそうですね・・・。なんか要らない本とか1冊ありませんか?どんな本でも構いません」
「そんな物で構わんのか?では剣城が見そうな書物を渡そう」
「どうせなら堀さんも如何ですか?」
「では某も何か対価をば・・・。某がすぐに動かせる対価が祖先が使っておった鎌倉の時代の甲冑しか無いんだが構わんか?」
「えっ!?甲冑ですか!?」
「やはり無理と申すか・・・。ならば・・」
「いや!その甲冑が良いです!絶対良いです!凄い金額になると思います!」
「いやその・・・某の祖先が使っておった物でだいぶ古いし、所々傷んでおるのだが構わないのか?」
「むしろ逆に祖先さんの形見ですよね?良いんですか?」
堀さんが言うには形見ではあるが甲冑とか実家の蔵にいっぱいあるらしい。刀はさすがに無理だが鎌倉時代の甲冑は古臭くて今はもう使わないらしい。 オレからしたら鎌倉時代の甲冑も今の時代の甲冑もあんまり違いはないと思うが・・・。
「では堀さんは何が欲しいですか?」
「某はまだ未来の食べ物を食してないので分からぬ。剣城殿が見繕ってくれないか?」
見繕ってって・・・。池田さんはもう大容量の酒で良いとして、堀さんまだ若いし酒はダメだからそれに小姓だったよな?筆記用具とやっぱチョコレートと女にモテそうだから香水なんかでいいかな?
《大容量清酒2ℓ》
《筆記用具セット》
効能・・・・文字をすらすら書けて疲れにくい。
《チョコレート詰め合わせ×2》
効能・・・・イライラやストレスを軽減する。
《香水×2》
効能・・・・甘い匂いに誘われ異性・同性を問わず人に好かれやすくなる(つける人の好感度による)。
おいおいおい!香水めっちゃ良いな!オレも買おう!皆に未来の物渡して好感度マックスだろう!!これでオレもハーレムルートか!?
合計が¥30000程だった。
「はい、堀さん先にどうぞ!甲冑はまた実家に帰られてからでもいいです」
「おぉぉぉー!間近で剣城殿の技を見ましたがなんともいきなり物が出てくるのですね!それにこれは何と言う物なのか!?」
それからノートとボールペン、チョコ、香水の使い方を教えたら特にノートとボールペンに驚いていた。
「こんな白い紙があるとは!これで書類仕事が捗ります!礼を言います!ありがとうございました!近々持って参りますので!後ちょこれーとなるものは夕餉の後にでも食べてみます!では、御免」
そうだよ!あの笑顔だよ!男には興味ないが堀君にはちょっとオレでも惚れそうだよ!あれはかなりモテるだろうな。いつか堀君に合コンでも開いてもらおうか!!
「おーう!剣城、持ってきたぞ!ワシが餓鬼の頃に世話になったやつじゃ!おぬしに良い書物だぞ!ではこれは頂いていくぞ!その書物、銭になるか分からんが剣城が言うた事だからな?文句なしだぞ?」
「あぁー!忘れてたがもしその書物を剣城が"使う"なら夜1人で見るんだぞ?がっはっはっはっ」
上機嫌で池田さんは帰って行ったがこの本は何だ!?めっちゃ古そうだが。そこでパラパラっとめくって見てみたら、まぁそうあれだ。
所謂エロ本というやつじゃなかろうか?本というより春画というやつか!?
池田さんやりやがったな!?こんな本でどう自家発電しろと!?しかも池田さんが子供の時使ったって!?何だよ!この絵!!なんで五右衛門って名前みたいな女と男が交(まぐわ)ってるんだよ!!!糞!こんなの売りだよ!即売り!
《数々の男達に渡った春画》鑑定金額¥400000
たっか!春画の癖にめっちゃ買い取り高いんだが!?それに数々の男達を渡り歩いてきたのか!?!?
そんなに令和では価値があるのか!?それをオレは速攻で売った。うん。現代を知ってるオレは絵じゃ満足できんぞ!
それからまた木下さんと柴田さんと合流して村に行こうとしたら柴田さんはこれから滝川さんと合流して村の警備の事を決めるらしく今日は別行動すると言われたので木下さんと2人で村に向かった。
「今日も村で収穫するのか?そんなに献上してもさすがに腐らすだけじゃないのか?」
「えぇ。なので暫くは種や苗を渡さずに村を拡張します。それで他の村の人に何人か派遣して作物を増やして食い扶持を確保して、この清洲の城か稲葉山城にて商売を進言する予定です」
「剣城は、お館様が斎藤に勝てると既に知っておるのじゃな?」
「すいません、先の事は言うなと信長様に言われてたのに忘れてました」
「良い良い。ワシもあの斎藤にお館様が負けるとは思うておらん。剣城は商人を目指しておるのか?」
「そういう訳ではないですが、私は戦は素人で足を引っ張ってしまうので、織田家の経済を担当しようかなと思ってます」
「ふん。仕えて間もないお主が日に何回もお呼ばれして、お館様がお主を商人だけで終わらす筈なかろう。まぁ間違いなく斎藤の戦には呼ばれると思うぞ?」
マジか・・・。戦なんか行きたくないんだけど・・・。そんな我が儘通用する訳ないよな。
「その時はまた考えます。村に着きましたね。では拡張頑張ります!それと3人程若くて絶対に信用できる鍛治師の方、紹介してくれませんか?」
「昨日の金色の実を食わす為か?」
「はい。残り4粒ありますが1粒は何かの時の為に残しておきます」
「1人は決まりじゃな。鍛治師とは言わんがワシが懇意にしとる奴が居る。此奴は信用できる」
木下さんが信用してる人って誰だ!?蜂須賀なんとかって人が配下だった様な・・・。いや、あの人は確か元々豪族だっか?分からんな。これならもっと勉強しとけばよかった・・・。
そう思いながら八兵衛村長達と作業を開始した。
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