ウナギ高っ!!!
温まったしそろそろウナギを売ろうか・・・。
それにしても本当にかなり居るんだな。軽く300匹くらいは居るんじゃないのか!?
未来ではかなり数が少ないのに、この時代ならこんなに居るんだ。確かにこうやって見たら気持ち悪いな・・・。
「この村で魚捌ける人居ますか?」
「ほいほい!俺が捌けますぜぃ!昔この"むなぎ"を良く食べたんでぃ」
「俺も捌けるぞ」
「俺も」
「ワシも捌けるぞ。むしろ剣城は捌けないのか?未来の奴は魚も捌けないのか?」
・・・・・ナチュラルにディスりやがって!!捌けないから聞いてるんだろうが!!!
「はい、すいません。自分は捌けません。お腹開いて内臓類を捨てて骨だけ取れますか?それにむなぎじゃなくこれはウナギですよ!」
「いや、剣城はたまに訛りが酷いからワシは気にしなかったがワシらはこれをむなぎと呼ぶんだ。まあ呼び方なんかどうでもいい。わざわざ開かなくてぶつ切りじゃだめなのか?」
「ああ・・・この時代はむなぎって言うのかな?すいません、自分が間違えてたかもしれません。それとぶつ切りじゃ駄目です!綺麗に開いて真ん中の骨が取れた状態が好ましいですが、やはり難しいですか?」
「試した事無いからな。まあやってみようか」
そこから無言で皆開きを作っていったが、流石この時代の人だわ。最初から普通に現代のテレビで見た事があるウナギ職人みたいに捌いてるんだが!? オレは手際を見て感心しながらウナギのタレと竹串を用意して、籠5つある内2つを残し籠3つ分のウナギを売りにかけた。
《五条川で獲れた天然鰻キロ単価¥8000》
買い取り金額¥230000
ウナギすげぇーな!インパクトには欠けるがまぁまぁ良い値段の買い取りだな!!これは定期的に乱獲したいが・・・。でも獲り過ぎはマジで絶滅してしまったら駄目だし・・。考え様だな。
《ウナギのタレ10キロ×3》
効能・・・・Garden of Edenの至宝マヨネーズに次ぐ秘伝のタレ。一度口にすればヘヴンを味わえる。魚の泥抜き不要。
《ウナギ用竹串200本入り》
効能・・・・熟練の職人による手作りのウナギ用竹串。火に焚べても燃えない。熱さも感じない。
マヨネーズに次いで凄い説明が来たぞ!?ヘヴンを味わえるって・・・。天国を感じる事ができるのか!?凄いぞ!ウナギのタレ!!!
そこから村の人達にこのむなぎもとい、ウナギを食べると言った70人くらいの人に、バーベキューした所でタレを何回も付けて焼き、良い焼き加減でタレが染み込んだのを見て炊いたばかりの米に乗せて出していった。お菊さんも途中で姿を現したので食べてもらった。
「おいっ!剣城!!このむなぎがこんなに美味しいと思わなかったぞ!!全然臭くないぞ!!それにこの黒い汁だ!!この汁が最高に美味いんだが!?」
「ほんと!!剣城殿、これは超美味いな!!!むしろこの汁だけでも飯が食えるぞ!!!」
「剣城様・・・ほっぺが落ちる程美味しいです!!この前のういんなーぱんとやらも美味しかったですが、これはまた最高に美味でございます!」
「お口に合って良かったです。それと皆さんに言いたい事があります!食べながらで良いので聞いて下さい!いつか村が落ち着いたらこの村の特産品なんかを作って他国に輸出して、銭を稼げればと思います!
まだ自分も詳しくは考えてませんが自分と一緒に頑張りたい人、もし居れば今度言って下さい!それと明日、織田の殿様がこの村に先日の戦の礼を兼ねて来ます!何か褒美があるかもしれません!」
「「「おおおおおおーーーーー」」」
「とりあえず八兵衛村長。また明日来ますのでお願いしますね!それにあのニワトリも誰か捌ける人とかも決めたいんで、八兵衛村長に任せても良いですか?」
「剣城は捌けないのか?ニワトリったって野鳥とそう変わらんだろう?茂吉!!お前は源蔵とニワトリ育ててたよな?お前に任す!」
「任されたし」
「じゃあそれでお願い致します。まだまだやりたい事もありますので皆さん宜しくお願いします!茂吉さん!早速、卵数個とニワトリ捌いてもらっていいですか?それと捌いた時の血はちゃんと綺麗にして下さいね!」
そう言って捌くとこを見たくはないので回避しようとしたが、茂吉さんが出来ているか確認してほしいと言われ、ニワトリの断末魔を聞きながら羽を一緒に毟り切り分けた。
素人目ながらも茂吉さんは無駄なく、ネットスーパーで買ったのより少し劣るくらいで捌いていた。本当にこの時代の人凄いわ。何でも出来てしまう人が多いな。
「剣城殿、ちょっとよろしいですか?」
「あっ、おつやさん!どうしました?」
「私達女衆もむなぎ頑張りましたよ?確かにあの様に臭くないむなぎを食べたのは初めてで感動しました。けど男衆にお酒をお出ししましたよね?」
このプレッシャー・・・・。濃姫さんにも勝るか・・・!この一言一句で今後が決まる・・・!?
「・・・何を・・・お望みで?」
「皆と話し合った結果、ちょこれーとなんかを少々・・・」
これはあれだ。少々と言いながら本当に少ししか出さなかったら、殺(や)られるやつだ・・・。
《板チョコ×40》
効能・・・・オーソドックスなチョコレート。心が落ち着く。たまに閃きが起こる。
こんな¥4000程なんか安いもんだ。女は敵に回しちゃいかん!!
「これでどうでしょうか!?気付かずにすいません!足りなければ言って下さい!!!!」
「催促したみたいですいませんね。これで充分です。ありがとうございます」
クッ・・・・!危なかったぜ。あんな可愛い顔しておつやさんも中々やるな・・・。
それから捌いてもらった肉と卵をボックスに入れ、お菊さんとキャタピラバイクに乗り城に戻った。
「伊右衛門さん。これ、村で獲れたニワトリの肉です。これで今日の夕餉は親子丼を作ります。醤油、酒、ネギ、玉ねぎ、肉を食べやすい様に切って煮詰めて下さい!
煮詰まる前に砂糖を少し入れて甘辛くして、最後に卵をかけて卵が固まりだしたら完成です!簡単な親子丼です!」
「お主が言う奇天烈な料理は聞くだけで美味しそうだな。それにこの肉がここ尾張で獲れるのか。早速使わせてもらおうか」
「まだ何匹もは無理ですが誰か使いを出したら用意してもらう様に、村の人に言っておきますね。後、自分は今日はもう食べたので夜は大丈夫ですので!」
そう言い部屋に戻ったが1時間もしない内に伊右衛門さんに呼ばれ、味見を頼まれて少し食べたがかなり美味しく感じた為、そのまま信長さんに出すように言った。
「本日の夕餉をお待ちしま・・・いや、お歴々がお揃いとは・・・。すぐに皆さんのをお持ちします」
いや、静か過ぎて全然居るか分からなかったぞ!?何で、堀君も遠藤さんも教えてくれないんだよ!!!?そう思いつつ、柴田さん、木下さん、池田さん、丹羽さん、森さん、滝川さんの分を持って来て部屋に入った。
「お館様。夕餉まで・・・ご相伴に預かります」
「そうそう。中々剣城の飯は食えんからな」
「皆さん、これは台所衆の伊右衛門さんが作った料理ですよ?料理こそ未来の品ですが、材料も尾張で作られる物しか使ってないので、家に帰っても食べられますよ!」
「何!?それは誠か!?お館様、帰りに作り方を聞いても!?」
「ふん。軍議でもその様に皆ハキハキ喋れば良いのだがな。好きに致せ。まずは食らおうぞ。(ハスハスハス)・・・これはほぼ尾張で作ったのか?未来の物は使わずにか?」
「全部という訳ではないです。砂糖なんかは技で出したやつですが、材料はほぼ村で収穫した物です」
「中々に美味いな」
「お館様!これ程の美味はそう日の本にもありますまい!」
「肉は未だ少し違和感がありまするが、こんなに美味いなら早い事広めた方が民も食が広がり、一揆なんかも減るんじゃないですか?」
「某は・・・某は・・・」
いや、何で滝川さんはまた我慢してるんですか!?この前少し仲良くなってないですか!?いや、恨み言は確かに言ってないけども!!!
「一益はどうしたんじゃ?食わぬならワシが貰うぞ?」
「某は先日から此奴を理解しようとしておるのですが、どうもやはり得体の知れぬ物・・・。それが非常に美味なら警戒してしまい・・・。
それに先日お館様が申したシビも、あんな魚が美味いと申されましたが、某には想像できませぬ。以前なら無礼で斬ってやってもよい所を…」
「一益っ!!!黙れっ!!その辺に致せ。此奴を疑うのは結構。だがそれ以上言うと、其方の首と胴が千切れると心得よ」
「・・・・出過ぎた事を。申し訳ありませぬ」
「敢えて皆の前で言おう。一益、お主には今もこれからも期待しておる。じゃが同時に此奴にも期待しておる。お主らもそろそろ此奴が育てた米を食っておるのではないか?体の変化に感じぬか?此奴と同じ物が育てられるか?」
「・・・・・・・・・。」
「出来ぬならそれ以上、他の者も言うな。もう一度言う。年明けに小牧山の城へ移る。剣城とサルは清洲で奇妙を補佐せよ。後は着いてこい」
「「「はっ」」」
最近こんな嫌な空気ばかりだな。ここは皆、糖分補給か!?滝川さんと仲良くなれたと思ったのに辛いな・・・。
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