伝説の手紙1円
有り得ない金額にホクホク顔になりながら信長さんから貰った感状も鑑定してみると・・・・。
織田信長、芝田剣城への感状 鑑定金額¥1
んっ!?1円!?クッソ!!!現代で有名な歴史の人が書いた書物とかめっちゃ高価なんじゃないのか!?これはあれか!?RPGゲームとかである伝説の剣エクスカ○バーは買い取り金額1ギルとかみたいなやつか!?
また新たなる錬金術見つけたかと思ったのに・・・。まぁでも、とりあえずは良いか。これが通用したらさすがにチート過ぎるよな。今でもGarden of Edenはチートだと思うし。
夕方になり以前、柴田さんから頼まれてあったみんなにお米を渡す事を忘れていたので渡しに行こうと部屋を出たらたまたま遠藤さんが居たので信長さんにお断りしておこうと思い呼び出してもらった。
事情を話し、みんなの清洲の家が分からないという事を伝えたら少し眉間に皺を寄せてたが、『遠藤を貸してやる。勝手にしろ』と言われたので早速、遠藤さんと皆の家を訪ねていった。
皆の家に回り丹羽さん、森さん、滝川さん、佐久間さんの家に行き、下男さん達に信長さんに許しは貰ってますと伝えて渡していった。
ただ森さんだけは本人が貰うという事で居間に通された。
「お館様から許しを得ておると聞いたが済まんな。中身は米・・・・白いぞ!?おいっ!今日は夜食を食べる!この米を使え!」
「気に入ってもらえて良かったです。柴田様から頼まれました。購入は私の技からですが銭は柴田様からなのでまた会った時に何か言ってあげて下さい」
「うむ。済まんな。それでお館様からワシの要望の書状は見たか?」
「すいません、書状が来た事は知ってましたがやる事が多くてまだ見てませんでした。帰ったらすぐに拝見致しますので・・・・もし、宜しいならここで技を使いましょうか?」
「おぉ〜!!!さすが剣城殿!話が早い!でも銭は足りるのか?」
「銭は高価過ぎる物じゃなければ大丈夫です。何が欲しいですか?」
「そうか。いや済まん。では、けーきとやらとあの濁りの無い酒が欲しいのだ。特にけーきとやらはお館様様から頂戴したのと同じのが良い」
たしかに二口分しか貰えなかったから食べたいんだろうな。
《チョコレートケーキ18号》¥10000
《清酒》¥6000
《布団セット》¥10000
《砂糖5キロ》¥2000
《塩5キロ》¥600
《醤油1ℓ》¥1000
これらをすぐ購入した。ゴッドファーザーのホログラムに少し驚いてたがさすが歴戦の猛者、動じる事なくホログラムに向かって『かたじけない』とお礼を言っていた。
「こんなにワシは頼んでないが良いのか!?それにこの白いのは・・・・砂糖か!?それにこっちは塩か!?この黒いのは見た事ないが・・・ちょっと味見をば・・・これはまさかっ!?」
森さんは家の人を1人連れてきて醤油を舐めさせた。
「殿!!これは"たまり"ですか!?」
「うむ。ワシも断言できんがあの"たまり"より濃いな。剣城殿、これは何と言う物じゃ?」
「それは醤油という名前の物です。恐らく、たまりと言われてるやつで合っていると思います。うろ覚えで申し訳ないのですが多分たまりは味噌を作る工程で出来ますよね?
この醤油は大豆と小麦粉だったかな?を同じ量で圧搾などして作るのだったと思うのですがすいません、専門ではないので詳しい事は分かりません」
「いや、そこまで分かれば上出来だ!!これは剣城殿の技を使わなくても作れそうだな?太郎?お主は出来そうか?」
森さんの料理人?下男?さんは太郎さんて名前なんだな。覚えておこうと、ふと醤油が入ってた箱を見てみると裏に、たまり醤油と濃口醤油の違いの説明が書いていた。
「森さんっ!!!!!発見しました!!!ここを見て下さい!!!」
「・・・・・・・・・」
「んっ!?どうしました!?」
「これは、なんとも見やすい字だなと思って感心しておった。所々分からない字があるがこれは見やすいな。それにこれはしょうゆの作り方か!?」
「正確な作り方ではないと思いますが簡単な作り方が書いてあると思います!!たまたま箱に作り方というか商品の説明みたいな物ですがラッキーでした!!」
「らっきー?」
「あっ、すいません、良かったって事です!この箱を差し上げますので太郎様で良かったですか?この醤油を作ってみませんか?信長様もこの醤油はお気に入りですよ?」
「遅れて済まん。殿の料理頭をしておる太郎と申す。この何の材料で出来ているのかも分からん丈夫な箱を貰っても構わんと?」
「どうぞ!どうぞ!森様、太郎様が醤油を作ってくれたら食が広がりますので私としてはお願いしたいくらいです!本当は私が作りたいのですが専門外なもので・・・」
「よし。任された。ワシは殿様に拾ってもらう前は寺で小坊主をしておってな。それで味噌や濁酒などを作るのを見ておったのじゃ。この濁りの無い酒も初めて見た」
「たしか・・・濁酒に牡蠣の貝殻か竹の灰だったかを入れて沈殿したら濁りがなくなるとかじゃなかったかな!?すいません、これも専門外なので分かりません。偉そうに言うだけで不確かな事ばかりですいません」
「なにっ!?そんな事でこの澄み酒が出来るのか!?殿!?これも試してみてもよろしいですか!?」
「好きな様にしてみろ」
「森様、本当にすいません。全部うろ覚えで・・・・」
「構わん。剣城殿が居った未来とやらはこんな物作る事はどうって事ないのだろう。ワシらは作って失敗し、また作って失敗し、徐々に完成すれば良い。いきなり正解が分かれば技術はそこで止まる。何故失敗したかを試行錯誤していけば技術は昇華する。これは戦でもそうだ。剣城殿は初陣はまだじゃったな?覚えておくがよい」
デカい。デカ過ぎるぞ森可成!織田信長とは違うデカさ、なんか森さんの言葉には安心感があるな。
そこからオレは布団の使い方を教えて森家を後にした。
「遠藤さん、すいません。最後に柴田さんのとこに寄りたいので先に城に戻っておきますか?」
「そうだな。思ったより刻がかかったから某は先に戻るとしよう」
オレは遠藤さんにお礼を言って別れた。
柴田家に到着したら茂左衛門さんが表で包丁を研いでいた。挨拶をしたら中に通された。
「柴田様、短い間でしたがお世話になりました。そして、私の技の事で迷惑かけてすいませんでした」
「ワシの方こそ済まぬ。あの丸薬なる物であそこまでお館様がお怒りになると思わなんだ。許せ」
そこからオレは清洲の城下で家を作ってくれてる事と引き続き柴田様の元で作物を量産する事、人手は木下さんに手配する事を伝えた。
「ワシがサル如きと手を組めと?むむむ。お館様の命令なら仕方がないか・・・」
「柴田様が木下様と仲が良いか悪いかは存じませんが私が渡りを取る事になってます。これからもよろしくお願いします」
「ワシは極力あの下賤の奴とは喋りたくもない。お主に任す。何か困った事や賊が出たとかになれば言ってまいれ」
本当に仲が悪いんだな。さっきの米も木下さんには無かったしな。でも普通に木下さん、良い人だと思うんだけどな。
「分かりました。それとこの前言ってたお米みんなに渡しました。皆さん、柴田様にお礼を言ってましたよ」
「そうか。造作をかけたな」
何か急に柴田さんがモジモジ仕出した。オレは"敢えて"話題を出さなかったが。なんとなく分かってしまうな。これは絶対例のプレゼントの事だろう!!!熊さんめがっ!!ぜってぇ〜オレからは話題出してやらね〜よ!!!
「えっとだな・・・・。そのな・・・・・。この前にお市殿に贈り物をしようとしてた物だが・・・・」
めっちゃ早口でしかも声小っさ!!!!!!!
「何ですか?」
意地悪に聞き直してみた。
「だからその・・・・この前はお館様が機嫌が悪くてだな・・・」
あぁぁぁ〜!!煩わしい!!
「お市様の贈り物の事ですか?」
「そう!それだ!もし良いならお主から渡しておいてくれないか?添える花もお主に任す」
「私から渡してもよろしいですがこんなのは本人からの方が良いと思うのですが・・・?それに私、お市様に会った事すらないですよ?」
「お主は暫く城勤めだろう?ワシより会う可能性が高い。その・・・会った時で構わんので頼まれてくれんだろうか」
凄い下手だな!おい!!それにかなり女に奥手と見た!!
「かしこまりました。会った時は必ずお渡ししますね」
「済まん。かたじけない」
そこでオレは
《布団セット×3》¥30000
《清酒×3》¥18000
を購入して柴田さんに渡した。
「信長様から許しは得ています。それと森様が以前、茂左衛門さんに渡した醤油とこの清酒を作ろうとしております。私も農業、畜産を頑張りますのでこれからもよろしくお願い致します」
「お主には迷惑をかけてばかりだな。これらはありがたく頂戴する。農業の事はワシには分からんからサルにでも聞いてくれ。ただ戦の事や賊や間者らしき者が居ればワシに言え。励めよ」
そう言われ柴田家を後にして城に戻った。やっべ!!!夜ご飯作らんといかんの忘れてた!!!!
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