大膳君の旅立ち
早速オレは溜池作りの選抜に入った。大膳君は絶対なのと、金剛君考案のコンクリート、剛力君筆頭の工兵班の人達総勢20名、木下さん配下30名、村の男衆20名を連れ、近隣の村を回り五条川、新川上流に堤防を作ると大膳君が言った。
「それでは行って参ります。予定では30日と思ってます」
「え!?そんな早いの!?」
「剣城様が居た未来のダムレベルなら5年10年と掛かると思いますが、溜池くらいならすぐです」
横文字も皆覚えだしたんだな。沢彦さんが奇妙丸君に教えながら、3日に1回村に来ての勉強会のお陰だな。まあ、凄いチートな人だとは思うけど、ワンチャンオレの飯を食べに来てる説もあるけどな。前なんか『ツナ缶マヨネーズの為なら戦をも辞さない所存』とか、意味不明な事まで行ってたしな。まあそのくらい好きなんだろうな。
「分かった。とりあえず、隼人君に兵糧ならぬご飯の運搬、工具、材料の搬入をしてもらうよ。その時に慶次さんに警備もお願いするから」
「任されたし!大吟醸とバーボン70本で手を打とう」
はっ!?また酒かよ!?まあここ最近というか、ずっと甲賀の人達と訓練してくれてるからな。オレにも剣とか槍を教えてくれてるし、そのくらいはしょうがないか。
そう言い、大膳君達はイージスに乗り溜池作りに向かって行った。
「おう!剣城!励んでおるか!?ありゃ!?なんか男が少ない気がするが?」
「木下様、こんにちわ!実は先日言っていた溜池作りに出発して、男衆が少なくなっています」
「お主もお館様と同じで動きが早いのう。とまあ、そんな事は置いといて。ほれ!これじゃ!受け取れ!」
「何ですか?」
「ちょっとした任務で北伊勢を調べておってな?その時の土産じゃ!秀長に急いで持って来るように頼んでおったんじゃ。貴重な氷を使ったのじゃぞ!?」
木箱に入れられてる物を木下さん配下の人が開けてくれて、中を見てみると魚がいっぱい入っていた。
「木下様!!流石です!最近ずっと魚食べたかったんですよ!!アジにメバルにうん!?この少し大きめの魚はアンコウじゃないですか!?あっ、このフグは毒があるんで食べては駄目ですよ!こっちのオコゼは棘に毒があり………」
「おい!やめやめ!お主が魚に詳しい事は分かった!ワシは美味しく食べれば良い!何か未来の魚料理を食わしてくれんか?秀長とねね達も一緒だと嬉しいんだが?」
「任せて下さい!みんなで食べましょう!お菊さん居る?」
「はっ」
「今日、木下様の所に行くけど村の方は大丈夫?」
「いや剣城?こっちから出向こう。いつくらいに来れば良いか?」
「あっ、なら夕方くらいにでも・・・・」
オレは未だに規定の時間の統一が出来ていなくモヤモヤしたけどとりあえず手で持てる普通の時計を購入して渡した。
《普通の時計目覚まし機能なし》¥200
効能・・・・時を知る事を追求した手持ち時計。ねじまき式。一捻りで一年は動く。
「これをどうぞ。彼の時間を今14時にしています。近々占星術使える人でも見つけて、月の下弦で日にちも統一させますので、この短い針が6に来たらいつも私が飯屋擬(もどき)をしてる所に来て下さい」
「いつ見ても変わった物が出てくるのう?これは刻を見る道具か?よく見ると動いておるな?分かった。6の刻に来るように致す。楽しみにしておるぞ!」
それからオレはたまに飯屋擬を営業している暖簾に『め・し・や』と書かれている店兼、家に向かい魚を三枚おろしにした。現代で釣りをよくしていたから素人ながら捌けはする。料理人からすれば無駄が多いかもしれないが・・・。
《パン粉》¥300
効能・・・・揚げ物の衣に最適。油を吸い過ぎない優れ物。
《食用油2ℓ》¥700
効能・・・・カロリーを抑えた神界一の売り上げを誇る食用油。胸焼けを抑える。
《ざらめ砂糖》¥500
《白湯鍋キューブ》¥500
効能・・・・白濁としたとろりとしたスープが肉にも魚にも合う。神界一料理の巨匠???が監修した物。
よし!アジはフライにして、フグはさすがに捌けないから勿体ないけど捨てて、オコゼはヒレだけ切って炙ってヒレ酒の熱燗でも作ってあげよう!アンコウは勿論、鍋一択だな!
「剣城様!!?これは油で揚げるフライというやつですか!?」
「うわ!?ビックリした!てかお菊さんは案外料理好きなの?」
「はい!かつてはその日暮らしだった為、そこら辺の雑草を食べていた日もありましたが、今は剣城様のお陰で今まで見た事ない米、禁忌とされていた肉、牛乳、パン、ラーメン、色々楽しみです!」
「まあ、食が美味しければ楽しみが増えるからね。それに例の伊勢の任務は多分攻略戦の下見でしょう?その後に稲葉山城を落とす。その時はオレ達も呼ばれると思うから、贅沢できるのは今だけだからね」
「はい。滝川様が蟹江城に入ったそうですが、滝川様筆頭に北伊勢に進行すると思います」
確かに伊勢は北畠家だったよな?確か当主は信長さんの時代では殺されなかった筈だと思うけど・・・。もし会う事あれば何か食べさせてあげよう。伊勢海老もこの時代なら食べ放題だな!
「レシピ本見てるから分かると思うけど、少し手伝ってくれる?後、どうせなら奏ちゃん達も呼ぼう!」
その後、奏ちゃん達が来てくれて皆でフライを作ったり、鍋に入れる野菜を切ったり、刺身も食べたかったけど身が少し弱くなっていたので、火を通さない料理は辞めた。
氷は貴重って言ってたけど、どうにかならいもんなのかな?昔ラノベで見た硝石を使った氷とかあったと思うけど、本当に出来るのか!?これもまた神様書物で調べよう。
氷が出来れば海水氷を作って刺身も食べれるぞ!まぁ、Garden of Eden使えば食べれるんだけどな。
そんなこんなで時間は18時前になり一気に仕上げに入る。
「剣城様、木下様がお見えになりました」
「あっ、やばい!米炊くの忘れた!!!!」
「剣城様、私が炊いておきました!」
「さすが鞠ちゃん!後でリンゴジュースあげるから!」
「あー!鞠だけずるい!剣城様、私も欲しいです!」
「それなら私はぶどうジュースが欲しいです!!」
「おー!剣城は配下の女子(おなご)とちちくりあっておるのか!?ワシも混ざ──痛てて!」
「あんたは何言ってるのさ!!?」
ねねさんが居る所でよく言えたもんだな!?さすが女ったらしだな!?
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