成長する剣!?
あれよあれよとかなりあった武器は、甲賀隊の人達に渡していくと、あっという間に無くなった。残念ながら全員に行き渡る事はなかったが、許してもらいたい。
大野さんが選んだ武器は双剣だった。短刀が二体一対になる短刀だ。一応気になるので鑑定だけさせてもらったがやはりこれも売却価格は1円だった。
《ツインランサー》
効能・・・・悪を振り払うと言い伝えのある双剣。持ち手と共に剣も成長する生剣の一つ。
中々に凄いと思う。成長する剣とは何ぞ!?とは思うが。
"あたいと同じだよ"
"え!?"
"だからあたいと同じだよ!"
"あぁ・・・プロミネンス剣のプロミさんね・・・"
"よしておくれ?変な名前は嫌いさね。けどあたいに名前を付けた人間は初めてさね。そのツインランサーもあたいと同じで、どんどん持ち手の者のマナに染まっていき、成長するのさ"
"へぇ〜?変わった剣があるんだね?"
んな訳あるか!!と心の中でツッコミを入れてしまうが、牛も馬も剣も喋る・・・。何なら見た目が禍々しい蜘蛛ですら喋るからな。
そういえばあの蜘蛛さん元気にしてるだろうか?喜左衛門さんに託し、未亡人さん達と服作りをしてる筈だけど・・・。後で見に行ってみよう。
"あたいはあんたが持ち手で気持ちいいよ?もう少し人間の血が欲しいところだけど、あんたのマナは心地よい"
"オレは平和主義だからな。まあけどいつかまた戦はある筈だから、その時は頼むぞ?"
"あいよ!任しとくれ!"
オレは疲れているのだろうか・・・?剣に話しかけ普通に返答が返ってくる・・・。
やはり飛び道具最強と言っても時代が時代。まだまだ槍や刀は憧れがあるみたいで、皆に大人気だ。オレもやはり男のロマンっていうか憧れはある。残念ながら技量が無いのは否めないが。
正直早い者勝ちだった装備・・・皆に行き渡ったが、全部鑑定にはかけてみた。
まぁ伝説の名前の剣や槍ばかりだ。中にはエクスカリパーというゴテゴテ装飾が付いている、如何にも独裁者が好みそうな西洋の剣もあった。
しかも本物って確かエクスカリバーだったよな?それがエクスカリパーである。何かのテレビゲームでは6本腕の男・・・ギルガメッシュが持ってて、偽物の名前がエクスカリパーだったよな!?
「剣城様!某はこのような剣に憧れていたのです!ありがとうございます!!」
「あ、うん!それを持って大膳君は励みなさい!」
この偽物的な剣を選んだのは大膳君だ。まあゲームと同じとは限らないし、何ならこれが本物なのかもしれないしな。
後は小川さんは唯一、一つだけあった盾だ。名前が血塗られた盾という縁起の悪い名前の盾だが、これもプロミさん曰く成長する盾らしい。敵意のある斬撃や攻撃を弾けば弾くほど成長する、出世盾らしい。
「いや、小川さんの盾は出世魚のパクリか!?」
「我が君!?その言い方はあんまりですぞ!?ワシがこれで、我が君に届く攻撃を防御致しますぞ!!」
「うん。まあよろしくね!?まずは、自分が1番!オレは2番でいいですからね!?」
野田さんや、小泉さん、望月さんと初期から居る人達は、ブラッドソードという名前の弓矢やトライデントという名前の槍、ルーンハンマーという名前の斧だ。
最早バラバラだと思う。ソードと付いて弓矢とか反則だろ!?ハンマーと付いて斧とか偽物か!?と、問いたくなる。
「ありがとうございます!大事に使わせていただきます!」
「ははは!気にしなくていいですからね?望月さんは槍が得意だったのですか?」
「いえ、某は短刀を好みましたが軍として動くには、やはり長物も使えるように致しませんと、いけませんからな?」
うん。やっぱ皆、目立ちたいのかな?オレは隠密部隊を作りたかったのに、甲賀の人達は脚光を浴びたいような雰囲気だな。
そして残りの一本の普通の刀。これは漁師の吉蔵さんにオレが下賜しようと思う物だ。残念ながらここに来てはいないが、明日辺り正月のカツオやマグロのお礼を兼ねて向かう予定なので、その時に渡そうと思う。
この刀は終帝白帝剣という名前のかなりカッコイイ刀だ。何が終わりの帝で何が白帝剣なのか分からないが。全然白くないし。
鑑定結果も特に何もなく斬れ味がいいと説明があっただけだ。別に戦に出てもらうつもりもないし、贈り物には最適だろうと思う。
「みんな!!色々あったけど各々の仕事頑張りましょう!」
「おう、こんな良い業物を貰ったんだ!貰えなかった者も居るだろうが、剣城は必ず皆に行き渡るよう近い内、考えてくれる筈だ!貰えなかったと文句を言う奴は許さないぞ!」
「あっ、忘れてた!船があるんだ!」
忘れていた船を思い出し、ボックスから取り出した。取り出すとちゃんと台座に固定されていた。
「剣城様!!船ですよ!船!!」
「ほう?これが未来の船か?我らが造ろうとしておるのと然程、形(なり)は変わらぬのだな?」
九鬼さんはまだ今日は来ていないが、国友さん親子はそれなりに興味津々のようである。ってか、オレはチート装備の船を想像していたが、見た感じは200年程時代を先取りしたような感じの船だった。
海賊船と言えばしっくりくる感じのような形だ。けどこの形の船だけど船尾にちゃんとスクリューは見える。そして、小船二つ・・・こっちの方がやばそうだ。この小船の方は確かに小さいが、巡視艇そのまんまのような見た目をしている。
芸術神様が書いてくれたのだろうか?綺麗な織田木瓜紋までペイントされてある。
「皆!!!・・・・乗り込めッッ!!!!」
騒ぐよりまずは乗る方が早いと思い、オレは号令を掛けたら皆一斉に乗り出した。
「つ、剣城様!?某もよろしいですか!?」
「あっ、奇妙様もどうぞ!お乗り下さい!水の上ではないですが、近い内に海に浮かばせますので!」
後にこの船を筆頭に無敵の織田家支配内、九鬼水軍の名は日本だけではなく、明や南蛮まで轟く事になる。
「剣城様!?このスイッチ!?」
「これなるボタンは何ですか!?」
質問攻めに合っているがまるで分からん!まあただ、優しさなのかご丁寧に農業神様は分かりやすいように説明書も置いてくれている。珍しく名前の無かった船だが、子供の船と言われていた巡視艇のような船の主砲は、最早、弾ではなかった。
「これがソーラーシステムなのですね!?」
「らしいね?この説明書によれば、太陽の光で充電され満タンにチャージできれば50発のレールガン?が撃てるらしいよ?芳兵衛君、分かる?」
「レールガンとは、物体を電磁気力により加速して撃ち出す事ですね?これは素晴らしい!」
いや分かるのかよ!?
そして副砲塔はそのまま水鉄砲と書かれている。農業神様は海水浴にでも使える装備を付けてくれたのかな?左舷、右舷に4本ずつ倍率が書いてある覗き穴を見てグリップを肩に当てて撃つタイプのようだが・・・
「水鉄砲にしては仰々しいな!?海水浴でもする時に泳いでる人を狙って遊ぶのかな?いやまさか!?遊びながら射撃練習をするものなのか!?」
「とりあえず横に水を溜めるタンクがありますので入れてみて撃ってみますか?」
「そうだね。レールガンは試し撃ちすればこの村が壊滅しそうだから海に出てから撃つよ」
レールガンは名前からしてヤバイのは分かるから、海に浮かばせてからだ。
「どうぞ、剣城様」
「金剛君ありがとう。試しに撃ってみよう」
オレはとりあえず近くの木に向かい、引き金を引いた。
シュボンッ!!!!
「は?」
「なんと!?水圧だけで、木を貫通する様な威力を出すのですか!?」
舐めていた。こんなの海水浴中に遊びで撃てば、金剛君達が死んでしまうぞ!?試し撃ちしといてよかった・・・。
「剣城殿!?これは一体・・・」
「奇妙様!考えてはダメです!こういう時は感じるのです!私も驚いているのです!」
詳しく聞かれても分からん!ただこれはオーパーツだ!
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