学ばない男 ラーメンの怒り

 「皆の者、御苦労。ワシの家臣にヒヤヒヤさせられたようじゃな。して、推移は?」


 「これはこれは。織田殿とお見受け致す」


 「其方は・・・細川兵部大輔殿じゃな。和歌や蹴鞠、茶道に精通していると明智から聞いているぞ」


 「いやいや。手前はそんな腕ではございませぬ。それで・・・戦の大まかな推移は某が答えましょう」


 


 「なんと?まさか、一騎打ちで此奴が3人を討ち取ったとな!?」


 細川さんが信長さんに戦の推移を伝えた。オレが知ってる・・・というか、そのまんま伝えていたが、どうやら一騎打ちで討ち取った事を、かなり驚いているようだ。


 「最後の三好長逸との一騎打ちは、見る者全てが釘付けになったものです。負傷された芝田殿ではあったが、まさか短刀で人体を切断するとは・・・。しかも左腕一本という、最早、尋常じゃない剣筋でございました」


 いや、細川さんは褒め過ぎな?そんな褒めても何も出ないぞ?

 

 "ミヤビちゃん?居るよね?クリスタルガラスで作られた、将軍に渡すコップがあったろう?あれを後で細川様に渡してあげて"


 "御意"


 うん。オレは褒められると伸びるタイプだからな。細川さんとは今後も是非、仲良くしないといけない。金剛君は警戒しているようだったけど。


 「じゃあ、誠に全てが片付いておるというのか?」


 「ここからは私が。本圀寺で芝田殿が一騎打ちをしている頃、私達、明智軍は芝田殿の与力の坂井殿や家臣の前田殿、奉行衆と共に三好の敗残兵を狩りました。その首や数え切れず。ですが出張ってきたものの、一兵も出さなかった筒井軍に関しては、手出ししませんでした。坂井殿の武勇は凄まじく、あの荒くれ者の美濃3人衆をよく纏めておりました」


 「待て。何故そんなにも、容易く三好の兵が討たれたのだ?装備の違いはあれど、そんなに三好の兵は弱兵だったのか?」


 「それは、事前に指揮官級らしき者だけを排除していたからか、と思います」


 「何をしたのだ?」


 「明智様。ここからはオレが言います。信長様も大津を見られたかと思いますが、武衛陣詰め及び、京の大工衆として残していた配下の剛力隊が、民の避難誘導をさせてました。そこから山側よりオレ達は入り、竹中さんの策の元、狙撃と配下の者を使い指揮官だけを狙い撃ちしました」


 「続けよ」


 「途中、負傷はあったものの致命傷は受けず進軍を続け、雑賀衆等と鉢合わせしたものの、剣聖 上泉信綱様に助太刀していただき、本圀寺へ突入できた次第でございます。後は細川様の言われた通りです。その雑賀衆に狙われていた時の先頭も坂井様でした。敵の鉄砲を恐れず、オレは撃たれてしまいましたが、あの敵をも恐れず進むのは中々に難しいかと」


 「ふむ。坂井を貴様の与力にした事は間違いでは無かったのだな。良きに計らえ。彼奴には後日、今一度、感状と金子、美濃 穂積辺りに一区画設け、纏めさせてみようか」


 「はい!それが良いかと。ここ最近の戦では全てオレの下に着いて下さり、全てに100点の成果を上げています。オレは土地は与えられる立場ではないので、信長様からそうしていただけると、大変喜ばれるかと」


 「ふむ。分かった。では坂井にはそのように致そう」


 「(シィー シィー)いやぁ〜、遅れてすいませんなぁ〜!外で何やら明の麺のような物を作っておったから、気になり食べておったから遅れました」


 「「「「「・・・・・・・」」」」」


 オレ達が真剣に話していると、松永ボンバーマンさんが爪楊枝を咥え、入ってきた。


 「松永ぇ・・・」


 「おぉ・・・怖い怖い。外の者が獣のような勢いでしたからな。これはお館様のですぞ」


 松永は信長さんの分だけ持ってきたようだ。ってか、そういえば豚骨味のラーメンは出した事、無かったよな。


 あっ・・・。


 オレは瞬間的にヤバイと思った。信長さんは表情こそ変えていないが、目が怒っている。


 「織田殿!?それに弾正!それは何なのだ!?」


 「兵部殿。息災なようで。これは、らぁめん?と言っておったかのう?」


 「剣城ぃぃ・・・。これは何だ?よもや、貴様が出した物とは言わぬよのう?」


 「・・・・すいません。オレです」


 「そこに直れッ!!ワシは何度も何度も言っていたよな!?あん?あれは貴様が下っ端だった時………………北伊勢の時もじゃ………………カレーだけでは飽きたらず………………」


 スイッチが入ってしまった・・・。学ばないのはオレだな。


 「まぁまぁ、織田殿?そう食い物如きにそこまで怒らなくとも・・・」


 っぱ、細川さんよ。あの他者を寄せ付けない言い方の中での助け舟。他にも何か贈った方がいいのか!?


 「細川殿も食ってみよ。さすれば、どういう事か分かる」


 「いいのですか?では遠慮なく・・・」


 ジュル ジュル・・・・コトン。


 細川さんは、少し麺を啜った後、静かに箸を置いた。


 「織田殿の言った事が分かりました。某の間違いだったようで」


 「な?言ったであろう?これを此奴は下々の者に出しているのだ。別にそこは構わぬ。好きなだけ食わせてやればよい。だが、ワシは此奴と約束した事があるのだ」


 「約束ですか?」


 「うむ。此奴に『新しき物を作る時、新しき物を出す時、新しきふれえばあなるものは、初めは必ずワシに食わせてからにせよ』とな。じゃが、此奴はそれを直ぐに忘れる。落ち着けば、細川殿も美濃へ来ると良い。此奴が流行らせた食い物が巷では溢れておる」


 「ま、まぁまぁ・・・。皆様にもお出ししますので・・・」


 オレはとりあえず、皆に振る舞おうと声を掛けたが・・・。


 「まだ言い足らん。剣城!お前はな・・・」


 信長さんはまだ怒り足りないらしい。細川さんも目を瞑り頷きだした。裏切り者が!!松永は松永でドヤ顔だし!此奴がいけないんだ!!


 その後は将は将でラーメンを食べ出した。上手く啜る事はできないようだが、概ね・・・いや、かなり好評のようだ。ちなみに作ってくれたのは、沈黙の処刑人こと大野さんだ。

 外の人は外の人達でワイワイ食べている。毛利や上杉、浅井の人達も死んだ人は居ないみたいで、弓を射られた人が多数居たが、鈴ちゃんや鞠ちゃん、凛ちゃんの治療の実験台にされたそうな。

 それでも放っておけば肉が巻いて抜けなくなるし、無理矢理抜いてもそこから破傷風になったり、腐ってきたりする可能性もある訳だから、荒治療でもなく理論だった治療だから、文句は言われないだろう。


 未だに他家の兵の間では弓傷には『馬糞が!』とか、ふざけた治療法が信じられてきているし。末端の兵の人にはやはり重傷者も居る。そんな人達には治療と言い、少量の神様印の薬を振りかけたり、飲ませたりしている。

 個人的には普通に飲ませて、欠損した腕の人なんかも治してあげたいけど、甲賀隊の皆が・・・。


 「無料でそこまでする義理はありません。それなりの対価を払うならば吝かでもありませんが、織田家に・・・引いては剣城様が何故、赤の他人にそこまで面倒見ないといけないのですか?岐阜城下でも最近では少額ながら、銭を貰いながら病院なる施設をしているのですよ?」


 と、言われたからだ。だが、少量とはいえ神様印の薬は凄まじい。腕を斬られ出血してた人が、薬を患部に振りかけただけで出血は止まり、薄い皮膚のような物が直ぐに出来上がっているのだ。


 これをオレは敢えて・・・、


 「甲賀に伝わる秘薬だ。お前達、奉行衆が草だ、乱波だと言う者の里に伝わる秘薬なんだ。ちゃんと礼をして、これからは馬鹿にしたような言動を改めておけ。ちなみにこの薬は芝田家持ちだ。あんたに使った薬は、城下の一区画を買える位の値がする代物なんだぞ?」


 と、オレがわざわざ出向き説明したのだ。鈴ちゃんや、望月さんなんかは何か言いたそうにしていたが、オレが右手を横に出しそれを制した。あれはカッコよかったと思う。


 「おい。剣城!治療は衛生班に任せておけ。で、この白い汁のらあめんだが、カレーに次ぐ美味だ。これは豚肉であろう?」


 「よく分かりましたね?それはチャーシューという肉で、豚肉です。美味しいでしょ?」


 「うむ。何年、貴様の飯を食ってきたと思う。これくらいは分かる」


 「肉を忌避していたが、戦の後は食べたくなるものですな。こんな時くらいしか食べられませんからな」


 「細川殿は分かっているな。それなりに苦労しているのか?」


 「恥ずかしながら・・・。織田殿が上洛するまでは、灯の油にも事欠く生活でして。ですが、明智が織田殿と誼を結んだ後は、それなりに物を流して頂いてですね・・・」


 「ふむ。そうか。困った事があれば織田家を頼ると良い。ワシは忙しい故、都度、文のやり取りは出来ぬが、此奴と木下と申す配下に物流は任せる事としている。顔合わせをしたら良いぞ」


 「良いのですか!?」


 「あぁ。構わぬ。それはそうと剣城?このらあめんは・・・臭味はさておき、何という味と言えば良いかのう・・・」


 「あ!豚骨ですか?」


 「ほう?これは豚骨と申すのか。他の味のもあるのだな」


 「ありますよ!醤油、味噌、塩と、他にもトッピングの具材で、色々自分だけのラーメンを楽しめますよ!」


 「クックックッ。お館様ぇ?これを大和にて作る許可をいただきたい!」


 「ふん。松永も此奴の食い物に憑かれたか?」


 「昨日食べたカレー、ほいこうろう、すき焼き、牛丼、巻き寿司、みたらし団子、焼き飯、プリン、他にも名前を忘れた物全て美味でした!それを大和にも流行らせ、下々の民草に食べさせる事ができれば、国力も上がります故、今後、京で何か起こっても松永軍だけで対処が出来ますぞ!」


 いやいや、この人は昨日1日でどんだけ食べたんだよ!?そんな細っこい身体でよくそんなに食べられたな!?思いっきり食に取り憑かれているじゃん!?


 けど、この人の咀嚼の早さは凄いわ。衣食住とはよく言ったものだ。服は正直、ボロでもなんとでもなる。住む所も例え、あばら家のような所でも屋根さえあれば、たちまちは大丈夫。この時代の人は逞しいから、自分達で木を切って作ったり直したりする人が多い。


 だが、食に関しては100年〜300年・・・またはそれ以上先取りしたメニューも、美濃や尾張にはある。それらを食した人達は二度と赤い米や、野草のような物なんかは食わなくなる。なんなら、この食が途絶えたら戦になってしまうレベルに、美濃や尾張の人は贅沢している。


 たかが食い物。されど食い物。特に甘味に関しては、下々の人は絶対に食べられないだろう。だがこの松永は、美濃のどこの店で食べたかは知らないけど、その可能性を感じたのだろう。美濃や尾張では誰でも、子供ですら甘い菓子を買える店が多数ある。


 しかも、他国から来た人にもそれは提供している。特に今は人を集める政策をしているからだ。この松永は大和にもそれをしよう、と既に考えているのだろう。要警戒しておかないといけない。なんせ本当に口が上手く、オレなんかは直ぐにこの人に、乗せられてしまいそうなんだからな。


 「流石、文化や商いの事などに明るい弾正殿だ!織田殿!是非、我が山城の城下にも御教授を!」


 「(ゴホンッ)某は摂津国衆が一人、荒木村重にございます。是非、摂津に関しては某も入れていただき給う」


 「国衆がやけに偉そうではないか?貴様はそこもとの家臣であろう?」


 「えぇ。今は池田殿の一族衆として、ここへと参陣致しました。不出来故に至らぬところもあるかとは思いまするが、美濃では学舎があり、老若男女、誰でも分け隔てなく学を学べると、お聞きしておりまする」


 「クッハッハッハッ!面白い!分からぬ事を素直に言い、他者へ頭を下げる事は中々出来ぬ!お主!気に入った!美濃で学ぶ事を許す!算術、楷書を学べ!時が来ればこの話に組み込ませてやろう!」


 荒木村重・・・。史実では木下藤吉郎・・・後の羽柴秀吉の、三木の干殺しで有名な三木合戦の途中で、反旗を翻した人だったよな。昔、ネットでこの人の記事は見た事があるから、覚えている。事細かく事象は覚えてはいないが、兎に角、裏切る人だと。しかも最後は妻や子も助けず、自分だけ逃げて助かった人だったよな。


 信長さんは珍しく気に入っているようだ。オレが居る限り、この人が例え裏切ろうと大丈夫なようにしよう。それと明智さん。あの本能寺を起こすと言われている人だ。今はかなり織田家に靡いているのが分かる。寧ろ、もう心積りは決まっているだろう。


 この人は坂本や丹波など、京周辺に重要な人だ。オレが目を光らせておけば、例え歴史の修正力で本能寺の変が起こっても、信長さんを殺させないし、そもそものこの事象を防いでみせる。




 〜本圀寺 裏手〜


 「孫一様・・・。どうされますか!?」


 「う〜ん。どうするもこうするもねぇ〜。俺ぁ〜別に織田に恨みなんてものは無いんだけどねぇ〜。聞いてた人物と実際は違うみたいだしねぇ〜」


 「けど、このまま素直に帰らせてもらえるのでしょうか!?」


 「鶴は、あの芝田という男をどう思うのかねぇ〜?」


 「え!?それは・・・。やはり孫一様始め、私達を捕えたから・・・」


 「捕らえたから?クッフッフッフッ。その割に敵さんがくれた握りを食べているねぇ〜」


 「あっ、いえ!申し訳ありません!」

 

 「源四郎君はどう思う?」


 「はっ。まさかの弾傷がこうも容易く治るとはつゆ知らず。敵は誠に我等を脅威には思っていないのでしょう。だから、俺も治療してくれたのかと」


 「う〜ん。鉄砲で負けるのは悔しいねぇ〜。それにあの隼人という男の射撃の腕は、俺ぁ〜より上かもしれないねぇ〜。もし?」


 「は?何だ?」


 「確か君は青木君と言ったよねぇ?」


 「そうだ。要件を早く言え。あぁ、酒ならやらぬぞ?剣城様は『与えて良い』と言ったが、俺達は貴様等に、腑が煮えくり返っているのだ。剣城様を狙撃して、接近戦になれば降伏するとは武士の名折れよ」


 「手厳しいねぇ〜。それに俺達ぁ〜武士ではないんだけどねぇ〜。『戦場に雑賀有り』と言われる傭兵集団に、なりたかったんだけどねぇ〜」


 「もういい。要件を言え」


 「君達の殿は余所者にも寛大なのは本当かい?」


 「あぁ。それは誠だ。この地ではなく、少し離れた場所にて、剣城様が童に刺された事がある。その童も許され、今やチョコレート城と言われている高山に詰めているぞ。ちなみにチョコレートとは黒くて甘い菓子だ。これだ。(パリッ)うんふ。美味い。疲れた時にはこれだ」


 「それは何なのかねぇ〜?お?(ポトッ)」


 「一切れだけだ。それを食ってみろ」


 「何なのかねぇ〜こ・・・れ・・・ぬっ・・・!?」


 「「「孫一様ッッ!!!」」」


 「源四郎君、蛍、鶴!これはこの世の物とは思えぬ物だ!」


 「で、あろう?もうやらぬぞ。これは俺のだからな。食いたければ下に着く事だ。剣城様は敵と判断した者には容赦しないが、味方になれば寛大ぞ。『平和主義だ』と言っているのも本当だ。現にお前達を斬首していないであろう?俺はお前達を捻り潰してやりたいが、剣城様は望まぬ」


 「一度、里に持ち帰っても良いのかねぇ?」


 「あぁ。いいだろう。だが、返事は早い方が良いと思うぞ」


 「何故かな?」


 「俺は人を集める仕事を仰せつかった。これより、三好家をほぼ1人で撃滅させた芝田家には、各地から続々と人が仕官するだろう。三好家は瓦解した。三好家にも有能な文官くらい居るであろう?向こうがどう思うかは知らぬが、向こうがこちらに仕官したいと言えば、能力ある者だろうが無かろうが、素行の良い者は登用させるつもりだ」


 「鶴。君はこの青木君の下に居なさい」


 「え!?人質ですか!?」


 「おい。芝田家は人質なぞ取らぬぞ」


 「そうではない。俺ぁ〜決めた。芝田殿の下に着くのも吝かではない。いや、寧ろ下に着かなければならない。だが、これでも惣主だからねぇ〜。里の者を言い聞かせねばならないが、当代の雑賀の名を捨ててでも俺ぁ〜、芝田殿に仕えたいねぇ」


 「孫一様!?」


 「源四郎君は好きにすれば良いさ。俺ぁ〜あの隼人君が持っている鉄砲で、更に高見を見たいのさ。(プカー)

 青木君。この子は鶴。君も甲賀出身なら、聞いた事くらいあるんじゃないかい?雑賀孫一とは雑賀の頭領が名乗る名だよ。この鶴は俺ぁ〜の次の雑賀孫一だよ。その鶴を青木君の元へ置いていく。この意味が分かるかい?」


 「殺したいと言っているのに、俺を信用するのか?事故と見せかけて殺すやもしれぬぞ?」


 「クッフッフッフッ!それはそれは異な事。君の殿が殺しもしない事を君がする訳ないだろう?そんな者が大役なんて任されないだろう?」


 「ふん。特別扱いはしないぞ。鉄砲が得意だろうが、最初は勉学を学んでもらう。文字が書けるかは知らぬが、楷書文字と足し算引き算くらいは最低限だな。食事は日に3回。1日に一度の甘味。酒は・・・7日に一度」


 「おいおい?それが捕虜・・・とは思いたくないが、捕虜に対する扱いかい?」


 「何を贅沢な。飯を貰えるだけでもありがたいと思え」


 「あ、いやそうじゃなくてねぇ〜。まぁいいや。鶴?少しの間、待っていなさい。青木君に学んで、芝田家とはどんな家なのか勉強しなさい」


 「孫一様の命令とあらば文句は言いません!ですが、必ず・・・孫一様も・・・」


 「(チッ)見てられん。痴話話しなら他所でしろ。剣城様には俺から伝えておく。おい。(ボトッ)土産だ。里の嫁御や女、男衆に渡してやれ。美濃、伊勢、那古屋で取ったり作ったりしている物だ。中は魚や肉、野菜、果物だ。氷を詰めてあるが、傷んでいる物は捨てろ。肉は焼いて、この黒い汁を漬けて食え」


 「こんなにもいいのかねぇ〜?」


 「構わん。美濃では一般的に食われている物だ。それと、その入れ物・・・。クーラーボックスはこちらに来た時に返せ。俺の個人的な物だ。剣城様に買っていただいた物だ」


 「へいへい。じゃあ、ありがたく頂くよ。では青木君。近い内にまた会おう」


 「(チッ)馴れ馴れしい言い方は止めろ」

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