ウナギ衆の創設

 ウナギのタレの染みかな?


 「あれは昨日ここでウナギを獲って食べたからその時に使ったタレの染みだと思います」


 「ウナギとはむなぎの事か?あんな泥臭いの食べれるのか?」


 「はい、このタレを使えば泥臭さが無くなりますので食べれますよ?しかもあれは未来ではそこそこの価値があって食べて美味しい、獲って嬉しい…」


 「ワシはっ!!ワシは食べてないよのう?」


 このプレッシャー・・・・。


 「はっ、すいません!今すぐに準備を致します!」


 「ほう。貴様も小姓みたいに分かってきたではないか。遠藤より使えるんじゃないか?かれーは村の者に全てくれてやれ!」


 オレは寒い中一人で一心不乱にトマホークmk-2神様verをぶっ放し浮いてきたウナギを拾い八兵衛村長に捌いてもらって、昨日みたいに竹串に刺してタレを付けて焼いた。焼いてる途中に信長さんがニヤニヤしながらこっちに来た。


 「貴様はこんな見ただけ匂っただけで美味いと分かる物を、ワシに隠してたのか?ん?」


 笑顔の下に凄まじい切れ味の刀でもあるかの様な問いなんだが!?


 「いえ、隠してた訳じゃなく、このウナギが居るのを昨日知りまして・・・」


 「言い訳はするなっ!!早くそれを食わせろ!」


 「八兵衛村長!ご飯は炊けましたか!?」


 「はっ、剣城様!ご飯でございます!」


 信長さんのプレッシャーに八兵衛村長まで緊張してるんだが!?オレに敬語使ってるんだが!?


 「このむなぎ・・・ウナギだったか?香ばしい匂いが漂っておるのう。では頂こう・・・。貴様っ!!!!(ハスッハスッハスッハスッハスッハスッ!!!)おい!剣城ッ!!!!!もう一杯分焼いておけ!!!」


 結局その後もう一杯と計3杯もおかわりをして、オレと八兵衛村長は信長さんのプレッシャーに疲れ、村を労う筈が戦の後ですか!?というくらい疲れた・・・。


 「今日はこのくらいで堪えてやろうかのう。それにしてもこのウナギは美味いのう。特にこの黒い汁がなんとも言えん!まよねーずにも負けず劣らずいい勝負じゃ!この汁は技じゃなく、ここで作れないのか?それと何故こんなにウナギが泥臭くないんじゃ?」


 「まずこの黒い汁は頑張って試行錯誤したら作れない事はないと思います。実はウナギが臭くない理由はこのタレにあるのです。これと全く同じタレは・・・誰が考えても作れないと思います。似た様な物は作れると思います」


 「ならここで作ったタレではこのウナギは臭いままなのか?」


 「いや、正確には分かりませんが泥抜きさせたら臭くはなくなるんじゃないかと思います」


 たしか、前に小旅行に行った時に食べた鰻屋で地下水とか井戸水かなんかで1週間くらい餌を抜いたら臭くなくなるとか店主が言ってたかな!?物は試しにやってみるか!?また伊右衛門さん達とウナギのタレの研究か!?


 「では早急にこのウナギのタレを城の者でも作れる様に完成させろ!ウナギなら城の横に流れておる川にも居よう。そうだな・・・。新たにウナギ衆も作る。人選は貴様に任す!」


 「どうせならカレーもこのウナギも完成したら特産品にでもしたらどうですか?戦が終われば平和になります。平和になれば人の往来が増え、食事処があり評判になれば人が更に集まり、交流も盛んになります」


 「その話はまた追々聞くとしようか。八兵衛!大義であった!先も言うたがこれからも頼むぞ!よし、帰るぞ!貴様は走って城まで帰って来い!ワシに内緒にしておった罰じゃ!走れば腹にも良かろう!」


 え!?マジで言ってんの!?走れば腹に良かろうって・・・。オレだいぶ痩せてきてると思うんだが!?いやいや、マジで信長さんオレ放って行ってるんだが!?


 「剣城様、辺りも薄暗くなってきております。私が先導します。ゆっくり走りますので」


 いや、お菊さんどこから現れた!?くっそ!!!分かった!分かったよ!!走って帰ってやるよ!!!


 「八兵衛村長、ドタバタですいません!国友さんが居ないと作業が進まないので、帰ってくるまでゆっくりしていて下さい!いつ頃帰ってくるかとか聞いてますか?」


 「いや、こっちこそすまんかったな。後でかれーを食べようと思う。国友は年明けくらいになるとは聞いたぞ?」


 「分かりました!年明けまでにはまた来るかもしれませんが、年末は餅持って来ますので食べましょう!ではお疲れ様です」


 「おうっ!後、その餅は先に織田の殿様に食わせてからにしろよ?」


 「はは!大丈夫ですよ!では!」


 そこから織田家ブートキャンプ・・・。お菊ブートキャンプで半泣きになりながら汗だくになり帰った。


 「剣城様!後もう少しですよ!!」


 お菊さん・・・。全然ペース遅くないよ・・・。貴方、何で笑顔なんですか!?ドSですか!?

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