名付けて村の一員になろう!みんなでBBQしよう!作戦(失敗)
帰りは、八兵衛村長、太助、権助は神妙な顔して、伝兵衛はウットリとオレを見ている。
対してオレは猪肉があるのとネットスーパーの使い方が分かった気がするので、体は超軽やかだが、期待されてる、奇跡を起こして下さる!という目がオレに寄せられてるため(伝兵衛さんから)神様に改造してもらったこの"身体"を持ってしても寒気がする。
イヤイヤ!おじさんにそんな目で見られても全く以て嬉しくないし!!!なんなら伝兵衛さん、さっき倒した猪の匂いがするし!!!!
さっき倒した猪。当然最初は怖かったが何でだろう?体が自然と"恐怖に慣れてた"と言うかピストルも初めから"撃ち方"を分かってた様な感じがする。
今度気まぐれヘルプゴッドファーザーさんが出たら聞いてみようかな?
帰りに色々聞かれるかと思ったがやはりと言うか、全員言葉を発さずに来た道を戻る。
さすがこの時代の人。同じ道かは、オレには分からないが迷いなく進んでいる。
便利な道具、技術が未来にはあると言っても動物的な勘、気力はこの時代の人の方が凄そうだ。
帰りは伝兵衛さんの事も考えてゆっくり約1時間くらい掛けて帰ってきた。
村に到着し各々が、家に戻る前にオレは言う。
「皆さん、今日はありがとうございました。お疲れ様でした。色々自分に聞きたい事があるのは分かります。日が暮れる前に、伝兵衛さんは手の事があり辛いかもしれませんが村の外で自分の説明をします。呼びに行きますので少しお待ち下さい」
「剣城様の事、最初信用しないとか言うてたワシが恥ずかしく思う。此度の事に報いる事は農奴のワシには出来んが、剣城様がまた山に入る時、厠をする時、川で行水する時はワシが露払いくらいはさせてもらいます。本当に助かった」
イヤイヤ伝兵衛さん、何!?便所の時もオレ見張られるの!?風呂ではないけど体拭く時も見られるの!?そんなの無理無理無理!!!
「今回、伝兵衛さん、八兵衛村長、権助さん、太助さん、みんなが居てくれたお陰で山に入り、無事?ではないかもしれませんが村にみんなで帰ってこれました。
途中色々あったかもしれませんが自分はただの平民です。むしろ農業など知識すらありませんし、この村の人みたいに開墾する知識もありません。
人に"優劣"など無いと自分の尊敬する人(まぁマジの意味のゴッドファーザーだけど)に教えられました。山に入る時はまた手を借りたいと思いますがどうかこれからは自分も………村の仲間に入れてもらえると嬉しいです」
言えた・・・・。今世紀最大の大事な事、一言も噛まずに言えた・・・。見た目は、少しメタボ、顔面ブサイク、未だ褌一丁だけども・・・。言えたぞ!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・
えっ!?何!?この間合い!?沈黙!?オレ変な事言ったか!?!?
「正直、剣城(つるぎ)が村に来て二日、ワシの家に寝はしたが悪い奴ではないと思う。が、ワシは剣城が少し怖い。以前話した、頭が自刃なされた"加納口の引きの陣"の折り、斎藤家の兵士も怖かったがそれ以上に剣城(つるぎ)がワシは怖い」
「あっしは、織田の若殿様を間近で拝見した事ありますが、織田の若殿様も人を近寄らせぬ恐怖がありますが、あっしは、剣城殿の方が得体が知れない恐怖を感じます。が、あっしも剣城殿が悪い人やどこか他の家の間者とも思いませぬ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
八兵衛村長はオレが怖いと。太助さんも怖がってるが少し信用してくれたと。
そして権助さんは何か言ってくれよ!!!!元々口数少ない人だなー!とは思ったけどもよ!!!
やっぱ自分の想像の範疇を超える事、物を見ると萎縮して恐怖を感じてしまうのかな?
オレもこの時代の生まれなら知らない未知の道具、物を使う人が居たら恐怖して警戒してしまうんだろうな。それに、褌一丁で、いきなり空間から物が出てくるんだしな。
これは、オレの一世一代の「名付けて村の一員になろう、みんなでBBQしよう!」作戦は時期尚早だったな。
考えて見ればまだ二日しか経ってなかったししょうがないか。折角ゴッドファーザー並みの"決まったな"とかドヤ顔してしまったのに…恥ず。
「皆さん分かりました。この後、自分の事ちゃんと話します。それを見て判断して下さい。それを聞いて皆さんが自分を"怖い""村に必要ない"と感じるなら言って下さい。自分はこの村から出ていきますので。
それと、せめて狩りの前に言った、禁忌かもしれませんが、先程は倒した猪肉をみんなで食べましょう。村の人全員に食べて頂きたいので量は少ないですが、きっと満足していただけると思います。それも今から自分が用意いたしますので。どうかよろしくお願い致します」
オレがそう言うと各々は家に一度帰って行った。
まぁオレは八兵衛村長の家に帰るんだけどね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます