コーラ最強説
少し城の周りを散策してから信長さんのところに戻る。またあの血反吐が出そうな光景を見たくない為、静かに襖を開けるとまた信長さんが横になっていた。
「失礼します」
「おう。貴様か。あの飯は何だったのだ?米もやけに白かったが、米の周りに付いておった黄色いやつも美味かった。
なんと言ってもあの飲み物が1番美味じゃった。最初水かと思うたがあのなんとも言えぬ鼻から抜ける優しい味が・・・・・・・・ゴホンッ!」
「今聞いた事も忘れよ。分かったな?貴様は何も聞いておらぬ」
くっそ!!高性能ボイスレコーダーでも用意しておけばよかったか!?しくじったか!?
「はい。何も聞いておりません。それにあのハチミツレモン水は風邪の時と・・・咳病の時とかに体に良い成分が入っております。他にも美味しい飲み物はありますのでまた今度お出ししますよ?」
「口惜しいの・・。ワシが無闇矢鱈に貴様の技を使ったら示しが付かんから使わん様に言うたのが仇になったか」
本当に残念そうな顔をしてる・・・。一昨日、柴田家で飲み会しましたとか言ったら絶対切腹って言われそうだよな・・・・うん。絶対言われる。
ここは薬と言って何か出すか!?さすがに、酒は出せんから・・・。でももう熱も無いし元気そうだよな!?・・・・・・・薬と言ってゴリ押しするか!?もういいわ!
《コーラ1ℓ》¥300
を購入して信長さんに蓋を開けて渡した。
「これは体が良くなり初めた時に飲む薬です。だから見た目が黒い水で少々口の中で暴れてお腹が膨れてゲップを頻発してしまいますが薬です!」
なんとか薬でゴリ押ししたけど飲んでくれるか・・・・・?
「薬と言われれば飲まねばなるまいっ!さぞ苦い薬なのだな!?見た目が悪そうだが!?それになんか音もしておるしな!?」
言葉とは逆に奪い取るように引ったくった。そして躊躇なくそのまま飲み出した。
いやいや!信長さん!?半分くらいイッキですか!?絶対ゲップヤバいですよ!?思わず止めてしまう。
「何をするかっ!!貴様は!!これは薬なのだろうっ!?薬はちゃんと飲まんといかんだろうがっ!?(ゲ────────ッ)」
信長さん??めっちゃ目が血走ってるんですが!?コーラ如きでそんなムキにならなくてもよろしいのではなくて!?!?それに最後特大のゲップ頂きました。どうもありがとうございました。
「これはコーラと言って美味しいからと一気に飲むと先程の様にゲップが出るので気を付けて・・・・」
「ワシがこのこーらとやらに遅れを取るとでも?咳病をも駆逐したワシの体がこーらとやらに負けるとでも?」
いやいや!コーラと戦ですか!?しかもゲップくらい下品かもしれんけど別に我慢しなくてよくないすか!?我慢したらしんどくないすか!?
さすが天上天下唯我独尊さんですね。さっきまで奥さんの方が正にと思ったけど、やはり信長さん、貴方が間違いなく天上天下唯我独尊ナンバー1です!!
「いえ、何でもないです。お好きにお飲み下さい」
「うむ。分かればよ・・・・(ゲーーーーーーーッ)」
そら見た事か!言う事聞かんからじゃん!
「ワシとした事が失礼した。このこーらとやらは凄まじいの。泥水みたいだが甘い!美味い!酒よりいけるな。毎日でも飲みたいくらいだ。それにこれは松平の同盟の成功の折にも使えるな。どのくらい用意できる?」
急に信長の目が変わった。
「はい。用意しろと言われたら銭さえあれば尾張の人と松平さん側の人全員に飲ませられるくらいは用意できるかと・・・・。でも、まだ同盟されてませんよね!?」
「クックックっ。あの松平・・・元康は中々腹黒い読めん男じゃが、この時勢。彼奴は今川から独立。ワシは斎藤を滅する。利害が一致しておる。ここで彼奴がこの同盟を蹴るような事があれば一生独立なんぞ出来ん。この同盟は絶対成功する」
「たしかに、私が知ってる未来でもこの清洲同盟は成功・・・『黙れっ!!!!!』ヒィ───ッ」
「これから貴様が知っておっても未来の話はするな!これからの先の事、日の本の未来はワシが・・・・」
「この平朝臣織田上総介三郎信長(たいらのあそんおだかずさのすけさぶろうのぶなが)が作る。貴様が知っておる未来とは違う、もっと良い未来を見せてやろう。貴様は黙ってワシに着いてこい」
「・・・・・・・・・・・・・グスンっ」
オレは自然と涙がこぼれていた。畏怖?悲しみ?いや違う。もっと違う感情だ。何か嬉しい様な気持ちが昂ぶる様な感じだ。
いやまぁ、だまれ!と言われた時かなりビビったけども。
「グスンっ・・・・正直に申し上げます。私は最初未来の事・・この時代の権力者、信長様に少し助言でもして未来の物でも献上したら褒美に女でも貰えて厚遇されてと簡単に思っておりました。
けど実際、信長様を見てそんな簡単な事ではないと知りました。昨日信長様が咳病で寝てる時、絶対信長様を助ける!と思い徹夜で看病しました。昨日、信長様を害して私が未来の力でこの日の本を牛耳る事も可能だった筈です。
けど、けど!!私は信長様の天下が見たいと思います。私は信長様にはなれません。戦も出来ません。自分が知ってる未来とは違う方になるかもしれませんが、これから信長様が作る未来を私は見てみたいです」
「ふんっ!貴様がワシを誑(たぶら)かそうなんざ100年早いわ!この戯けがっ!大体、貴様は人を殺した事もないだろう。目(まなこ)を見れば分かる。人はそれぞれ役割がある。今回の事は不問とする。励め!」
「ありがとうございます。一生懸命頑張ります。それと相談したい事、これからの事にもなるのですが構いませんか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます