今孔明、飴玉作戦
次の日、八兵衛村長宅の例の端の方で萎れた藁で寝たが目が覚める。
いてててて、チクチクするし腰痛えーし、よくこんなとこでこの時代の人達は寝れるな。これは早急に布団、高級なカシミヤの上等な布団を購入しないとダメだな。
周りを見ると既に八兵衛村長、おつゆさん、子供達は居なかった。瓶に入ってる水で顔を洗い表に出ると子供達は石投げで遊んでいた。
朝から石投げて!!危ないじゃないか!!!すると五郎がオレに石を投げてきた。間一髪オレは避ける。
五郎君!石は危ないから投げては駄目!!ましてやオレは褌一丁なんだから怪我するだろ!と語気を強めて言うと五郎君、涙目になる。驚くオレは多少強くは言ったがそのくらいで?と思った。
「泣ーかした!泣ーかした!父ちゃんに言ーってやろー」
「いや、ちょっ!!待って、違うんだ!本当に石は危ないから・・」
オレがそう言うと一郎君がニヤッと何か企んでそうな笑みを見せる。五郎君も泣く真似をしながら指の隙間からオレを見てる気がする。
「昨日五郎に渡した丸っこいやつをくれたら内緒にしてやってもいいぞ?どうする褌のおっちゃん?」
クッ!!これはオレが嵌められたのか!?!?そうなのか!?現世でFランだが大学まで卒業したこのオレが小学生にも満たない子供と中学生レベルの子供に嵌められたのか!?
家を追い出されたらホームレスになるためオレは飴玉くらいならと二人に渡す。
「さすが!褌のおっちゃん!分かってるな!!」
まぁ、おつゆさんに警戒されて八兵衛さんの子供達にも警戒されるよりはいいかなと思っていたら四郎君がオレに"わざと"ぶつかってきて大袈裟に転けて泣き真似を始めた。
クッ!小癪な!本当におつゆさんの子供か!?ほぼほぼ八兵衛村長の血じゃないのか!?と思いながら残りの兄弟にも賄賂・・じゃなく飴玉を渡す。
「くれぐれもこの事は八兵衛父さんとおつゆお母さんには内緒でな!?」
オレは学校にすら通ってない戦国の子供達に翻弄され戦略的撤退をする。子供達に八兵衛村長達はどこに居るのか聞いたら畑に居る事を教えてもらいオレは畑に行く事にする。
畑に行く途中村の人に「よっ!褌の大将!」とか「おうっ!例の褌!また昨日みたいなの食わせてくれよな!」と声を掛けられる。
だからオレは好き好んで褌じゃねーって言ってるだろうが!!!
八兵衛村長達の畑に着いたら稲穂をちょうど刈って干しているところだった。この時代の人は大変なんだな。未来でも農家は楽じゃないがトラクターとかコンバインだもんな。
「八兵衛村長、おはようございます。寝坊してすいません。何か手伝える事ありますか?農業はした事は無いですけど、雑用くらいはします」
「剣城か…。相変わらず起きるの遅いな。剣城は昨日色々してくれたから何もしなくてもいいぞ。なんならガキ達の相手してくれれば助かる」
子供達の相手か・・・。苦手だなと思う剣城だが断れる筈もなく、
「分かりました!お子さん達と遊ばせてもらいますね」
そう言うと八兵衛村長、おつゆさんがニコッと笑い頭を下げた。
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