奇妙丸君・・・しっかりしすぎだろ!?
乗ってる時は楽しそうな顔してたが、帰ってきた時は何故か悔しそうな顔になってた池田さんは一言・・・・。
「お館様・・・。余りにも短すぎます・・・」
そう言い城の中に帰っていった。
「ふん。同じ乳兄弟だから小半刻も乗せてやったのに我が儘じゃのう」
いや、貴方は1時間以上乗ってませんでしたか!?しかもオレはまた自分の脚が無くなったんですが!?池田さん・・・。どんまい!今日の夜チョコレートとまたお酒持ってってあげるから!
「まあなんだ。座れ。して、話とは何ぞ?」
「はい。少し長くなります。今思ってる事とやりたい事を言いますね」
オレはこの先、未来の出来事とか関係なしに美濃は信長さんが取ってくれる様に動く事、特に竹中だけは絶対許せないから、さすがに殺す事まではしなくても一発殴ってやりたい事を伝え、兵隊の役割分けをすれば効率的に軍が動かせる事を言った。
特に衛生兵の重要性を伝えて、負傷した人を即座に後方に戻し、治療すればその時の戦には間に合わないかもしれないが次の戦にまた戦線復帰して兵が減らない。
そして今も徐々に広げている食べ物を尾張国一体に広げ、国力を富み、他国が疲弊しても織田は揺るがない強さを持てる様に食糧の保存を村々で許す事、それと普段この時代の人が馬鹿にしてる草の人達、つまり忍者の人達を厚遇するよう進言した。
「まずは、一つずつ聞こうか。兵隊は主にどういう風に分けるつもりだ?ああ。ついでだ。誰ぞある!奇妙を連れて参れ!」
「父上、お呼びでしょうか?」
この子供が将来の信忠君か。まだ本当に小さい幼稚園の年少さんくらいなのにしっかりし過ぎだろ!?何か可哀想だな。
「奇妙、挨拶をしろ。まだ織田家には新参だが此奴は良く織田家に尽くしてくれておる」
「はい父上!某、奇妙丸と申します。以後お見知りおきを」
大人な挨拶されたから大人風に返さないと失礼だな。それにしても本当に大したもんだ。
「私は芝田剣城と申します。信長様に少し前からお仕えしております。宜しくお願い致します」
「奇妙、そこに座って聞いておれ。此奴の言う事はこれから役に立つ。それとワシは年明けに清洲を離れ小牧山の城に居を移す。
臨時ではあるが奇妙が城主だ。此奴と木下藤吉郎が補佐をするよう言うてある。2人の意見を蔑ろにするな」
「はっ。未熟者ですが御指導御鞭撻の程、宜しくお願い致しまする」
いや、本当にこの天上天下唯我独尊さんの息子か!?めっちゃ礼儀正しいんだが!?
「それで兵隊は主にどう分ける?」
「まず大まかに、兵隊の飯や武器を運ぶ輸送隊、調理した飯や武器を参戦部隊に運ぶ補給隊、陣地を構築したり破壊する工兵隊、情報や敵を錯乱させたりする情報部隊、最後は先程言った衛生部隊です」
「そこまでして兵を分ける意味は?」
「まず負傷した兵は先程も言った通りです。私の技で応急処置ができる医療品を渡し、ここで作れる物は作る様に致します。そして兵糧もさっき言ったように尾張が富むことになれば兵糧の心配が無くなりますよね?
そしてそれを補給隊に渡し、壊れた武器も壊れた分補給が出来、負傷した兵も戦線復帰すれば勝てるまで戦えます。
仮に攻城戦になったとしても工兵隊が強固な陣を作り攻城兵器をどんどん作れば・・・籠城なんか無意味になりませんか?」
「確かに籠城側はたまったもんじゃないな。だが情報部隊は何だ?」
「情報部隊は事前に敵の偵察及び偽情報を流します。特に私はこの情報部隊が1番大切だと思っております」
「ほう。それは何故じゃ?」
「それはこの情報によって戦が出来るか出来ないかを判断できるからです。如何に敵方が戦の準備を隠しても米を買い占めたりしたら、そこの領民は分かりますよね?
ましてや他国では、この兵農分離及び専門隊なんか居ないので。では、織田が斎藤に戦を仕掛けたとします。この仕掛ける前に、斎藤の地域全ての米を情報部隊が買い占めたりしたら、斎藤の兵糧はどうなりますか?」
「当たり前に戦どころじゃなくなる」
「このやり方は非常に銭がかかりますが効果的ですよね?他にもわざと作物を成長させない様な薬なんかもあります。それを事前に情報部隊、または隠密部隊なんかに渡してその任務が成功したとして、斎藤との戦では信長様はどうですか?」
「侮るな!!そんな奴らに負ける筈がないわ!」
いや、例え話でそこまで怒るなよ!!分かりやすく説明してるのに!!!
「ではその戦が終われば誰が1番の功労者だと思いますか?」
「それはやはり最後にとどめを差した奴ではないのか?」
「そこが違います。私ならこの情報部隊が1番の功労者だと思います。何故ならさっき信長様が言われました『その様な奴に負ける筈がない』と言ったように戦う前に勝てる様に操作してるからです」
「確かに一理あるな。だがそんな重要な奴らが敵方に寝返ったらどうするんじゃ?」
「寝返らないように人選はきちんとしますが、この情報部隊に関しては私に一任して欲しいです。主に甲賀の人達にお願いしたいです」
「貴様が自ら言うてくるのは初めてだな?草の者や乱波者の手綱は貴様が御せるのか?」
「もし・・・もし裏切りがあった場合は私が始末をつけます」
「良きに計らえ。貴様の考えは分かった。熟考するに値する。他の皆にも今の事を聞かせる。少し遅くなったが今から大黒剣(だいこくけん)に乗ってあの村に礼をする。貴様も着いて参れ。それとワシの名で未来の上等な酒とケーキを渡せ。それで奇妙は今の事を少しは分かったか?」
「申し訳ありませぬ、父上。某は若輩者なので意味が分からず・・・」
「ふん。少しずつで良い。初めから分かる奴なんか居ない。年明けには、此奴と喋る事も増えるだろう。分からぬ事はちゃんと聞け。分からずに事を進めるは馬鹿がやる事だ」
「はっ。ありがとうございまする。一生懸命励みます」
「遠藤!!!今から剣城の村に参る!台所衆に言って至急かれーを鍋一杯作って村に持って来い!」
「はっ。何人分必要でしょうか!?」
「今は警備の人も入れたら、90人くらいでしょうか?」
「では余裕を見て100人分程急いで作ってまいります」
「うむ。遅れるなよ。剣城!貴様は馬に乗れなんだな?特別に"ワシの"大黒剣(だいこくけん)の後ろに乗せてやる!行くぞ!」
いつの間に信長さんのバイクになったのかな?おかしいな!?それに、遠藤さんどうやってカレー持ってくるんだ!?
しかも100人分も!現地で作った方がいいんじゃないか!?確かに今は伊右衛門さんのお陰で現代のお店レベルに美味くなってるけどもよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます