前のエピソード――神様から着床させられた1561年　永禄4年

　オレは現実に戻される少しの間に何故巻き込まれただけなのに過去に飛ばされたのか？神様の名前は！？

　ヒャッハーはするつもりは無いが、ある程度歴史は変えても大丈夫なのか？本来の世界線で自分は死んでしまったのか？等の大事な事を聞きそびれた事を後悔した。

　そして現実に戻された。

　「あっ、知らない天井だ」

　そこには天井の隙間から少し空が見えるのだった。

　一度は誰もが言ってみたい言葉だよな。同じ日本、今なら日の本と言うのかな？の過去にタイムスリップして知らない人の家で藁に包まれて当初はあんなにテンパったのに今は落ち着いて考えられる。

　我ながら図太いのかな？それに神様から色々スキルも貰えたし何とかなるかも？とりあえず極力権力者に関わらず静かに暮らそう。

　そうオレは考えるが、この時代の麒麟児織田信長の耳にオレの噂が入るのはすぐ近くである。

　『考えるも何もオレまだ褌やん！』と思わず1人でツッコミをしてしまう。

　それに、起きて家の中を見てみたら外から少し話し声が聞こえるが家の中は子供も、うらやま....けしからん！な奥さんも八兵衛村長も居なかった。

　時刻は今何時だ？

　いやいや待て待て。そういえばこの時代は現代の時間が当てはまらない。それに十進法が当てはまるかも分からない。

　くそ〜、大きな歴史を知ってても細かい日常的な事が分からん・・・。昨日の夢の狭間？なとこでは正直、神様の話しの途中『勝ったな』とか思ったんだけどなー。

　とりあえず神様から改造？してもらった体、スキル貰ったし目立ち過ぎない様に生きよう。

　それでは例の如く……………………。

　「ネットスーパー」

　そうオレが唱えると目の前にタブレットみたいな端末が出てきた。出てきたタブレットの前でオレは、にやけて呟く。『やはり勝ったな』

　そして、タブレットを見たオレは夢？以来にまた絶句する。

　はぁー！？何でトップページ最初にヘリコプターなんか出てくるんだよ！！しかも説明は日本語の癖に何で値段がドル表記なんだよ！！！使わす気が無いだろ！？

　オレがツッコミを入れたネットスーパー。通称「Garden of Eden」。

　イヤイヤイヤ。これもまた名前負けか！？名前負けなのか！？物凄く名前は仰々しいを通り越してむしろ神々しいまでもあるけども！それにヘブライ語じゃなく英語だけどもよ！

　オレがまた一人でいつものノリツッコミをしてると右上のヘルプの文字が点滅してる事に気付いた。思わずタッチしてみる。

　「良く来た。我が息子、芝田剣城よ」

　そこには夢の中で会った神様のホログラム的なのが出てきて言った。

　「先程はどうもありがとうございました。この名前がかっこいいネットスーパーを使いたいのですが全て日本語表記にしてくれませんか？」

　「んっ？ワシとした事が元の転生者（我が息子）に与えるスキルのまま日本の我が息子に与えてしもうたか。そうか。それはすまなんだ。元の我が息子は異世界に行っても自分のルーツの言語を忘れたくないと言う事でこういう表記にしておいたのじゃ」

　「えっ、元の転生する予定だった人って在日アメリカ人？もしくは在日英語圏の人だったって事じゃん！……………くそっ！ここでもオレは負けるのか。なに！？その異世界に行っても自分のルーツを忘れないためとか、意識高過ぎるだろ」

　「我が息子。生まれの国違えど人間は皆同じ。優劣など無い」

　やっぱこの人？と言うていいのか分からないがこの人は神様なんだな。

　「よし！これで我が息子にも見える様にしておいたぞ！ワシは単なるヘルプじゃ。ワシが暇な時しかヘルプは受け付けておらんのでな。そこだけ気を付けてくれ」

　「イヤイヤ。それヘルプじゃないじゃん！むしろヘルプになってないじゃん！！こっちが聞きたい時にヘルプ無いとどうすんのよ！？」

　「むむっ……。そう言うてもだな。ワシもそこまで暇じゃないのだよ。我が息子に言うた色んな世界線の管理、マナの補填、我が星地球の我が息子、もしくは我が娘達の完全なる安全のマナとのリンクを構築しないとまた"部下"がミスしてしまうからな」

　いや、ほぼ他の星の事じゃん！とオレは心の中でツッコミをいれる。しかも部下のとこだけ、やけに強調してるし。

　「まぁ、事情は分かりました。基本的には自分で頑張ります。ただ大事な事聞くの忘れたので、2、3聞きたい事があります。一つ目、この世界線でヒャッハーするつもりは無いですがある程度好きに生きていいのですか？

二つ目、作ってもらったピストルはどこにありますか？

三つ目、このネットスーパー「Garden of Eden」の残高0円ですがどうやってお金を入れるのか教えて下さい」

　「一つ目に対しては基本我が息子が生きた令和の日本の時間軸ではあるが、我が息子が組み込まれたため我が息子が知る大きな歴史転換の出来事を改変しない限り歴史の修正が行われる。

　そしてそこで大きく改変したとしてもそれをワシ達が修正、管理する。修正不可能なとこまでくればまたそれは新たなる世界線になる。じゃから気にする事なく好きに生きるがよい。我が息子には"部下"が大変申し訳ない事をしたからな」

　この後に及んでまだ部下かよ！

　「二つ目に対しては、ワシが作った『完全無欠、全宇宙どこにでも即座に配達できない物などないGarden of Eden』は我が息子に分かりやすく言うとマジックバッグと言えば分かるか？の機能がついておる。

　我が息子は神格が無いから無限という訳にはいかないが、令和の時間軸のそうだな……大きなビル10棟くらいは容量があると見てくれて良いぞ。時間も通常の65535分の1ずつしか進まない。（ドヤッ）」

　いや何故に二進法！？パチンコですか！？そして最早、恒例のドヤ顔。

　「ただし命ある者、例え目に見えない生き物でもそれは入れられない。収納するときに弾かれる。そこだけ気を付けよ。三つ目に対してはこのGarden of Edenは我が息子のいた令和4年の時間軸で作成してある。

　その、令和4年時期の価値観で選別される。主に価値観が変わりにくいのは金、銀、銅くらいか？後はこの時間軸の刀、湯呑みや、茶器なども価値がありそうな物をこのタブレットの上に置けば後は自動で鑑定されチャージされる。

　これも気を付けなければいけないのは何でもかんでもタブレットに置き、チャージばかりしてはこの時間軸の未来に価値のある物が無くなると言う事。　そして、そのせいで新たなる世界線になる事も考えよ。換金された物はランダムに未来の出土品として配置される事。気を付けよ」

　いつになく真面目なthe神様な感じで狼狽える。

　「分かりました。あまりやり過ぎない様に慎ましく目立たない様に生きようと思います！あと最後にもう一つ、僕の体は自然治癒力が上がってると思うのですがどのくらい変わったのですか？」

　「怪我や病気になりにくくはなっておるが、全くならない訳ではない。"身体"が限界を超え疲労が蓄積したら風邪などを引く。その風邪が治らないのに更に無茶をすれば怪我をする。そして、どうしようもない、この時間軸で例えるなら刀で心臓を貫かれたら死ぬる事になる。風邪を引いたり、転けて擦りむいた傷くらいなら通常の"身体"より5倍くらいは早く治ると思うておけばよいぞ」

「分かりました。できるだけ普通にしておきます」

　「うむ。色々説明が、あやふやになりそうだったがこれで良かろう。そもそも、ワシの"部下"が原因じゃったからこの様な事になったのじゃ。我が息子の時間軸の父母にも申し訳ない事をした。あの世界線では我が息子は行方不明扱いになっておる。それ以外の世界線が作れなんだ。それに関しては、"ワシ"が謝る。すまんかった」

　やはり行方不明扱いかぁー。まぁなんとなく死亡か行方不明かとは思ってたし、親父やお袋と会えないのは辛いし、親孝行も出来なかったから余計に・・・。

　「グスンっ、あれ！？何で涙が！？グスンっ」

　「我が息子に幸あれ。またこの世界線で寿命を迎えた時、正しき魂の輪廻で会う事を願わん」

　そう最後は神様らしい言葉を言うとホログラムは消えた。

　グスンっ………神様………服くらいサービスしてくれてよくないすか！？