ゴッド製薬会社 栄養ドリンク
「ははは!さっ皆、飲めや舞えや!酒を持ってこい!」
「やだぁ〜!殿ったら!」
「お前は今日の寝屋に来るんだぞ?ははは!」
「殿!!何をしておられますか!?そんな事ばかり遊んでいたら、いつ織田が来るか分かりませぬぞ!?」
「おい!竹中!殿は今、気分が良いところだ!邪魔をするな!」
「チッ。竹中か。この城は天然の要害。誰にも落とされぬ難攻不落じゃ。控えろ!」
「ですが──」
「くどい!!!お主は我に歯向かうのか!?お前が居なくともこの城は落ちはせぬ!」
「・・・・・失礼します」
あの織田の料理ご意見番が撃っていた鉄砲・・・。連射でき味方は頭を撃ち抜かれていた・・・。あれを装備した者がこの城に参れば・・・殿は安易に考え過ぎだ。小姓も老中もあれじゃ・・・。私からの最後の御奉公・・・。龍興様・・目を覚まして下さい。
「お館様!稲葉山城が制圧された模様です」
「なに!?誰にじゃ!?」
「竹中半兵衛なる者だそうです」
「どうやって制圧した!?ワシでも手を焼いておると言うのに。まあ良い。至急竹中に書状を出せ!」
「剣城様!例のうなぎをこれから作るのですか?」
「そうだよ。関さんと明智さんが是非食べたいと言うからね。お菊さん達も食べるでしょう?」
「はい!是非お願い致します!!」
「よし!今回はタレを自作で作ってみるか!?簡単に作れると把握してもらう方がいいしな!その前に・・・全員集合!!!」
「はっ!」 「三左衛門一番乗り!」「いや、青木家の方が早かった!」「いや野田家が一番に集合した!」 「某はいつ呼び出されても良いようにスタンバイしておった」
いや集合と声掛けして、3秒くらいで皆集まったんだが!?しかも音が一切聞こえなかったんだが!?てか、誰が一番に着いたとかどうでもよくないか!?
「各々方・・・。某は最初から殿の横に居た・・・。某が一番乗り也!」
「金剛!貴様少々顔が良いからと、殿からの寵愛を受け我らを愚弄するかッ!?」
はっ!?いやそこまで言い合いする事か!?しかも別にオレ金剛君に手出してないすよ!?オレは女が好き・・。何ならお菊さんが良い・・。ゲフンゲフン。金剛君もなに勝ち誇って言ってるんだよ!?
「誰が一番とかどうでもいいから!とりあえず落ち着いて!ただ・・・ここからは勝負にしましょうか。じゃないと張り合いが無いからね。それにたまには買い物しないと農業神様も困るからね」
「勝負・・・」「ここは我が皆を出し抜いて」 「まずは小川を蹴落とし・・」「野田は足が速いから・・」
おいおい!なんか殺気を感じるし、何なら皆の心の声が聞こえる感じがするんだが!?
「長島の人達を刺激せずに、ウナギを捕まえて来て欲しい。それとオレも捌くけど前教えたように捌いて欲しい。捕まえ過ぎるとウナギがいなくなるから、子供のウナギは捕まえないように!捕まえてきたのが多い上位5名に・・・欲しい物を褒美として渡します!」
「「「「オ─────ッ!!!」」」
その後は急に皆消えて、いきなり辺りが静かになった。金剛君はオレの横に居たままだ。
「あれ?金剛君は行かないの?」
「はっ。某は剣城様に何かあるといけないので、ここに居させて下さい」
「うん?別に何も無いだろ?まあけど、ありがとね」
それから亀山の城の中で、取り決めを行っている滝川さんをトランシーバーで呼び出し、これからウナギを捕まえて、今日の夜飯はウナギにする事を伝えた。心なしか滝川さんも喜んでくれてるように思う。
『見事な采配だった。今書状を作っておる。それと今お館様から連絡があった。稲葉山城が竹中何某に制圧されたようだ』
「あ、やっぱこの事件は起こったんですね。竹中半兵衛の乗っ取りでしょう?」
『なに!?剣城は知っておるのか!?』
「未来ではまあまあ有名ですよ。確か間違いが無ければ、進言した竹中半兵衛を斎藤龍興が蔑ろにして、最後の奉公とか言って諌める為に病弱な弟の見舞いと装い、16人で制圧したんでしょ?」
『・・・・そこまでは聞いておらぬが・・それは誠か!?』
「一応私が居た未来ではこれが通説でしたね。その後、お館様が竹中に書状を送るけど『一時的に預かっているだけ』と、稲葉山城を明け渡す事を拒否されていましたよ」
『いや、確かにお館様は書状を出したとは言っておったが・・・』
「私が来た事で多少変わってるとは思うので、違うかもしれませんけどね。それにこの関さんも私の居た未来では、織田とは戦ってたという事は無かったと思うので、これから私の歴史のアドバンテージは無くなります」
『あどばんてーじ!?それは何だ!?』
「ああ、すいません。歴史的に有利にはならないって事です。私の知らない歴史になってくる筈なので。その稲葉山城乗っ取りも、本来よりだいぶ時期が早いと思います。けど、私が信長様に日の本統一してもらいますので、大丈夫ですよ!そんな事より色々自分が決め事して、すいませんでした」
『お主は・・・・いや、何でもない。今は詳しい事までは決めるなとお館様に言われた。だがある程度の差配はワシに任せると申された。お主の意見を取り入れようと思うが』
「分かりました!使う人なんかも甲賀の人を使いたいです!それに戦働きや力仕事、農作業の出来ない人を、飯屋や養殖業に携わってもらいたいので、これから忙しくなりますよ!」
『ふん・・・。すまんな。では夜飯は期待しておこう。通信終わり』
竹中の事を考えるとまた自分が可笑しくなりそうだから、オレは深く考えないようにした。前みたいなイライラとかは無いけど、やはり釈然としない。絶対何かしらで落とし前は付けさせてもらうぞ。
その後、金剛君、大膳君に包丁とまな板もどきを用意してもらい、オレも捌くとは言ったものの綺麗には捌けないので、甲賀の人達にほぼ任せるとは思うけど、米を用意し必要な物はGarden of Edenで購入した。
《備長炭10kg×5》¥10000
効能・・・・火付きが良くほのかに良い香りになる。燃え滓が舞わない仕様。
《芸術神眷族が作った雅なお椀・お盆・お箸の3点セット×100》¥10000
効能・・・・芸術神見習いの眷族が作った雅な松竹梅の絵が書かれた椀。芸術神眷族が作った100円シリーズの一つ。
いやこの3点セットはお買い得だ!金色の綺麗な絵が描いてるからウナギに映えそうだな!しかもこの3点セットで一つ100円とか安過ぎだろ!!
「ははは!この小川三左衛門が1番早く捕まえ、帰ってきましたぞ!!」
ちょうど準備できたところで帰ってきたな!?
「剣城様!私が一番乗りです!」
おい!お菊さんか!?どこから現れた!?
「あっ!?菊!!お前卑怯だぞ!?」
いや、悠長にノッシノッシ歩いて帰ってくるのが悪いんだろう!?てか、女の子達も捕まえに行ってたの!?何か気持ち悪いくらいに捕まえてきてるんだけど!?
そこから順に皆帰ってきて、明らかに甲賀の人じゃない方々も着いてきてる訳だが・・・。
「お目通り感謝致します。某は桑名の──」
「紹介に預かりました、某は員弁の──」
うん。色々な人が挨拶に来てくれたけど名前覚えられないし。それにお目通りも何も、慶次さんが勝手に連れて来ただけなんだけど!?オレは置き物のように笑みを絶やさずに、一応普通通りに対応した。
「えっと?白瀬さんでしたかね?白瀬さん達もウナギを捕まえて来てくれたと?」
「はっ。この前田殿と出会って少し喋っていると、ウナギを捕まえ友好の儀を行うと聞いたので、急いで配下を使い捕まえました」
「聞かれていませんが、我ら萱生も同じでございます」
慶次さんはなーにやってるんだよ!?そりゃこんだけウナギいれば足りるだろうがどうやって捌くんだよ!?まあ、これから仲良くする訳だし親交を深めよう。てか、泥抜きしてないから自作のタレ使えねーじゃん!?どうしよう・・・。
「剣城様・・・泥抜きの件でしょうか?」
流石、気付く男!金剛君だ!
「そうなんだよ。どうしようと思ってね?今泥抜きの事思い出したんだよ。折角タレも自作しようかと思ったんだけど・・・」
「大膳!」
「何だよ?まさか清洲で育てているのを持って来い、とか言うんじゃないだろうな?」
「剣城様は大変困っている!」
いや、さすがに清洲のウナギ持って来いは可哀想だからな・・・。
「剣城様、褒美を渡す者を増やせば甲賀の者が清洲の泥抜き済みのウナギと交換してきますが!?急げば夕方までには戻れます」
マジか!?けど皆また顔が変わってるんだが!?やる気な顔になってるんだが!?
「皆さんすいません!うっかり自分のせいで泥抜きの事忘れてました!けど、啖呵切ってウナギ用意すると言った手前、美味しいウナギを関さんに食べてもらいたいので、頑張ってもらえますか?」
「ははは!我が殿はおっちょこちょいだ!この三左衛門が交換して参りましょう。ただし・・・・褒美は全員に・・・と言うならばですが如何に!?」
クッ・・・小川さんやるな!?駆け引きか!?まあ身体能力増し増しになってるけど、さすがにしんどいよな。しょうがない。行った人全員に何か渡そう。
そう言うと小川さん、大膳君、野田さん達が行ってくれるとの事で、行く前に栄養ドリンクを渡した。
《神様印(じるし)の栄養ドリンク×10》¥5000
効能・・・・神界のゴッド製薬社が製造した栄養ドリンク。即座に溜まった疲れを癒し5時間の間、気力、体力、俊敏力3倍up。ここ1番の勝負時に。※怪我や治癒能力は上がらない。
一本の単価は高いけどこれ飲んで頑張ってもらおう。ゴッド製薬社に感謝だな。
「い、い、今のは何と!?」
「体が半分の人が・・・・」
あちゃ〜・・・。部外者が居るの忘れてたよ。
どうしよう・・・。
「ははは!白瀬殿も萱生殿達もこの事は他言無用ぞ?もし口を割れば・・・どうなるか分かるな?(ギロリッ)まあ、そんな顔しなさんな!我らと仲良くしておけば、良い話も舞い込んでくるやもしれん!なんと言っても我が殿は織田家、信長様直属の料理ご意見番だからな!がははは!」
慶次さんが何とか無理矢理黙らせたけど、これから気を付けよう。
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