敗因はカレーでした。
次の日の朝。・・・というか、まだ夜の3時くらいに八兵衛村長に起こされ、広場に集まり千吉さんと源蔵さんを送った。
てっきり火葬にするのかと思ったが土に埋めるらしく沢彦さんがお経を唱え、八兵衛村長や伝兵衛さん太助さん達が政秀寺に二人を連れて行くと言い、オレも一緒に行こうとしたが八兵衛村長達に城に行くんだから構わないと言われ、オレはまだ薄暗い中、城に向かった。
「お菊さん居る?」
「はっ。おはようございます。剣城様」
「怪我の方はどう?」
「はい。頂いた薬のお陰で全然痛くもないし、傷跡もほとんど綺麗に治りました。未来の薬は凄いのですね!甲賀に伝わる丸薬より効き目が素晴らしいです!」
「そう言ってもらって良かったです。オレはまだ眠たいけど、朝から登城しろと言われてるので眠気覚ましに何か食べますか?」
「いえ、そんな私になんか…」
「はい!ストップ!それ以上自分を卑下するのはなし!」
「すとっぷ!?!?いえ、でも私は滝川様が目にかけてくれているだけで、末端の末端の草で…」
「だからもうその言い方、止めて下さい!身分とかそんな事、どうでもいいんです!」
「いえ・・でも・・・・・」
「ではこうしましょう。偉い方が居る時は・・・まあ、正直お菊さんがどこに居るかオレは分からないんだけど、馴れ馴れしくは難しいけど2人の時は普通に友達感覚でお願いします」
「はぁぁぁ。分かりました。そのように努めます」
「じゃあとりあえず・・・今日はパンでも食べようかな!?」
《ウインナーパン×2》
効能・・・・朝飯に昼食に夜食はこれで決まり!職人による手作り。腹持ちが良い。
《コーヒー牛乳×2》
効能・・・・畜産農家が手塩にかけ厳選された牛から搾り取られたミルクを使ったコーヒー牛乳。腸の調子を整える。
もう買う物全てに効能が付いてるんだが!?よく出る職人の事、農業神様にでも聞いてみるか!?値段は可もなく不可もない¥800だった。
「はいどうぞ。この飲み物はコーヒー牛乳と言って少し甘くて朝飲むと目が覚めますよ!」
「こんな食べ物見た事ありません!頂いてもよろしいのですか!?」
「お菊さんの為に出したのでどうぞ」
「ここ、これは何ですか!?味の表現が難しいです!!ただこれだけは間違いなく美味しいと言えます!それにこの甘い飲み物も非常に美味しいです!!甲賀の仲間にも食べさせてあげたいくらいです!」
「近くに居るならこれくらい食べさせてあげられるし、なんならこれくらいなら頑張ればオレの技を使わなくてもここで作れるんじゃないかな?」
「では是非!!!!・・・・・・いや、すいません。私の一存では呼び寄せる事は・・・・」
「さすがにオレは何も信長様の役に立ててないし、勿論意見を言える立場じゃないので何ともできませんが、これからオレは躊躇せずオレが知ってる物を・・・まあ国友さん頼りですが作ってもらい、尾張を発展させていきます。
そして凄まじい国力で、他所が中々攻めにくいように強い織田家を目指すよう、信長様に言う予定です。
その功績か何かでオレの立場が少し上になれば、この事を言ってみます。少し他にも考えてる事がありますので」
「いや、今でも剣城様は充分に・・・いえ、私が言える立場じゃなかったです。出過ぎた事をすいません」
「とりあえずこういう負けは二度と味わいたくないです。頑張っていくのでお菊さんもこれからもお願いしますね!」
「お役に付いてる間は全身全霊を掛けお守り致します」
糞!せっかくお菊さんと距離が縮まったかと思ったら最後の最後でお役に付いてる間だと!?慶次さんに負けてられん!!そう内心意気込みながら城に着いた。
「おうおう!朝帰りとは良い身分になったなっ!」
「池田さん、おはようございます。あの村で亡くなった人を送ってました。池田さんは今日も鍛錬ですか?」
「当たり前よ。斎藤のあの竹中何某如きに上手いようにやられてじっとしてられるか!剣城は殿(しんがり)を務めて、しかも初陣で首級(みしるし)を挙げたらしいな。よくやった!お館様も褒めてくれるだろう」
「いや、あの時は無我夢中で・・・」
「ふん。存外お主は肝が小さいのう。もっと偉そうに胸張ってれば良い!なんせこのワシが稽古してやってるんだからな!それに森殿や柴田殿にもだ!そんなんじゃ軽く見られるぞ?」
「いや、オレはそんな事は・・・」
「まあ良い。それが剣城の良い所でもあるがな。お館様はまだ起きてないから少し部屋で待っておけばいい。
ああ!それと昨日城に戻ってから『剣城のかれーを食うのを忘れたから負けたんじゃ!』と言っておられたから台所衆に言って一緒に作って待ってろ」
「えっ!?カレーのせいですか!?まぁ分かりました。今から行ってきます」
カレー食べてないから負けるってどんな言い訳だよ!?いつでも食べる間あったじゃん!!!オレが作らなくても伊右衛門さんが作れるじゃん!!と愚痴を言いながら台所に行き、村で初の獲物となったニワトリでカレーを作った。
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