剣城のハーレムルート
「あぁ〜、寝過ぎたな・・・。ウヘッ・・・気持ち悪・・・」
「剣城様、おはようございます」
「ゆきさんおはよう。昨日飲み過ぎて気持ち悪い・・・」
昨日やけ酒ぽく一人で芋焼酎飲み過ぎて二日酔いだ・・・。
「はいどうぞ。水に食塩と砂糖を混ぜた飲み物です」
「うん。ありがとう。助かるよ」
なんか外が騒がしいな?
「なんか外が騒がしいけどなんかあるの?」
「え?あの生き物は、剣城様が連れて来たのではないのですか?」
「あっ!!!牛か!!?忘れてたわ!すぐ!向かうから!」
「いやぁしかしこの様な生き物が居るとはな?」
「変わった柄をしておるな?」「そうだな。白と黒の斑点か」
「うん?皆の者!剣城様が参ったぞ!整列!!」
おっ!?なんだ!?なんだ!?
「「「「「おはようございます」」」」」
「う、うん!おはようございます。望月さん?こんな朝から整列させてどうしました?」
「いえ、今朝、甲賀を発った連中が全員一人残らず到着いたしまして・・・。いやはや、こう見ると某にこんなに付いて来てくれるとは・・・」
そう言われてみると、チラホラ背中に荷物を背負った者や、ボロ風呂敷みたいなのを持ってる人が牛の前に居た。
「皆さん!よくお越し下さいました!見ての通り大した者ではありませんが一応、貴方達の上司になる芝田剣城と申します」
「はっ!某は甲賀、北山九家の一つ。岩室弥惣兵衛と申します」
「おい!岩室!お主一人だけ覚えてもらおうとずるいではないか!殿!某は同じ北山九家の一つ。頓宮正吉と申します」
「む!?某は…南山六家の…」「某は荘内三家の…」
「某は…」「拙者は…」「俺達は…」「あたい達は…」
うん。これはかの有名な聖徳太子でも、聞き分け出来ないのではなかろうか。唯一女だけの集団は覚えたぞ!
「ちょっと待って下さい!皆覚えたいけどさすがにいきなりは難しいから、これから喋る時は名前を言って下さい!できるだけ早く覚える様にしますので!」
「がははは!さすが我が君でもこれだけの惣領は覚えられませんな!皆の者!聞いたか!?ちゃんとこれから我が君と話す時は、自己紹介してからだからな!」
「おっと・・・。もう一つ忘れておったが、横に居る伴長数殿の娘子と我が君は、落ち着けば祝言を上げるようになっておる!謂わば奥方だ!そして、左腕が慶次!右腕はワシじゃ!!がはははは!!」
「小川!何を偉そうに!!お主は餓鬼の頃ションベン垂れ小僧だったろうが!」
「新城!貴様、まだそれを言うか!」
色んな人が居るけど仲が良いのか悪いのか・・・。それにしても皆の前でそのことを言うか!?あぁ〜、ゆきさんも顔が赤くなってるじゃん!!
「とりあえず!家は余ってる所にお願いします!住む所が足りなければ、この剛力君と野田さんと青木さんに!建築のスペシャリストですよ!」
「剣城様・・・。勿体ないお言葉です」
「ははは!野田さん!これからも頼りにしていますよ!」
「すぺしゃりすと?それはどういう意味でしょうか!?」
また、そこからか・・・。沢彦さんに午前中の間だけ皆の勉学をお願いしよう・・・。
カステラ渡せば首を縦に振ってくれるだろう。後は書物をもっと出して、各々が勉強して色々な職を学んでもらおう。
「皆さんの後ろに居る動物は牛と言いまして、牛乳を出してくれる素晴らしい動物です!優しく接してあげて下さい。大野さん?」
「はっ!」
「あの牛から乳が絞れるから毎日絞ってくれます?後、ご飯は馬と同じでいいそうだから──」
"いや、もしよろしければ拙者、人間と同じ物を所望致す。いや毎日とは言わん。4日に1回・・いや3日に1回・・いや2日に1回でかまわん"
いやどんだけ、図々しいんだよ!?いやこれから牛乳貰うから別に望む物を渡すけどよ!?あれか!?神界の牛もノアと同じ肉食なのか!?
"分かったよ!このオレの横に居る人間に優しくしてあげてよ?この人が貴方のご飯をお世話してくれる人間だから"
"分かりモ────した。デュフ・・・デュフフフフフ"
"キャハッ♪剣城っち♪面白いね♪"
どうやらノア嬢はこの牛さんがツボらしいな。いやこの児玉六なんとかさんって牛は・・・皆と仲良くしてくれるならいいか。
「剣城様?」
「あ、すいません。この牛さん・・・。児玉さんって名前らしいんだけど、人間と同じ物が食べたいって」
「はっ。了解致しました」
いやそこは疑問に思わないのかよ!?牛に名前があるんだぞ!?しかも児玉!児玉って名字だぞ!?人間と同じ名字がなんであるのか気にならないのか!?食い物が人間と同じって疑問に思わないのかよ!?
「がははは!流石、我が君!ノア嬢に続き児玉殿の言葉も分かりますか!いやはやこの小川三左衛門、感動致しておりますぞ!!」
いやあんたもかよ!?もうオレの考えに染まりきってるよな・・・。
「金剛君?」
「はっ」
「悪いんだけど二日酔いでしんどいから、歓迎会は皆でしてくれるかな?一応夜に顔を出すから。倉庫に入ってる酒や食材は何でも使っていいから」
「よろしいので?」
「うん。普通に出席はするから、飯の内容とかは大野さん達に任すから。足りない物は言ってくれれば出すから。後、新しく来た人達に村を案内してあげて。後、人数の振り分けもよろしく!特に飯屋になる人を!」
「了解致しました」
よし!これだけ人数が居れば飯屋になる人、遠征班、漁業班、国友さん達の内政班、芳兵衛君の助手にもなってくれる人が居るだろう。
この村だけじゃなく、岐阜も活性化させないといけないからな。この村で試して成功した物を、岐阜に普及して行こうか。
その後、一度皆と別れお菊さん、ゆきさん、それと新たに加わった女性の方達を集める。
「お呼びいただきありがとうございます。あたい、牧村百合と申します」
「牧村さんね。了解」
「お菊さん達も初顔合わせな感じ?」
「いえ、面識こそございませんでしたが甲賀でも牧村家は有名です」
「へぇ〜。どう有名なの?」
「百合殿から言いますか?」
「菊殿、ありがとう。あたいから申します」
百合さんが言ったのはオレがタイムスリップする前に大飢饉の年があったのだが、この甲賀53家の一つ牧村家は男手全員が、銭の為に六角からの仕事に付いていたそうな。
どのような任務なのかとかは一切教えてくれず、ただ、百合さんのお兄さんや弟さん、父親、親戚の男手全員が、六角ではあり得ない額の銭をくれたそうで、危険な任務と思っていたそうだ。
「結局、任務の詳細は分からず・・・。父上、兄上、弟達は・・・・」
最後は涙を流して話が途切れた。って事は任務中に亡くなったって事かな?
「では牧村さんの一族の男の人達は・・・」
「申し訳ありません。私達、妹、従姉妹しか残っておらず・・・。父上が最後に奉公した銭で、どうにかやり繰りをしていたのですが・・・」
「貯金が無くなりここに来てくれたと?なら皆と最初から来れば良かったのに。よく頑張ったね?」
「グスン・・・。ありがとうございます・・・。ゆきに悪いです・・・」
「うん?ゆきさんとは知り合いなの?」
「はい。私とは甲賀の惣の関係で知っております。百合達も私が誘ったのですが『あまりに銭が無く、妹達も小さいから仕事が出来ない』と言って断ったのです」
「別に仕事しないと来たらダメとか言わなかったのにな。まっ、気休めのつもりはないけどこの先、六角とは必ずぶつかる事になるから」
「へ?それは何故でしょうか?」
「うん?そう決まってるからだよ?まあ、何かの間違いで信長様が友好路線になったとしてもオレは六角の事許すつもりないから。まず、あなた達の処遇を蔑ろにする事が意味分からないよね」
「それはどこの草も同じ──」
「そこが間違いなんだよ。まあこの事はオレの倫理観の事だから、ゆきさんにでも聞いてみて。六角と対峙する時に何人か捕まえて聞いてみるよ。そして約束は出来ないけど、その危険な任務の詳細を知ってる奴を探してみるよ」
「いっ、いえ!そのような──」
「百合殿?おやめなさい。剣城様がこう言い出せばもう止まりません。我らの殿はやると言ったらやるお方です。我らは安心して殿をお守りするのみ」
「菊殿・・・。分かりました!では、あたい!牧村百合、剣城様の側室になります!」
「え!?」
「ゆ、ゆ、ゆ、百合!?それはどういう事なの!?」
「ゆきが正妻でしょう?あたいは偶に剣城様から寵愛していただくだけでいいから!」
キタコレ!!!ハーレムルートか!?よし!ここはなし崩し的にもっていければ!
「ゴホンッ!えぇ〜オレは百合さんの──」
「百合殿?剣城様はゆきにゾッコンです。ゾッコンとは好き過ぎで、周りの事は見えない現象の事を言います。剣城様からも側室は持たないと言っております」
え!?オレは側室要らないとか言ってないよ!?あれは話の流れでそうなっただけじゃ!?
「はは!そっかぁ・・・。でもあたいは股を開いて殿方を喜ばせる事しか出来ないから・・・」
なんか最後の言葉を聞いて、芸術神様の後光フラッシュを浴びた様な感覚になったな・・・。
「百合さん?側室は要らないけど、ここは女性でも役立てる仕事が沢山あるから、何でもやりたい事していいんだよ?なんなら女性の方がお得な仕事があるよ!」
「ほら見なさい!剣城様はゆきにゾッコンでしょう?」
いやそこにお菊さんは繋がるの!?なんかオレがゆきさんしか見てないみたいじゃない!?
「はわ!はわわわわわわわ・・・・」
ホラ!ゆきさんもテンパってるじゃん!!
「とにかく!!!ゆきさんしかオレは考えてないから、ゾッコンの話は終わり!!この服を見てほしい!詳細はお菊さんやゆきさんに聞いて!」
「剣城様・・・。ゆきが・・・」
「わ、わた、私しか考えてない・・・」
「ゆきさんもしっかりして!今は集中して!輿入れまで時間が無いから!ついでだから剛力君、野田さん、青木さん、金剛君、慶次さんを呼んで!」
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