これが関所!?
「遅いな。オレいつまでここに居ないといけないの?」
「遠駆けなので帰るのは夕方になるかと」
"剣城っち♪眷族増やしたからお腹空いたよぉ"
"分かったよ!何食べたい?"
"肉♪肉が食べたい♪"
神界のお馬さんは肉食ですか!?朝から肉ですか!?
《幸せの焼肉セット2人前》¥4000
効能・・・・ハラミを中心とした幸せなお肉セット。1時間燃える炭付き。火事にならない。
「大膳!これをノアに食べさせてくれる?オレはちょっと決める事があるから」
「了解致しました」
「大膳以外、集合!!」
オレは皆に明日、甲賀に出発する事を伝える。人数は少数精鋭。短期勝負で行く事、絶対織田とは言わない事を伝えた。
「マスクで顔を隠すように。今から呼ぶ人は着いて来てほしい。野田さん、杉谷さん、大膳君、隼人君、鞠ちゃん。これで行こうと思う」
「我が君ッ!!大殿の件は悪かったですが、これは酷い仕打ちではありませんか!?」
「いや、その事は何とも思ってないですけど、これは個人的な話なので。それに戦じゃなくこれは完璧に隠密作戦なので、目立ったりしたらダメなのです。だから分かってほしい。それで一応予定では1泊2日を予定しています。それまでこの甲賀衆は慶次さんの指示を受けるように。慶次さん、お願いします」
「任されたし。まあ何かありゃとらんしーばーで俺に言え!豊風改めこの松風ですぐに駆けつけてやらぁ〜!はははは!」
「ヒィィィィィ────────ンッ」
最早、オレより松風の方が頼もしそうなんだが!?
結局、この日は本当に夜まで主要人物は帰って来なく、オレは夜までひたすら小見さんの容態を確認する。といっても時間が経つにつれて、みるみる体力が回復してるのが分かるから、主に話相手だったが如何に道三が凄かったとか、昔の話を色々されてオレは初めて聞く事に興奮して、色々教えて貰った。
「では、そろそろお暇致します。私は明日から少し留守にしますので、お話やお世話は私の配下、この琴が致しますので何かあれば、琴に言って下さい」
「芝田殿?本当にありがとうございます。この恩は体が本調子になれば必ず」
別に気にしてないんだけどな。ご相伴衆とは何かと思ったけど、要は話相手だったんだな。別にこの人普段は話しやすいからいいけど、信長さんは多分苦手なんだろうな。
次の日の早朝に遠征準備をする。オレは特に持つ物も無いし、野田さん達も必要最低限。リュックに缶飯各種、ライター、焙烙玉、手にはイージスから出したエアライフル、そして一つ100円で買ったサングラスだ!
《神様印(かみさまじるし)のバリスティックグラス×6》¥600
効能・・・・未来の米軍が使用する。M84スタングレネードや太陽フレアを直視しても、目をやられない優れ物。夜にかけても見える。
このバリスティックグラスとマスクを持ってすれば、完璧な変装だ!最早超兵器みたいなメガネだけど。
「それじゃ行ってくるよ。ゆきさん?ゆきさんはノアに付けてある馬具をスケッチして、国友さんに同じ物を作るように言ってくれる?」
「畏まりました。剣城様、ありがとうございます。父上もどうかお気を付けて・・・」
「「「剣城様!殿!」」」
「「「お気を付けて!!」」」
「我が君!何かあればすぐにお知らせを!!この小川三左衛門!!この小川三左衛門がすぐに駆けつけますぞ!!」
いや、だから選挙か!?
「剣城様!年甲斐もなく某は喜んでおります!こんなに馬に乗るのが楽しいとは!!」
「ちょうど人数分居ましたからね」
「殿!人数分じゃありません!何故某だけはイージスに!?いや、イージスも素晴らしいですが、某も馬に乗りたく・・・」
「考えてみろ!杉谷さん、隼人君は遠距離から狙撃をしてもらうために足がいる!鞠ちゃんは念の為の救護班だ!野田さんは言わずもがな。大膳!後は分かるな?」
急遽馬で行く事になったのは、ノアが提案したからである。馬具が無く乗れないと思ったが、ノアが眷族化してくれたお陰で『乗った事ない人でも乗せてくれる』と馬達が言ってくれたからだ。ここでこの馬を完璧にこの4人に分け与えるとさすがに贔屓すぎる為、とりあえず今回だけという事にして、名前はまだ決めていない。馬達は『名前が欲しい』とノアに言ったらしいが、ノアが馬語?念話?で言い聞かせてくれたら馬達は納得したらしい。
その後、出発したオレ達は通常の馬とは違う、驚異的なスピードで突き進む。途中・・・というかすぐに長良川に到着したが、なんとノアはここでも神馬の力を発揮する。そう。オレ達を乗せたまま泳げるのだ。
"ノア!?本当に大丈夫なのか!?オレ重たくないか!?"
"剣城っち♪優しい♪後で甘えさせてあげるね♪"
いや甘えはさせてもらわなくていいけど。
「剣城様!この馬達は本当に凄いですな!?」
「オレもビックリしています!これは武田の騎馬軍団に負けてないと思いますよ!!」
「剣城様ぁぁ!少しお待ちを!!!」
大膳には一応念の為に1万円で購入した、桜マーク付きのライフジャケットを着せてある。さすがに沈みはしないだろうと思う。大膳には申し訳ないが頑張ってもらうしかない。大膳は馬を特別に下賜してもいい気はするけど。
野田さんが先行し、予定では昼過ぎに到着する予定が、ノア達の驚異的スピードのお陰で昼前に到着した。
「剣城様、それに他の者もここからは顔を隠すようにお願いしたい」
野田さんのその言葉から皆に緊張が走る。オレも無言でマスクとサングラスをして、右手にトマホークmk-2神様verを持つ。
「関所には何人くらい居そうですか?」
「5人くらいでしょうな」
「どうします?オレがしましょうか?」
「いえ、できれば某の手で・・・」
「杉谷さん、隼人君は誰も逃げ出さないように見張って下さい。もし逃したら迷わず撃って下さい」
「「はっ」」
「大膳は野田さんの援護、鞠ちゃんは後方で待機」
「了解致しました」
それから馬から降りてオレ達は静かに歩き出す。俺がこの中で甲賀出身ではないので顔バレしてないので、一般人を装って関所に向かうが・・・。これまたお粗末な物だ。さすがに関所というだけあって、雑草こそ刈り取られているが道の左右に男が6人いて、木の杭を左右に打ち付けて、真ん中にポンと置いてあるだけだった。オレが想像した物と違い少し残念だ。
「そ、そ、其の方。どちらから参ったか?予定は?それにその目に付けてある黒い物は!?」
「近江から。予定は観光に。目に付けてある物は目を保護する物です」
「かんこう!?何だ!?怪しい者だな!?どこの家の者だ!?」
「与次郎、構わんではないか。商人か?ここの通行料は──」
プシュンッ。バーンッ!
「うん!?何だ!?何だ!?」
シュパッ、シュパッ、シュパッ。
「ヒッヒィィィィィ────!!」
隼人君、杉谷さんの狙撃から始まり、それを合図に野田さんが簡単に3人の首を斬った。残り1人の時、野田さんはオレを見てきたが軽く頷いた。本当は尋問とかしたかったが、誰かに見られるとその人も殺さないといけなくなるからだ。オレは殺人鬼にはなりたくない。
「手短に言います!本来はこれで撤収ですが、野田さんだけ着いて来てほしい。というか望月さんの所に案内して欲しい。杉谷さんや他の人は死体を埋めて隠れて待機。すぐ戻ります」
「剣城様、お気を付けて」
オレはノアに野田さんの馬に着いて行くように伝える。
"オッケー♪全速力だね!まっかせてね♪"
走り出す前にノアに言った事を後悔したが、野田さんが乗った馬も走り出す前にオレの方を向き、少しニヤついたように見えた。言い方間違ったかも・・・・。
いやまた大変な目に遭ったよ・・・・。
「野田さん大丈夫ですか!?」
「何とか・・・・・」
いや大丈夫そうじゃないな。
《パープルブル×2》¥450
効能・・・・滋養に良い。飲み続けると翼を持てる可能性がある。
《くりまんじゅう1箱》¥1000
効能・・・・最高級あんこを使った逸品。虫歯にならない。
《米30kg》¥3000
《神様印(かみさまじるし)栄養ドリンク×12》¥10000
効能・・・・身体の弱った時に飲むと体力気力up。欠損部位などは生えないが古傷も怪我もこれ1本。※病気は治らない。
《神様印高級栄養ドリンク×2》¥50000
効能・・・・飲むと瞬間的に身体の病が消え去る幻のドリンク。※怪我は治らない。※味は最悪。
《芸術神見習いが作った男性和装×2》¥1000
効能・・・・着心地抜群、サイズフリー、伸縮性抜群、汚れが付きにくい。
これだけあれば贈り物はいいだろう。てか、栄養ドリンクさ・・・。レッ○ブルのパクリだろ!?飲み続けると翼を持てる可能性があるって・・・。どんな進化するんだよ!?怪我や病気に効く栄養ドリンクも買ったし、これでいいな。
「野田さん、このドリンクどうぞ」
「ありがとうございます。こっ、これは美味いですな!?ウイスキーに混ぜれば更に美味そうですな!?」
「ははは!ウイスキーはサイダーと混ぜるとまた別な酒になりますので、似てるかもしれませんね!それで、この大きい家がそうですか?そもそも人が全然居ませんね?家はあるのに」
「ちらほら畑を耕している者はおりますよ?」
いやそりゃ、居るのは居るが少ないな。本当に田舎だな。
「私達が馬に乗ってるのに誰も見て来ないですね?」
「馬に乗っている身分の方は見てはいけないように教えられてるのです」
徹底して自分達を下にしてるって事かな。騒ぎが大きくなる前に渡して帰ろう。
"ノア?すぐに戻るからここで待っていてくれる?"
"オッケー♪"
「望月頭領。居ますか?」
「誰だ?・・・・一蔵か!?こんな所でどうした!?関所をよく通れたな!?横の御仁は?」
「申し遅れました。野田さんや甲賀の人達を纏めております。織田家料理ご意見番。芝田剣城と申します。時間がありませんので手短に言います」
オレはここに来る時に考えていた事。甲賀を捨ててオレの所に来ないかという勧誘だ。頭領が来る訳はないとは思うが名前が残るくらいの人だからな、この人は。もしかすればワンチャン・・・と思い言ってみた。
「この地を捨てる事は、皆の面倒を放棄するに等しい事とは思います。もしここを離れたい人が居るなら、全員私が面倒見ましょう。飢える事は絶対させません。仕事も斡旋します。とりあえずこの事が六角にバレるとまずいので、今日はこの辺で。あっ、これお土産です。服とか食べ物でこれは栄養ドリンクと言って・・・。まあ、1日一本飲んで下さい!米もよければどうぞ!」
「何が何やら分からぬがありがとうございます」
「伴さんはおりますか?」
「伴殿!こちらへ。来客だ」
「俺にか?誰ですかな?・・・一蔵!!お主、ここで何をしている!?ゆきは!?」
ゆきさんと目元がそっくりだな。
「この方が甲賀の者や、ゆき殿の面倒を見て下さっておられる方だ」
望月さんにそう言われるといきなり土下座された。
「ありがとうございます、ありがとうございます。あっし、自ら挨拶しないといけないものをこんな形(なり)で申し訳ない」
「いえ、身体が悪いと聞いていましたが、とりあえずは大丈夫なようで良かったです。すいません、理由聞かずに2人並んでくれますか?」
「え?こ、こんな感じでよろしいか?」
「はい!はい!笑って下さい!ハイチーズ!」
「はいちーず!?何ですかそれは!?」
「あぁーあ、笑顔が・・・まっいいか。望月さんに伝えたので後で聞いて下さい!バレるとまずいので!ではバタバタしてすいません!良い返事、期待しています!お邪魔しました!」
「野田さん、急ぎましょう!」
"ノア。大急ぎで帰ろう"
"オッケー♪"
「何だったのだ!?あの御仁は!?」
「よく分かりませんな。なんかこのどりんくと言う物を『すぐに飲んでくれ』と言われたが、織田はぎやまんをこんな精巧に作れるくらい、発展していたか!?」
「いや聞いた事がない。とりあえずワシが聞いた事を言おう。山中は今六角に出払っておって好都合じゃ」
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