間話  物の価値、ギャンブル依存症!?

 ここでおさらいをしよう。ゆきさんに聞いた芝田家の財政だが、そりゃ7000万円と聞いて大金だとは思った。大金ではあるがオレは勘違いしていた。


 1月6日、織田家では明日まで正月との体になってはいるが、城下はそうもいかず全部ではないが、営業を開始している店もある。その店の一つ、オレの大好きな漬け物屋さんだ。


 店の名前は【おばあちゃんの漬け物屋】とオレが命名した。店主はお爺さんだが。昔、婆ちゃんが作った漬け物の味と似ていたから、思わず涙流さず語れない状況になり、勝手にオレが名前を変えたのだ。


 「あけましておめでとうございます!いつもの貰えますか?」


 「おぉ〜!剣城様!毎度ありがとうございます!」


 侮る事なかれ。この【おばあちゃんの漬け物屋】は大盛況なのだ。店主のお爺さん、太郎八兵衛さん。まあ名前もまた強烈で覚えやすかったのだがそれはさて置き、オレがキムチやキュウリの浅漬け、味噌漬けなんかも教え作ってもらっているのだ。


 キムチに関しては岐阜で取れた白菜や大根、胡瓜なんかを使ったオーソドックスなキムチだ。漬け込む段階で色々試しているみたいで普通に美味しい。ハチミツを混ぜたり那古屋で取れた昆布を入れたりして熱心な人だ。


 「漬け物屋なのに凄い人だかりですね!?」


 「うちは安く売ってますし、やはり漬け物は大事ですからね?はいお待ち!いつもの沢庵を入れております!代金は100円になります!」


 「どうぞ!お釣りはいいので頑張って下さい!」


 オレはこの時代であまりお金を使わない為、大判の一万円を渡しカッコ良く去る。一度やってみたが癖になり、どの店でもやっている事だ。


 そう。この100円だがこれより小さいお金をまだ制定してない為、最低が100円なのだが現代ならば、10切れくらいの沢庵が買えるか買えないかだろう。しかしここは戦国時代。


 この100円で沢庵が4本も買えるのだ。だからお金の価値が、おおよそだが4倍〜5倍くらいだろうと思う。よって、オレの家の資産だが7000万×4で2億8千万程になるのだ。


 店により多少は変わるが、とりあえず現代価値より更に高いという事だ。だからオレはできるだけお金を使うようにしている。だって日々のお金を使うより、入ってくる方が多いからだ。


 「お金は使ってこそ真価を発揮する」


 「え!?誰かの名言ですか?」


 「金剛君!ここに1万円ある!君の使い道は!?」


 「そうですね・・・特に欲しい物が無い為、貯めておきます」


 「はい!ハズレ!大膳君!君ならオレが求めている答えに辿り着くだろう」


 「はっ。俺ならクリスティーンに林檎とか、人参を買ってあげます!」


 チッ。大膳は愛馬にご飯を与えるのか。まあ優秀っちゃ、優秀だ。ってか小川さんも大膳君もなんちゅう名前なんだよ!?ロザリーヌとクリスティーンってどこで覚えたんだよ!?両方雄馬だろ!?


 「まあオレが居た世界では、賭け事が簡単にできるんだ。パチンコって言う遊びなんだけど。けどすぐに負けるんだよ。その負けた時の言い訳に言うんだ。それで残りのお金を全ツッパして更に負ける・・・。元居た世界でオレのお金は真価を発揮した事が無かったけど、この世界では真価を発揮してるよな?そうだろ?金剛君?」


 「え!?えぇ。まあそうですね!」


 「えぇ!?それってギャンブル依存症ってやつではないですか!?」


 「すずちゃん!オレは断じて依存症ではない!」


 「ここ見て下さい!際限なくお金をギャンブルに使う人は黄色信号だ、と書いてありますよ!?」


 「違う!今はギャブルしてないだろ!?」


 「この間、爺を連れて賭博場に行こうとしてたの、知ってるのですよ!?」


 「いやあれは小川さんが──」


 「我が君!だから言ったではないですか!?あれ程、賭博はやめようと」


 「はぁ!?よく言うぜ!そりゃ確かに興味はあったが、この世界のギャンブル面白くないんだよ!」


 「ほら!剣城様!一度問診しましょう!」


 「いや待て!違うって!!」


 「問答無用!」


 かぁ〜!変な事言うんじゃなかった!!!

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