金色のニワトリの・・・・うんち?
柴田家に到着したら少し興奮しながら茂左衛門さんが出迎えてくれた。
「殿!!それに剣城!お帰りなさいませ。今日の夕餉は正に素晴らしいの一言です!昨日しょうゆなる物を貰い砂糖と米を混ぜ少し炒めてみたらこれが更なる美味へと昇華しました」
「何っ!?昼餉だけじゃなく夕餉も用意しているだと!?それにあの甘い握りですら美味いのに更に美味くなっただと!?早く準備致せ」
オレはまた甘い握りかよ・・と辟易しながら、勝兵衛さんから手拭いを借りて足を拭いて上がる。その時小声で囁かれた。
「あの甘辛い握りにびーるがあれば更に美味いんだが?」
何だよ!勝兵衛さん!!お前は物乞いか!?何かある度にびーる!びーる!もう名前変えろよ!勝兵衛から飲兵衛に変えろよ!
「さすがに連日のびーるは信長様や柴田様に怒られそうですが・・・・」
「殿も酒はかなり好きなお方。お主から献上すれば断れまい。ワシは最初に飲んだびーるの方が好きだった」
いや誰も勝兵衛さんの好みなんか聞いてねーよ!!発泡酒でもいいだろ!?と文句を言いながらもどんな形でも頼られたら断れない性格なんだよなー・・・。
《ビール350ml×6本》¥1200
仕方なく購入して勝兵衛さんに渡した。
「するってーと、これはなにかい?殿に献上品で良いのだな?」
なんだよ!その言い方!馬鹿にしてるのか!?そう思いながら何も言わずに軽く頷くだけにした。
「殿ぉぉぉぉ─────っ!!!剣城から少ないですがびーるとやらが献上されましたぁぁぁー!!!!!」
なんだよっ!!少ないって!!失礼過ぎだろっ!!
「毎日すまぬな。これはお主からの献上品。ありがたく頂こう」
もうこの熊さんも甘い物、酒にかなり弱い人だな。最初信長さんの事もあり遠慮してたのに今は全くじゃん。
それからすぐにお膳に乗せられた見た感じ現代の焼きおにぎりみたいなのが運ばれてきた。
まさかっ!?これは甘いだけじゃなく醤油を使ったおにぎりか!?久々に涎が込み上げてきた!!
「茂左衛門さん!いただきます・・・」
柴田勝家、茂左衛門、勝兵衛一同オレを見守る。
「めっちゃ美味いです!!!さすが茂左衛門さん!!やりましたね!!これは最高です!!」
「ほーう。お主が言う事だ。間違いなく美味いのだろう。どれ、ワシも一つ・・・・・。うをっ!この甘くてほんのり辛い黒っぽく付いておるのが完璧だ!おいっ!!茂左衛門!これを後20個作ってまいれ!!」
いやいや!20個とかおかしいだろっ!!!たしかに美味いけど食べ過ぎだろ!!!
「20個だけでよろしいので?」
なに茂左衛門さんも煽ってるんだよ!!!ケタが違うだろっ!!!
そこから勝兵衛さんがびーるを飲み出したのを皮切りにまたプチ飲み会が始まった。オレも1本だけ飲んだが2本目を手にしようと思ったら3人から無言の圧力を感じ手を引っ込めた。そしてオレは先に寝床に向かった。
まだ時間は現代なら20時くらいか!?昼間かなり働いたから体が疲れて眠くなってたが、これから他にも農作物増やしたいため何があるかネットスーパーで種や苗を検索していたら購入した物の関連商品が横に出てきて一つだけ目につく物があった。
それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
"神様印(じるし)の万能鶏糞肥料"
そこには金色のニワトリの絵が描かれていた。
なんかめっちゃ凄そうなもん見つけた!!!
それをクリックすると例のゴッドファーザーホログラムが現れた。
「いらっしゃい♪この商品の説明を聞きたいか?」
なんだよ!!ゴッドファーザーらしからぬ明るい声にビックリしたじゃねーか!!
「お久しぶりです!元気にしてますか!?その後、例の星の神様とは如何ですか?」
「これは商品説明のみに特化したワシの権能じゃ。本体とは違う。説明はできぬ」
あぁー本当のゴッドファーザーじゃないのね。
「じゃあこの肥料の説明お願いしても構いませんか?」
「かつて、星を作り様々な種族の子供を作った。いくつもの苦難、混乱があり・・・・・・・・」
おいおい!!!壮大な説明が始まったぞ・・・。
〜20分後〜
「・・・・そこで我が子がいる日本の神、ワシの部下の"天照大神"がとある事で職務を放棄し、天岩戸に隠れてしまい真っ暗になり、これをどうにかするために他の部下の"思金神"の案で"常世の長鳴鳥"を並べて綺麗な声で呼び出しそれが成功した。その時の"常世の長鳴鳥"の子孫の糞で出来ておる肥料じゃ」
説明クッソ長かったな!30分くらいあったんじゃないのか!?神話のアマテラスの話、あれ実話だったのか!?それにニワトリってめっちゃカッコイイ2つ名持ってんじゃん!常世の長鳴鳥て!!めっちゃ神々しい肥料だな、おいっ!
「もう一度説明をお聞きになる場合はクリックをして下さい」
おいおい!効能の部分見る時に間違えてもう1回クリックするとこだったじゃねーかっ!!!2回目見るとか罰ゲームかよ!!!
「めっちゃ凄い肥料だとは分かりました。効能を教えてくれませんか?」
「効能はこの我が星に限り農作物全般成長促進の効果が入っておる。気候、土、場所に左右される事なくこの肥料を撒いた農作物は10時間59分後には収穫できるようになる」
おい!何で10時間59分後なんだよ!?まさか、天国とかけてるのか!?
「その通りだ。何か文句があるのか?」
いやいや、このホログラムも心が読めるんですか!?すいません!
「肥料の撒き方とかはあるんですか?」
「その植えた農作物の横に撒いておけばそれで良い、親切設計の肥料だ。この監修は農業神の部下がしておるので間違いはない」
めっちゃ優秀な肥料じゃん!!!農業初心者のオレにぴったりだし、今のこの状況にめっちゃ合ってるじゃん!めっちゃ欲しいんだけど!!!!でもどうせ値段はASKで応相談なんだろっ!?
「買いたいのですが値段の方は・・・・」
「うむ。この肥料を使い農業神は早く神格を上げ昇進したいらしく安く設定しておる。1tあたり・・・我が子の円単位で言うと・・・・10000円でどうじゃ?」
いやいや!tですか!?多くないすか!?それにめちゃくちゃ安っ!!買いだよ!即買いだ!!!
「ありがとうございます!!正直1tも要らないのですが、買います!!!」
そう言って購入を押すとまたホログラムが消えながら何回もゴッドファーザーが小さく頷きながらありがとうと言い消えていった。
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