お市はオレの嫁(自称)
次の日、オレは甲賀の人達の戦闘服をタブレットで探してたら、いきなり広告が入った。
「(シュッシュッ!)この動きに貴様は着いてこれるかな?(シュッシュッ!)こんなに動いても乱れない」
「貴様に我の姿が捉えられるかな?(シュッシュッ!)こんなに派手に動いても破れない」
「洗濯板でこんなに擦っても、汚れが取れない忍び服とはおさらば!今日から安心と安全の神様印(じるし)の忍び服、少しだけど体力up!走力up!筋力up!そしてなんと1着500円!無くなり次第終了!」
「これで貴方も忍者になれる!」
いや、今の広告何だよ!?農業神様は何を作ったんだ!?しかもあの顔も口も隠した人誰だよ!?動き早過ぎて残像ぽいものしか見えねーよ!!!無くなり次第終了って買う人そんなにいるのか!?見た感じ真っ黒のthe!忍びって感じの服だけど・・・。試しに100着くらい購入してみるか!?ポチッとな。
「thank youなんだなぁ」
「・・・・・・・・・」
いやゴッドファーザーのパクリか!?久々に何回も頷くホログラム見たわ!!まんま、農業神様じゃん!!まあいいわ!色々助けてもらってるしな!
「農業神様!ありがとう!大事に使わせてもらうよ!!」
〜神界映像作成室〜
「農業神様!さっきの広告の評判は上々のようで注文が100着入りました!」
「嬉しいんだなぁ。おいもパパのようにホログラムを作ったんだなぁ」
「あのありがとうホログラムですか!?あれはいかがなものかと愚考します。もっとカッコよく後光フラッシュでも焚いて神格が高く見せる方が良いと提案致します」
「ならこれからまた撮影するんだなぁ」
「お菊さん居る?」
「はっ。剣城様、おはようございます」
「これこれ!甲賀の人達にどう!?カッコよくない!?the忍者って感じがしない!?」
「ざっ忍者ですか!?剣城様が居た未来では忍びはこのような服を着てるのですか!?」
「いや、未来に忍者は居ないけど、こんな服を想像してる人が多いかな?まあ好みはあるかもしれないけど、甲賀の人達に渡して来てくれる?」
オレはその後、清洲の城へ行き奇妙丸君に挨拶だけしておこうと思い、老中の人に声を掛け案内された。
「おはようございまする。剣城殿」
「はっ。おはようございます。話相手が居ないと聞いていたのに中々来れずすいません。そしてとうとう私も戦に参る事になりました。その挨拶をと」
「某の我が儘を言ってしまいました。申し訳ない。剣城殿の活躍と良い報告を、ここ清洲にてお待ちしておりまする。それと叔母上もお呼びしておりました。この後、お寄り下さい」
「奇妙丸様に期待されているならば、一騎当千の活躍をご覧にいれましょう」
ここまでは以前口上の練習をしてたからスラスラ出たけど、お市さんが何の用だ!?また甘味か!?
その後お市さんの側女さんに声を掛け案内された。
「久しぶりじゃのう。剣城もつまらぬ戦に参るとか?」
「話がお早い。そうです。私も呼ばれました。本日は奇妙丸様に出陣の挨拶をと」
「ふん。其方も一端の口を聞くようになったのう。妾も其方と口を交わせるのももう少しじゃと言うのに」
うん!?どういう事だ!?
「まだ決まりではないが兄上は必ず美濃をお取りになる。そうすれば妾は織田には居れなくなる。それにこの戦で剣城も居なくなるやもしれんな?」
いやオレ死ぬ気は無いけど・・・。まさか心配してくれているのか!?天上天下唯我独尊、織田家No1我が儘姫のお市さんが!?
「じゃから今の内に未来の書物を出しておくれ」
・・・・・・・心配じゃなく雑誌が読めなくなる方の心配かよ!?少し期待してしまったじゃねーか!?少し前の期待した自分を殴ってやりたい!!
でも織田家に居なくなる・・・。浅井と結婚か!?え!?もうこんな、早い時期から結婚の話出てたの!?いつ結婚するかは分からないけど・・・お市さん浅井の所に行くのか・・・。なら大量に渡してあげるか。それに清洲に居てもする事無いし娯楽も少ないし可哀想っちゃ可哀想だよな。
《10代〜50代までのファッションカタログ》
効能・・・・Garden of Edenを使える者のみ購入可能な、全年代その時その時の流行の最先端を押さえた雑誌。欲しい物の横にある赤色の丸を付属の針で押せば、すぐに購入できる。一人2着まで。支払いはGarden of Eden登録者に請求される。
勢いで買ってしまったがこれは悪魔のカタログかもしれん・・・。一人2着までと書いてあるがみんなが2着ずつ購入したら請求だけオレにくるんだよな!?ヤバイ物だ。これは辞めておこう──。
「剣城!ありがとうなのじゃ!妾はこれが見たかったのじゃ!!」
仕舞うの遅かったようです。お市さんに取り上げられました。どうもありがとうございました。
オレは観念して仕様をお市さんに伝え、あまり多くの人に見せないようにお願いした。うん。切にお願いした。支払えなかったらどうなるか分からないけど、何かしらペナルティーありそうだから。
「妾はそんな童と違い他人に自慢なんかせぬ!妾は一人で見る!」
いや1番子供ぽく我が儘っすよ!?
「とりあえずそれで勘弁して下さい。では私はこれで失礼致します」
「あっ、ちょっと待て!これを」
刀!?刀くれるの!?
「急ぎで城下の者に作らせた。剣城は鈍(なまくら)しか使っておらぬと聞いたからのう」
「ありがとうございます!今まで色んな人に頂いた刀はお金にしてしまっていて・・・。お市様から頂いた刀、大事にしますね!」
「別に剣城がその刀を売らないといけないくらいならそうしてもらっても構わん」
うん!?お市さんが土下座しだしたぞ!?
「芝田剣城殿の武運長久を祈っております。存分な活躍の報告お待ちしております」
ヤバイ・・・。マジで惚れそうなんだけど!?お市さんの普段とのギャップ萌えなんだが!?
浅井!!!?浅井長政!!見た事ないけど許さんぞ!!!お市さんはオレの嫁だから!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます