臭い熊の毛皮マント
それからオレは一部屋、小姓の人に用意してもらい布団と枕を出して横になって考えた。昨日の今日でもう米も出来てる筈。果物も出来てるよな・・・。見に行きたいけど馬も乗れんし、柴田さんに挨拶もしてないし・・・。
「入るぞ。さすが腹が出ておるだけあるな。もう寛いでおるのか。まぁいい。聞きたい事がある」
信長さんが聞いてきた事は・・・てか要望だった。
夕餉の時は必ず甘味を所望する。それからネットスーパーを使いたい家臣の人は必ず手紙を書いて、同時に対価を渡す様に言ったらしい。
それで早速、森さん、池田さん、佐久間さん、木下さん、丹羽さんから手紙が来たらしい。全員刀が対価で・・・。
いやいや、全く刀なんか使えんけど全部売るのも申し訳ないじゃん!!この人の刀売ってこの人の刀は売ってないとかバレたら気分悪くなるやつやん!!!
「ふん。ワシが許したら皆すぐに貴様の技を使いたがるな。可成なんぞ城から帰るまでに渡してきたぞ」
「できるだけ皆さんの期待に応えられるように頑張ります」
「ふん。家臣共の事より先にワシの要望を聞け。対価はこれじゃ」
はい、また出たよ我が儘。そしてドヤ顔で対価を出してきた信長さん。
えぇ〜これはなんぞ!?明らかに獣の毛皮を巻き付けたマントです。しかも臭いです。どうもありがとうございました。
「どうだこれは!!昔、餓鬼の頃に親父に言って作ってもらったマントじゃ!ワシは要らんから貴様の未来とやらで銭になるんじゃないのか!?ん!?」
いや、ゴッドファーザー顔負けなくらいのドヤ顔なんだが。
「はい。ありがとうございます。いくらになるか見てみましょうか」
それからタブレットで毛皮を鑑定してもらったら、
熊の毛皮マント 鑑定金額¥800000
たっか!!!熊の毛皮だったのか!?てか、熊凄過ぎ!高っ!!!
仮に安くても高かったと言って信長さんの要望聞こうとは思ってたけどもよ!
「して、どうだったのだ?」
「すいません!!かなり高くて焦ってました。例えるなら・・・先日お出ししたチョコレートケーキよりもっと大きなケーキを80個くらいは買えるくらいではあります」
「ふははははははっ!ワシのマントは凄いだろう!ならばよし!それを売ってけーき、こーら、ちょこれーと、後はワシがまだ知らぬ甘味を出せ」
いやいや!買い過ぎ、食い過ぎになるだろ!!絶対虫歯になるし太るぞ!!これはさすがに諫めないといかんな。
オレは一生懸命に説得した。現代の子供なら誰でも分かる事をコンコンと理詰めで教えた。そして分かった事。信長は餓鬼かっ!!!『我は清洲城の城主、織田信長ぞ』とか『我に指図できるのは親父だけだ』とか『最早止まれぬ』とか色々言ってた。
それから1日に一つ多くても二つまでの甘味、適度な鍛錬、歯磨きの重要性も教え、
《ショートケーキ》¥380
《歯ブラシ》¥150
《歯磨き粉》¥200
を購入して信長さんに渡した。
意外にも歯磨きに関しては納得して、歯ブラシと歯磨き粉の説明をちゃんと聞いていた。たしかにこの時代で虫歯になったら悲惨だよな。オレも気を付けよう。
「済まんな。少々熱くなってしまった。分かった。これからは日に一つにするとしよう。それと同盟の時に使うこーらとけーきの銭は足りるのか?」
「何人くらい用意したら良いでしょうか?」
「40人程だ」
「それくらいなら大丈夫です」
「あい分かった。ではその折には頼むぞ。これから飯時は楽しみにしているからな」
なんだよ!ワシは食べる事に興味ないとか言ってたくせに!1番興味示してるじゃん!!
「そうじゃ。甘味の事で忘れておった。貴様の農業の件だが今まで通り勝家と仕事を致せ。勝家には伝えておる。それと人手をこれからも増やす。それに関してはサルに言うておる。連携は貴様に任す。銭が足りぬ時は直接ワシに言え。励め」
甘味の事で重要な事忘れるんかい!!
とりあえず明日柴田さんとこに行ってお礼を言って村に行って収穫するぞ。
まずはこの時代のお金10貫がどのくらいになるか分からんけどとりあえず半分売って半分はボックスに閉まっておこう。さすがに現実のお金が0は何かの時の為にだな。
でもこんな5円玉の出来損ないみたいなの現代では価値無いだろうな・・・・。とりあえず鑑定してもらうか。そう思いつつタブレットの上に約半分の、大量の真ん中に穴が空いている小銭を乗せてみる。
宋銭4000枚 鑑定金額¥400000
嘘っ!?高っ!!!こんな削りまくってる小銭が¥400000!?10貫がこの時代どのくらいの価値なのか分からんけどこれめっちゃ凄くない!?
って事は100万円貰ったてことでいいのか!?やばっ!!!!間違いないっ!!
"勝ったな"
思わず呟いてしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます