生類憐れみな顔・・・

 その日の夜は例の如く3人は飲み会をしていた。オレは早く収穫して皆の度肝を抜きたいのと、いい加減風呂に入りたいと思いイライラしながらタオルで体を拭き、ネットスーパーを起動する。


 「ニワトリの餌、ニワトリの餌はと・・・あった!けど・・・・・・・普通の餌しか無いな」


 さすがに、そこまで程よく良い物はないか。もう眠いし今日は寝よう。


 次の日の朝オレは1番に目が覚めた。これまた例の如く木製ボットン便所で凄まじい戦をして良い結果にルンルンで出るとまたもや、茂左衛門さんが生類憐れみの顔でこちらを見ていた。


 くっそ!!オレは何もしてねーぞ!!!こっちにタイムスリップしてから性欲どころじゃねーんだよ!!!


 朝ご飯はまた甘い米を嫌々ながら食べて柴田さんと村に向かう。村が見えてくるともうね、何じゃこりゃ状態だった。


 「未来の肥料というのは本当に凄いんだな。ワシの考えを超えておる」


 「いや、私もここまでの結果になってると思ってませんでした」


 「おはようございます。柴田殿、剣城。今朝畑を見てたまげました。明らかに植えた以上の実がなっております」


 そう。オレ達が見たものは玉ねぎやサツマイモは100株程植えたが明らかに300は超えてるくらい実がなっていた。

 かぼちゃを植えた所に関しては稲穂を干して、空いてる所に植えただけなのにもはや畑一面を埋め尽くしていた。


 「さすが織田様の肥料、我々が使ってたのと全然違います。初めて見る物ばかりですが食べられるので?」


 柴田さんもオレを見てくる。


 「食べられるも何も食の革命が起きますよ!!!かぼちゃの天ぷら、煮物、ジャガイモのバター焼き、フライドポテト、オニオンフライ、付け合わせ、無限に食が変わります!!!!」


 「飯の事ならお主は顔色が変わるな。聞いた事も見た事も無い物ばかりだが、よし!収穫してお館様に献上だ。ワシは荷車と人を用意してくる」


 そう言い、柴田さんは城の方へと向かっていった。


 「八兵衛村長!やりましたね!!!これで何かお館様から褒美が貰えるかもしれませんよ!!!」


 「正直、ワシらは何もしておらん。剣城が渡してくれた肥料が良かったのだ」


 「とりあえず、収穫しましょう!それと間違ってたら無駄骨になるんですが、昨日私が渡した種籾をこの後少しだけ植えてもらって、またあの金色のニワトリの肥料渡しますのでそれを撒いてもらえませんか?時期は外れてますが多分米が実ると思います」


 「正直、剣城の話じゃなかったら信じてないが多分本当なんだろう。分かった。この後植えてみる」


 よし!これで明日には米が出来るな!でもこの時代はまだ白い米に精米できないんだよな・・・。これもまた夜にはGarden of Edenさんで検索だな。 それにもっともっと種類を増やしてフルーツ、現代では高級で中々食べられなかったオレの大好きなマンゴー!育てるぞ!!


 それから村人総出で収穫をし、ちょうど収穫終わる頃に柴田さんと何人かの兵士が来て荷車に野菜を乗せていった。


 「皆の衆ご苦労だった。通常よりありえないくらい早く収穫ができた。お館様は必ずや喜ぶであろう。追って沙汰を出す」


 帰り際機嫌が良いため、


 《フルーツ飴箱買い(約1200個)》¥40000


 《苺苗100株》¥10000


 《人参の種》¥1000


 《みかんの苗木》¥10000


 《バナナの苗木》¥10000


 《サトウキビの苗木10節》¥2000


 《パイナップル苗10株》¥10000


 を購入して八兵衛村長にまた同じように植えて肥料を撒くようにお願いした。正直畑の広さが足りんと思うが、あのゴッドファーザーが気候、土を選ばんって言ってたし、とりあえずそこら辺に植えても大丈夫な気がする。


 「今渡した苗や種を植える場所が無いかと思いますが、正直あの肥料を撒いたらどこでも成長すると思いますので空いてる所に良い間隔で植えて下さい。それとこれは頑張ったお礼です」


 そう言って飴玉を1人一つずつ渡してあげた。またもや『褌ありがとう』やら『褌ばんざーい』とか聞こえたけど。


 渡し終えたら柴田さんからドス黒いオーラが出かけていたので口に飴玉を入れたら満面の笑みになっていた。本当に甘い物にこの時代の人弱いな。

 さっ、早く信長さんにこの野菜を渡して度肝を抜いてやろう!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る