第2話 NGワード
今日は月に1度のメンタルクリニックの診察日でした。始発のバスに乗り電車を乗り継ぎ、約1時間かけて通います。朝9時に予約券が配られ9時45分から受付が始まります。
毎回、早めに着くのですが、今日は2番目でした。主治医の診察の前にソーシャルワーカーの十文字さんに面接をしてもらいます。
僕は川崎市に住んでいて、クリニックも川崎にあります。十文字さんは川崎の福祉の中では個性が強く、ちょっとした有名人です。
見直す為、ボツにした小説の新作にも要所要所、十文字さんが登場します。小説に名前を使って良いと快諾してくれましたが、クリニックの名前は伏せる様に言われました。なぜかと言うと、地方の精神障害者が噂を聞きつけ遠くから診察して欲しいと連絡が入るそうです。
十文字さんの面接はいたってシンプルで、僕達精神障害者を一人の人間として話をします。特別な治療は一切しません。
今も精神障害者への偏見は酷いものです。その壁を壊して社会復帰させようと日々奔走しているのです。
以前も群馬県から川崎に来たいと連絡が入り、来ても特別な事は出来ないとお断りしたそうです。川崎と言う地域に密着した医療を目指しています。
その姿に感銘して小説の登場人物としてモデルにしたのです。
十文字さんの面接の後、主治医の筑根先生の診察があります。筑根先生も十文字さんに負けず劣らず、この精神障害者を診るエキスパートで人気があります。
僕は筑根先生とは26年のお付き合いが有り、信頼関係が強いのです。
僕の小説の登場人物として実名を使用して良いと快諾して頂きました。
小説の登場人物を偽名にするのは簡単ですが、書き手として気持ちを思い切り入れたい心情になるんですよね。まだまだ修行が足りません。
NGワード。
今後の課題です。
自殺願望はどうなのか?
あります。でももう少し生きてみようかな。
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