第643話 初飲酒の想い出

 おかえりなさい♡


 突然ですが、あなたは産まれて初めてお酒を口にした時の事を覚えていますか?


 その時の年齢にもよると思うのですが、どんな印象を持ったのでしょうか。今日は僕の初飲酒のお話をいたします。どうかゆっくりしていって下さいね。


 それでは今日も【生きてる証しが欲しいから】始まります。


****


【初飲酒の想い出】


 僕の初飲酒は、まだ保育園に通っていた頃のお話です。


 年齢はたぶん5、6歳だと思います。この頃は家が食堂をやっていて、食堂がお休みの時にしか家族揃って食事をする事はありませんでした。


【人間のカケラ】にも書きましたが、僕の親父は第二次世界大戦を経験したバリバリの元兵隊さんでした。とても気性が激しい男で、僕達4人兄姉妹は親父に殴られながら育てられました。


 母親は精神分裂病で精神病院に入院していて、ほとんど家にいませんでした。食事をする時は、出された物は黙って食べろと教育されました。


 喋ろうものなら容赦なく物が飛んでくるか、叩かれました。食事を残すと怒鳴られますので、食べるのに必死でした。


 あれは忘れもしません、お正月の出来事でした。


 お昼ご飯食べていた時の事です。親父は昼間から日本酒を飲み、機嫌が良かったようです。食事の場は、シーンと静まりかえり、ピリピリとした空気が流れています。


 そんな時でした。親父が飲んでいる日本酒を、おちょこに注ぎ僕の前に置いて「飲め」と言ったのです。親父の命令は絶対服従です。僕は怖くなり、日本酒の入ったおちょこを手に取り、一気に飲み干しました。


 僕は、産まれて初めてお酒を飲んだのです。


 初めて飲む日本酒は、ほんのりと甘くて美味しいと思いました。僕がお酒を飲んで、1番驚いたのは親父でした。


 そしてこう言いました。「この馬鹿本当に飲みやがった。水だ!水持ってこい!」幼い僕はなぜ親父がこんなに騒いでいるのかわかりませんでした。水をたくさん飲まされて、少し横になっていろと言われ、それに従いました。


 これが僕の初飲酒の想い出です。


 今から52年くらい前のお話です。小学生になると親父の目を盗んで日本酒をチビチビ飲むようになりました。アル中の小学生なんて聞いた事がありません。


 そして今、僕は断酒しています。


 自分では、もう一生分のお酒を飲み干したと思っています。次のメンクリの診察日に、冷蔵庫に入れてあるパイナップルワインを飲んでお酒を打ち止めにする予定です。完全にお酒を止めると言わないのが僕らしいです。


 あくまでも予定なので、記念日などには単発でお酒を飲もうと思います。断酒は難しく考えないで、飲みたければ飲むと言うスタンスでいきたいです。


 今はお酒を飲みたい時には炭酸水で我慢できています。酔う事はできませんが、あのシュワシュワ感で満足できています。頑張って脂肪肝を改善しましょう。


 今日もあなたとお話ができて嬉しいです。

 お話しはここまでです。


 どうか次もあなたと笑顔で逢えますように……


 いってらっしゃい♡

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